こんにちは、DX攻略部のkanoです。
自社でオウンドメディアを運営している企業様は多いですが、実際どの程度読まれているか、ということを気になったことはありませんか?
一生懸命執筆したコラムも実は冒頭だけしか読まれていない、ということも珍しくないのです。
多くのユーザーはページを最後まで読んでいるとは限らないため、自社が伝えたい情報が見落とされていることがあります。
こういった問題を解決するためには、ページのスクロール率というものをチェックしてみましょう。
スクロール率はユーザーの行動がわかる指標であり、自社のオウンドメディアを見直すきっかけにもつながります。
本記事では無料で使えるGA4(Google Analytics 4)のスクロール率について解説します。
また、スクロール率を活かしたコンテンツ改善の実践例や、なぜスクロール率が低かったかについて紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
GA4のスクロール率とは?
GA4は無料で利用できるツールながら、Webサイトを運用するうえでさまざまな情報を確認できます。
GA4(Google Analytics 4)とは、Googleが提供するアクセス解析ツールのことです。
また、GTM(Google Tag Manager)という、Webサイトで利用するツールや広告の「タグ」を管理するためのツールも存在します。
GA4だけでもスクロール率を計測することは可能ですが、GTMを活用することでより細かな計測が可能です。
ただし、GTMの設定は初心者では難しい部分が多く、トリガーを設定しても正しく測定できていない場合があります。
本記事では、GA4だけを使ったスクロール率の計測について解説していきます。
スクロール率はページがどこまでスクロールされたかを表すもの
みなさんはWebサイトを見る際に、ページの頭から最後まできっちりと閲覧しているでしょうか?
冒頭だけ読んで終わることもあれば、必要な情報が確認できたので中盤でページを閉じることもあるでしょう。
そういったページを最後までスクロールしているかを確認できるのが、GA4のスクロール率というデータになります。
スクロール率というのは、「ページがスクロールされたパーセンテージ」のことを意味します。
たとえば、コラムを作成して公開後、そのコラムがどこまでスクロールされているのかを確認できるのがスクロール率になります。
せっかく書いたコラムも冒頭しか読まれていないのは残念ですし、自社商品の説明を最後に持ってきている場合、その情報をユーザーに見てもらえていないことにつながります。
そういったことを避けるためにも、GA4を使ってスクロール率をチェックすることが重要です。
ただし、次の項目で解説しているように、GA4だけでは細かなスクロールパーセンテージは確認できないので注意しましょう。
GA4とGTMのスクロール率の計測の違い
冒頭でGA4以外にGTMでスクロール率を計測できると紹介しましたが、それぞれ下記のような違いがあります。
GA4 | GTM | |
計測可能な数値 | スクロール率が90%時点のみ | 細かく計測できる(20%毎など) |
設定難易度 | 設定を有効にするだけなので簡単 | 自分で細かく設定する必要があるので難しい |
カスタマイズ | 低い | 柔軟に設定できる |
GA4の場合、スクロール率はページの90%までスクロールしないと計測してくれません。
90%となると、ページをほぼすべてスクロールしてくれた、という見方ができます。
ユーザーにとても興味を持ってもらえたことはわかるものの、コンテンツを改善するうえではもう少し細かな情報が欲しくなるかもしれません。
その場合は、GTMのカスタムイベントを活用して、20%毎などのスクロール率を計測することをおすすめします。
今後、GTMを使った計測方法の記事も公開予定です。
GA4でスクロール率を確認する方法
GA4でスクロール率を計測する場合、GTMと異なり初心者でも簡単に設定可能です。
まずは、GA4でスクロール率を計測してみましょう。
GA4のスクロール率はscrollでカウントされる
GA4でスクロール率を記録した場合、「スクロール(scroll)」として保存されます。
さきほど説明したように、GA4の場合「ページの90%以上が表示された場合」のみスクロールがカウントされます。
スクロール率を計測するためには、GA4の「拡張計測機能」を設定しましょう。
- GA4の「データストリーム」を選択
- 「ストリーム」を選択
- 「拡張計測機能」を選択
- 「スクロール数」をオンにする
上記の手順に従って拡張計測機能を設定すると、GA4でスクロール率が確認できるようになります。
スクロール率を計測する際に忘れがちなポイントなので注意しなければなりません。
GA4の設定パターン1:レポート画面
GA4でスクロール率を確認する方法として、レポート画面からチェックする方法があります。
最初にGA4の左端にあるアイコンの上から2番目のグラフが描かれたアイコンを選択してください。
このアイコンは「レポート」を表示するためのアイコンで、選択すると「レポートのスナップショット」などが表示されます。
下記の画像のようにレポートのアイコンをクリックし、「エンゲージメント」→「ページとスクリーン」をクリックという流れで進めてください。
その手順で進めると上記のように画面内に「イベント数」というものが表示されている状態になります。
こちらをクリックするとさまざまなイベント数が確認できるので、その中にある「scroll」をクリックすると、ページ毎のスクロール率を確認できます。
その際に「ページパスとスクリーンクラス」と表示されている部分を「ページタイトルとスクリーンクラス」に変更すると、ページタイトルが表示されます。
または、レポート画面の「エンゲージメント」→「イベント」をクリックし、スクロールイベントのデータを確認するという方法もあるので活用してみてください。
GA4の設定パターン2:探索画面
より細かな情報が欲しい場合は、GA4の「探索画面」を活用しましょう。
探索画面でのスクロール率の確認方法はいくつかありますが、今回は最終的にページタイトル毎に表示回数とスクロール数が確認できる形に設定します。
GA4の「探索」のアイコンをクリックし、「空白」に新しい計測画面を設定しましょう。
「ディメンション」でイベントの「イベント名」とページ/スクリーンの「ページタイトル」を選びます。
また、指標はイベントの「イベント数」を選んでください。
次に設定した項目で「イベント名」と「ページタイトル」は「行」に、「イベント数」は「値」というところにドラッグアンドドロップしてください。
その下にある「フィルタ」では、「条件」を「次の正規表現に一致」を選び、空欄に「page_view|scroll」とコピー&ペーストしましょう。
この際、元から用意されている「scroll」を選択してもいいのですが、その場合は表示回数とスクロール数を同時にチェックできないため、上記の設定にすることをおすすめします。
GTMほど複雑な設定は無理でも、GA4は設定方法がシンプルなので、ぜひチャレンジしてみてください。
また、GA4でできること、できないことについては下記の記事で解説しています。
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スクロール率が低い理由と改善策
GA4を使ってスクロール率が計測できるようになったら、各データの検証を開始します。
データを確認すると、せっかく頑張って作成したページが、実は最後まで見られていないということに気づくことがあります。
スクロール率が低いページを確認すると、いくつかの共通点が見つかるかもしれません。
スクロール率が低い理由と、その問題を改善する方法について解説します。
スクロール率が低い理由
スクロール率が低い理由は、大きく分けて3つ考えられます。
- ページの内容がわかりにくい
- テキストと画像のバランスが悪い
- スマホで閲覧しづらい
ユーザーが自社サイトを訪れたとき、必要な情報が見つかりにくい、テキストばかりで読んでいて疲れる、スマホで見にくい状態になっている、といった状態はスクロール率が低い原因になります。
総じて、「ユーザーフレンドリーなサイトになっていない」ことが、スクロール率が低い理由といえるでしょう。
このスクロール率が低い理由を踏まえたうえで、次のWebサイトの改善策を実施してみてください。
改善策1:見出しやコンテンツ構成の調整
Webサイトを運営する際、トップページやコラムページなどを定期的に見直すことをおすすめします。
たとえば、力を入れて作成したコラムのスクロール率が悪い場合があります。
その場合、見出しやコンテンツ構成の調整をおこないましょう。
見出しを作成する際のポイントは、書かれている情報がシンプルにわかりやすいものに設定することです。
また、見出しをページの先頭付近に目次としてまとめて表示されるように設定することをおすすめします。
皆さんは本屋さんで本を買う際に、どのように本の内容をチェックしますか?
本屋さんで内容全部を立ち読みするのは難しく、部分的にチェックされる方が多いかもしれません。
また、目次だけを確認して、本全体の内容を想像する方も多いでしょう。
Webサイトでも同様で、ユーザーは長すぎるページやコンテンツの内容が端的に伝わらない場合、離脱してしまうことがあるのです。
そして、見出しと本文の内容がマッチしていることも重要です。
ユーザーは見出しの中で気になる情報だけをチェックする場合があり、その部分に飛んだときに求めていた情報が得られないと不満を感じる原因になります。
たとえば、「GA4のスクロール率の意味」という見出しがあり、その部分に飛んだときにまったく違う話が書かれていると、ユーザーの満足度は下がってしまうのです。
コンテンツを作成したあとは、コンテンツ作成者だけなく、自社の他の方にもチェックを依頼してみてください。
自分でわかりやすいと思っていた見出しやコンテンツ構成が、他の人にはわかりにくいことがあるためです。
そのため、事前に見出し構成をチェックしてもらうことも検討してみてください。
定期的なリライト作業が重要
公開したコンテンツは定期的にリライト作業をおこないましょう。
最新の情報に更新することで、ユーザーの満足度が高いサイトや記事に仕上がります。
ユーザーの満足度を高めることがWebサイトの評価を高めることになり、他のコンテンツのスクロール率もアップしていくからです。
自社のWebサイトを定期的に見直し、スクロール率が高い記事は維持を、スクロール率が低かった記事は高くなるようにリライト作業に取り組むことが重要です。
改善策2:ビジュアルの最適化
見出しやコンテンツ構成の改善と似ている部分はあるのですが、ビジュアルの最適化も重要です。
コラム記事で時々見られるのは、テキストが多すぎて読んでいて疲れます。
こういった場合は、記事内に写真やイラストを追加して、記事にメリハリをつけましょう。
テキストの内容をよりイメージしやすくするためにも、ビジュアルを活用することでスクロール率改善につながります。
改善策3:モバイル対応の強化
Webサイトを作成する場合、パソコンを使うことが一般的です。
しかし、そのサイトを閲覧するユーザーはスマートフォンを使うことが多くなっています。
パソコンで閲覧すると見やすいサイトでも、スマホなどのモバイル端末を利用すると見にくい、というのは珍しくありません。
スマホなどを活用するユーザーが見やすい、「モバイルフレンドリー」なサイト作りもスクロール率改善に役立ちます。
モバイルフレンドリーなサイトを構築するためには、「レスポンシブデザイン」を採用しましょう。
レスポンシブデザインとは、「サイトのデザインがPC・スマートフォン・タブレットなどの端末にあわせて、自動でデザインが変更される」ことを意味します。
パソコンで見ているサイトをスマホを使ってみてみると、同じように見えて、実はスマホで見やすいように自動でデザインが変更されているのです。
もし、レスポンシブデザインに対応していないサイトをスマホで閲覧すると、画面全体に画像が表示されたり、メニューバーなどが適切に表示されない場合があります。
このような状態では、ユーザーは最後までコンテンツを閲覧してくれないため、スクロール率が下がる原因となるのです。
レスポンシブデザインにする場合、サイトリニューアル時がおすすめです。
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まとめ
GA4のスクロール率を活用した改善策や、スクロール率が低かった理由について解説しました。
GA4の設定を変更すれば、簡単にスクロール率を確認できるようになります。
そのため、GA4のスクロール率を確認できるようにするのは、すぐに取り組める施策です。
そして、得られた情報を元に自社サイトのスクロール率が低いページの改善に取り組むことが重要になります。
スクロール率の改善策として、見出しや構成、テキストと画像のバランス、レスポンシブデザイン対応が代表的な方法です。
自社サイトの見直しとスクロール率の改善を実施し、ユーザーに自社コンテンツや情報をスムーズに届けましょう。
DX攻略部では、レスポンシブデザインに対応したサイト作りに関するご相談も受け付けていますので、ぜひご相談ください。
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