こんにちは、DX攻略部のyamamotoです。
「AWSには無料枠があるって聞いたけど、何ができるのかよくわからない」
「AWSの無料枠って本当に無料で使えるの?」
そんな疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。
AWSには無料枠が用意されており、初期費用をかけずにクラウドサービスを利用できます。
この無料枠を利用することで、コストを最小限に抑えつつ、ビジネスの効率化を図ることが可能です。
本記事では、AWSの無料枠で利用できるサービスや、実際にサービスを利用する具体的な活用方法をご紹介します。
AWSを無料枠で始めるメリット
ここでは、無料枠を利用するメリットについて解説します。
AWSの無料枠とは何か?
AWSの無料枠とは、新規アカウント登録後に利用できる無料のサービスを指します。
サービスによって条件がありますが、初期のコストをかけずにクラウドサービスを利用できます。
無料枠の分類は主に下記の3種類です。
詳しい条件については、無料枠の条件で後述します。
- 無期限無料
- 1年間無料
- トライアル無料
無料枠を使うメリット
無料枠最大のメリットは初期費用を抑えられることです。
クラウドを導入する際に、コストをかけずに試すことができます。
スモールスタートで利用を開始できるため、コストをかけたくない中小企業や個人事業主の強い味方になります。
メリット
- 初期費用を抑えられる
- 体験型学習が可能
- スモールスタートができる
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AWS無料枠で利用可能な主要サービス
AWS無料枠では多岐にわたるサービスを無料で体験できます。
ここでは代表的なサービスについて紹介します。
コンピューティング
コンピューティングの無料枠では、Amazon EC2とAWS Lambdaが主なサービスとして挙げられます。
Amazon EC2(Amazon Elastic Compute Cloud )
Amazon EC2は仮想サーバーを提供するサービスです。
EC2を利用することで小規模なWebサイトやアプリケーションの環境を手軽に構築できます。
アカウントの登録から12ヶ月間無料で利用できます。
- 小規模なアプリケーションやテスト環境に最適
- 必要なときにすぐに起動できる
- 管理画面がシンプルで初心者でも扱いやすい
AWS Lambda
AWS Lambdaはサーバレスアーキテクチャを実現するサービスです。
サーバーの管理が不要になり、コードを設定したイベントに応じて自動的に実行します。
無料枠が使用量に応じて設定されており、一定以上の使用があった場合に課金されます。
- サーバー管理が不要で簡単に始められる
- アクセス量に応じて自動でスケーリング
- 使用した分だけ課金されるためコスト効率がいい
ストレージ
ストレージの無料枠では、S3が主なサービスとして挙げられます。
Amazon S3(Amazon Simple Storage Service)
Amazon S3はオブジェクトストレージサービスです。
高い耐久性を持ち、画像や動画などのデータを安全に保存できます。
無料枠では5GBのストレージを12ヶ月間使用できます。
- 高い耐久性でデータを安全に保管できる
- 拡張性が高く、必要に応じてスケールアップ可能
- シンプルで初心者にも使いやすい
データベース
データベースの無料枠では、Amazon RDSとAmazon DynamoDBが挙げられます。
Amazon RDS(Amazon Relational Database Service)
Amazon RDSはクラウド上でリレーショナルデータベースを運用できるサービスです。
MySQLやPostgreSQLなどの主要なデータベースエンジンを利用できます。
無料枠では12ヶ月無料で使用できます。
- 自動バックアップでデータ保護が簡単
- 高可用性で信頼性の高い運用が可能
- システム負荷に応じて性能を調整できる
Amazon DynamoDB
Amazon DynamoDBは最新アプリケーションサービスをあらゆる規模で可能にするNoSQLデータベースサービスです。
サーバーレスで高速なデータ処理が可能です。
無料枠が使用量に応じて設定されており、期限はありません。
- 高速なデータ処理が可能
- 自動スケーリングで負荷に対応
- 無駄なコストを削減できる料金システム
ネットワークとコンテンツ配信
ネットワークとコンテンツ配信の無料枠では、Amazon CloudFrontとAmazon API Gatewayが挙げられます。
Amazon CloudFront
Amazon CloudFrontはコンテンツ配信ネットワークサービスです。
低レイテンシーで高速なデータの転送を可能にします。
無料枠は1TBのデータ送信まで無料で使用できます。
- コンテンツを効率的に配信して高速化
- 世界中に低遅延で配信が可能
- セキュリティの強化が可能
Amazon API Gateway
Amazon API Gatewayは、APIの作成、デプロイ、管理を簡単に行えるサービスです。
リアルタイム双方向通信を実現することができます。
無料枠として、12ヶ月無料で利用できます。
- サーバーを管理せずにAPIを簡単に作成可能
- 他AWSサービスとスムーズに連携可能
- トラフィックの増加に応じて自動スケーリング
AWS無料枠を活用した導入手順
AWS無料枠を最大限活用するための具体的な手順を解説していきます。
アカウント登録と初期設定
- AWSの公式サイトからアカウントを作成します。
- クレジットカード情報を入力し、本人確認を行います。
- 初期設定として、IAMユーザーを作成します。
セキュリティの観点から必ずIAMユーザーを作成し、作業を行う際はIAMユーザーを使用してログインしましょう。
初心者向けの無料サービス活用例
まず体験していただきたいのが、さまざまな場面で活用することの多い2つのサービスです。
EC2やS3は実務の中でも扱うことが多いため、無料利用枠を活用して作業をしてみましょう。
EC2で仮想サーバーを立ち上げる
- AWSマネジメントコンソールにログインし、”EC2”を選択する。
- ”インスタンスの起動”をクリックし、推奨設定でt2.microを選択する。
- ”新しいキーペアの作成”をクリックし、キーペアを作成する。
- セキュリティグループを設定する。
- ”起動”をクリックしてEC2インスタンスを作成する。
- キーペアは安全に保管する
- リソースを停止せずに放置すると無料利用枠を超える可能性がある
S3にデータをアップロードする
- AWSマネジメントコンソールにログインし、”S3”を選択する。
- ”バケットを作成”をクリックし、バケット名を入力する。
- ”バケットを作成”をクリックし、バケットを作成する。
- 作成したバケットを開き”アップロード”をクリックする。
- “ファイルの追加”をクリックしファイルを選択する。
- ”アップロード”をクリックしてアップロードを実行する。
- バケットの公開設定を確認し、必要以上に公開しない
- 不要なデータは削除してストレージ容量を管理する
無料枠内で行えるプロジェクトの例
無料枠内でも小規模なプロジェクトで利用が可能です。
実際に活用する方法として、2つ例を挙げて解説します。
試験的なウェブサービス開発
EC2インスタンスを利用して仮想サーバーを立ち上げ、Webサービスの開発環境を構築します。
必要なソフトウェアをインストールし、サービスを試験的にデプロイします。
開発中のアプリケーションをテストし、ユーザーからフィードバックを得るための小規模なプロジェクトに最適です。
サンプルデータベース構築
Amazon RDSやAmazon DynamoDBを活用して、サンプルデータベースを作成します。
テーブルを設計し、架空のデータを挿入してクエリの動作を確認します。
SQLやNoSQLを学ぶための実践環境として活用できます。
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AWS無料枠を利用する際の注意点
AWSの無料枠を利用する際には、以下の点に注意する必要があります。
無料枠の条件
無料で利用できるサービスには条件がついているものがあります。
それぞれの条件について詳しく解説していきます。
無期限無料
特定のAWSサービスでは無料の利用期間に制限がなく、永続的に無料で利用可能です。
- Amazon DynamoDB
25GBのストレージと月間2億回までの読み取り/書き込みリクエストを無料で利用可能 - AWS Lambda
月に100万件のリクエストまで無料で利用可能 - Amazon CloudFront
1TBのデータ送信まで無料で利用可能
1年間無料
新規アカウント登録日から1年間、特定のAWSサービスを無料で利用できます。
- Amazon EC2
月に750時間まで無料で利用可能 - Amazon S3
5GBの標準ストレージを無料で利用可能 - Amazon RDS
月に750時間のデータベースが無料で利用可能 - Amazon API Gateway
月に100万件のAPIコール受信が無料で利用可能
トライアル無料
一部のAWSサービスでは、特定の期間中のみ無料で利用できます。
本記事では使用していませんが、いくつか紹介します。
- Amazon Lightsail(コンピューティング)
3ヶ月間の無料トライアルが使用できます。 - Amazon Neptune(データベース)
30日間の無料トライアルが使用できます。 - Amazon Redshift(分析)
2ヶ月間の無料トライアルが使用できます。
無料枠外のサービス利用で発生するコスト
無料枠を超えた場合、自動的に料金が発生するため注意が必要です。
使用量・期間をこまめに確認し、余計な課金が発生しないようにしましょう。
特に1年間無料のものについては、期限を把握しておく必要があります。
よくあるトラブルとその回避策
よくあるトラブルと回避策について解説します。
クレジットカードの誤入力
クレジットカード情報の誤入力により、アカウントが停止する場合があります。
支払い情報をよく確認し、正確な情報を入力して下さい。
予期せぬ課金
サービスの選択ミスや、無料期間終了後の利用で予期せぬ課金が発生することがあります。
利用しているサービスの把握を確実に行い、定期的に使用状況を確認しましょう。
また、AWSには「Amazon SES」というメールサーバーを構築することができるサービスがあります。
そちらの利用にかかる費用などについては、下記の記事で紹介していますので参考にしてみてください。
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AWS無料枠を活用した事例
AWS無料枠を利用することで、実現できる活用例を紹介します。
中小企業のウェブアプリ開発
中小企業では限られた予算内で効率的なウェブアプリの開発環境を構築する必要があります。
AWS無料枠を利用すれば、Amazon EC2で仮想サーバーを立ち上げ、Amazon RDSでデータベースを管理することで、コストを抑えたシステムを構築可能です。
用途に合わせてスケールアップできるため、柔軟に対応できます。
- EC2インスタンスのセキュリティグループで適切なアクセス制御を行う。
- 定期的にRDSのバックアップを取得し、データの安全性を確保する。
- プロジェクト終了後は不要なリソースを削除してコストを管理。
個人事業主のECサイト構築
個人事業主がオンラインショップを運営する際に、初期費用を抑えたスモールスタートができます。
AWSの無料枠を利用すれば、Amazon S3で静的ウェブサイトをホストし、Amazon CloudFrontを利用して高速なコンテンツ配信が可能になります。
この構成により、セキュリティが確保された効率的なECサイトの運営が可能です。
- Amazon S3で静的コンテンツをホストし、低コストで運用。
- CloudFrontを利用してウェブページの読み込み速度を高速化。
- セキュリティを確保し、ユーザーの信頼性を向上。
AWS初学者のハンズオン学習
AWSを初めて学ぶ人は、AWS無料枠を存分に使いましょう。
AWSの主要サービスを実際に操作しながら、その仕組みや使い方を学ぶことができます。
Amazon EC2で仮想サーバーを立ち上げる、Amazon S3にデータを保存するなど、実践的な体験が可能です。
- AWS公式のハンズオントレーニングを活用して効率的に学習する。
- 無料枠内で操作できる範囲を確認し、余計な課金を防ぐ。
- 実践で得た知識を活かして次のプロジェクトに挑戦する。
AWSをフル活用するためのポイント
AWSを効率よく活用するためには、無料枠に限定せず、有料枠や他のサービスと組み合わせることも重要です。
初心者の方が効率よくAWSを活用するためのポイントを解説していきます。
無料枠と有料枠を組み合わせる
無料枠はAWSの基本的な機能を試すのに十分ですが、大規模なプロジェクトや高度な要件を満たすためには有料枠を組み合わせる必要があります。
小規模プロジェクトでは無料枠を活用し、必要に応じて有料サービスへの移行が必要です。
リソースのコストは定期的にモニタリングし、効率的に運用しましょう。
スモールスタートで段階的に進める
小さなプロジェクトから始めて段階的に進めることをおすすめします。
必要最低限のリソースでプロトタイプを作成し、小規模なデプロイで実際の運用環境を試すと大きな失敗を防げます。
問題がなければ段階的にリソースを拡大していきましょう。
AWS公式のトレーニングを活用する
AWSは公式サイトで豊富な学習リソースを提供しています。
AWS Skill Builderなど無料のコースもあるため、積極的に活用しましょう。
ハンズオンについても学べる教材があり、学習のリソースに困ることはありません。
まとめ
AWSの無料枠を利用することで、初期コストを抑えつつクラウドサービスを利用できます。
本記事では無料枠を有効に使うための方法や注意点について解説しました。
AWSの無料枠は、初期コストを抑えたい中小企業や、個人事業主の事業拡大に大きく役立ちます。
AWSを活用して、コストを抑えつつ効率的なシステムを構築し、ビジネスの成長を加速させましょう!
DX攻略部では、Salesforce導入支援サービスなど企業のDX化推進に関するお問い合わせを受け付けておりますので、ご興味をお持ちの方はぜひご相談ください。