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AWS導入後に気づいたメリット・デメリット:リアルな体験から学ぶ導入のコツ

こんにちは、DX攻略部のtakuyaです。

AWSを導入する際、メリット・デメリットはたくさん調べて自社に適合するかを考えると思いますが、実体験を聞くことはあまりないかと思います。

そこで、私がAWSを導入した際に、特に感じたメリットとデメリットについてご紹介していきますので、読み終わる頃にはもうAWS導入のイメージが持てているかと思います!

AWSとは

巷で耳にすることの多くなったAWSですが、そもそもAWSとは何かを知りましょう。

Amazon Web Serviceの略であり、あの世界で有名なAmazonが提供するクラウドサービスです。

つまり、Amazonのサービスを利用してサーバやネットワークなどをクラウド上に構築することのできる非常に画期的なサービスなのです。

AWSの導入にはメリットとデメリットがある

近年クラウドサービスを利用する企業が増加しており、よくわからずともクラウドに切り替える方もいらっしゃいます。

しかし、クラウドサービスにもメリットとデメリットは存在します。

これはAWSも同様で、「Amazonが提供しているから切り替えて間違いがない」という勢いで導入すると痛い目を見る場合もあります

しかし大きなメリットも存在するので、メリットがどれだけ自社に有効か、デメリットをどれだけ抑えることができるかを考えながら導入を検討すると大失敗は避けられます

そのため、事前にメリット・デメリットを確認しておきましょう。

また、AWSに何を移行するかを決めておくことで、スムーズにAWSを導入することができます。

AWSを導入する際に、何をクラウドに移行するかについては、下記の記事で解説しています。

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メリット1:機器管理からの解放

それではAWSのメリット1つ目をご紹介していきます。

インフラエンジニアが忘れてはいけない重要な仕事の一つが機器管理です

実機をサーバルームに置くオンプレ環境では機器が古くなり故障する前に交換を行わなければなりませんし、どのような状況下で稼働させるのか検討するのも一苦労だったと思います。

これらの悩みをAWSによって解消できるという点が、大きなメリットとなります。

スッキリとしたサーバルームでの作業

オンプレ環境のサーバルームを見た経験のある方であれば、どのような環境なのかが想像できると思います。

電子機器の寿命を縮めるのは温度と湿度です。

サーバルームはこの温度と湿度を最適に保つため、常に20℃前後に気温は抑えられ、さらにはサーバラックに熱がこもらないように風が送られています。

そのため、サーバルームは夏冬問わずかなり寒く、真夏でもコートを着て作業を行なっているエンジニアがほとんどです。

しかし、AWSに移行することによってこれらのサーバは不要となるため、オンプレ環境にあったサーバ群のほとんどが撤去されることとなります。

もちろん、オフィスからクラウドへ接続するネットワーク環境は残しておくため、ネットワーク機器はサーバルームに残ることとなりますが、大量のサーバがある頃と比べると快適に過ごすことができます。

ネットワーク機器のメンテナンス作業は残りますが、オンプレ環境のような過酷な状況での作業とはサヨナラできるというわけです。

リプレイス作業が不要になった

オンプレ環境を備えたオフィスに常駐しているエンジニアにとって、機器の寿命管理は常に気にしておく必要があります。

プライベートで古いパソコンを使用していて、ある日突然壊れてしまったという話はよく聞きますが、オフィスにおいて突然サーバが壊れてしまったというのはあまり聞くこともないと思います。

これはサーバが耐用年数を迎える前に新しいサーバに交換していることが理由の一つです。

現場のエンジニアは耐用年数を迎えそうな機器があると、予算を組んで発注を行い、メンテナンス日を設けて機器の入れ替えとデータの移行を行っているのです。

データ移行でのエラーが出ることもあり得ることなので、エンジニアにとってはプレッシャーとなります

このリプレイス作業は工数はもちろんのこと、エンジニアの大きな負担となっていました。

しかし、クラウドにサーバを移行すると耐用年数を管理するのは数台のネットワーク機器や電源機器だけとなりますので、負担が大きく軽減されます。

メリット2:設計変更も楽々

オンプレ環境で働くインフラエンジニアにとって、機器管理と同じく重要なのは設計変更です。

「容量が足りない」「動作が重くなる」「人員を増やすため今の環境では作業できない」などという意見をよく受けると思います。

この意見が上がると、検証を行なったり予算を組みながら機器を増強するという作業が発生します。

このような作業はAWSに移行するとどうなるのかをご紹介していきます。

ボタン一つでリソース変更が可能に

現場からリソースが足りない、ストレージが足りないとなると、部品を発注してメンテナンス日に部品交換が発生するのがオンプレ環境を管理しているエンジニアの宿命です。

しかし、AWSに移行するとクラウド上にサーバがあるため、ボタン一つでサーバの仕様変更が可能となるのです。

現在はサーバ単体で稼働していることは少なく、1つのサーバを複数に分けて仮想サーバとして稼働していることがほとんどだと思いますが、仮想サーバの設定変更と同じようにできると考えてください。

仮想サーバで運営している場合でも、割り振るリソースやストレージがなくなってしまうと物理的な作業が発生してしまいます。

AWS移行はインフラエンジニアにとって大きな恩恵があると言えるのです。

もう静電気も怖くない!

インフラエンジニアが最も遅れているのは静電気と言っても過言ではないでしょう。

いくら静電気対策を行なっていても、静電気が発生する時は発生してしまいます。

「バチッ」という音とともに、サーバの電源が永遠につかなくなったという話はどこに行っても聞きます。

ほとんどの環境は冗長化してあり、1台のサーバが壊れたとしても業務に影響はありませんが、元々リソース不足やストレージ不足によって作業をしているわけですから、現場からの不満が出るのは避けられません。

誰にでも起こるいわば事故であるのに、なぜか作業者が悪者になってしまう最悪のケースです。

オンプレ環境にいる限り、インフラエンジニアは避けて通れないロシアンルーレットのような作業がありましたが、AWS移行後はこんな作業も無縁となります

クラウドにサーバがあり実際に機器を開けて作業することはなくなるため、1つの大きなリスクを回避できるというわけです。

メリット3:在宅でも作業しやすい

オンプレ環境でのインフラエンジニアの多くは、完全在宅という就業条件はほぼありませんでした

それはサーバルームでの作業が伴い、LAN線を入れ替えたり機器に直接パソコンを接続して作業することが避けて通れなかったからです。

しかし、クラウドが普及してきたことによりインフラエンジニアでも完全在宅は可能となってきています

なぜ完全在宅が可能となったのかをご紹介していきましょう。

プライベートネットワークでも在宅で作業

完全にプライベートネットワーク、もしくはスタンドアロン端末のサーバも存在し、それらの作業は出社して行わざるを得ない状況でした。

しかし、AWSのネットワーク設定により、完全にプライベートネットワークやスタンドアロン端末を設置することが可能であり、さらには権限の割り当てによってさらに厳しいセキュリティを敷くことも可能です。

このことにより、わざわざ会社に出向いて作業を行わなくとも、家から目的のサーバに接続して作業を行えば良いということになります。

誰かとチェックを行いながら作業を行う場合でも、画面共有を利用すれば簡単にできるので完全在宅が現実のものとなったのです。

実作業が不要だから出勤も不要

インフラエンジニアで案外多い案件は、LAN線を切り替えるという作業が多くありました。

スイッチの設定変更で切り替えることは可能ですが、会社によっては切替手続きが面倒だったりして結局LAN線の抜き差しで場を収めることもしばしばあります。

しかし、AWSに完全移行してしまえばそれらの設定はクラウド上で行わざるを得なく、LAN線の抜き差し作業が消えてなくなるというケースが多く見られます。

結果として、オンサイト作業がなくなり完全在宅でも仕事に支障がなくなるというわけです。

デメリット1:専門知識を持つ技術者が必要

ここまではAWSに移行した際のメリットばかりをご紹介してきましたが、残念なことにデメリットも存在します。

デメリットを知り、うまく回避していくことがビジネスにおいて最も大切なこととなるため、目を背けるわけにはいきません。

まず第一には専門知識を持った技術者が必要となることをご紹介していきます。

AWSの知識を持つ人の助けが必要

AWSはクラウド上に環境を構築していきます。

そのため、AWSの知識を持っていなければ熟練のインフラエンジニアであっても構築していくことは難しいです。

インフラエンジニアにAWSの知識を身につけてもらうか、AWSのある程度上級のエンジニアの助けを借りるなどの対策が必要となります。

近年AWSは注目を集め、資格も細分化されているためエンジニアも増加傾向にはあります

ただし、従来の体制では難しいケースも多いことは覚えておきましょう。

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サービスが多いことが長所でもあり短所

AWSを調べてみると、サービスの多さに驚きます。

また、いくつかのサービスで同じ機能が実装されていることもあり、初めてAWSで構築を行うとどれを利用してよいのかパニックになることもあるでしょう。

AWSにはAmazonが推奨するベストエフォートがあり、その通りに設定していけば苦労なく行うことができますが、それを無視して構築していくと泥沼にハマるケースもあります

例えていえば、Excelを使えば良いものをなぜかWordで表を駆使して資料を作っているようなものです。

そのため、目的に対してどのサービスを使用するのかがわかる技術者が必要となるわけです。

AWS独特の言い回しに注意

インフラエンジニアとして長年従事してきた方でも、AWS独特の言い回しや用語には注意が必要です

とにかく略称で呼ぶことが多く、EFSとEBSなど紛らわしいサービス名も多く見られます。

また、AWSのサーバを停止する際にも「インスタンスを停止」と押してしまうとサーバが消えてしまったり、「インスタンスを起動」と押すと新たにインスタンスができあがったりと、少々癖があります。

慣れるまでにストレスを抱えてしまうエンジニアも多くいますが、そこは焦らずゆっくりと慣れていきましょう。

デメリット2:費用計算に時間がかかる

プロジェクト運営において欠かせないのが費用計算です。

オンプレ環境であれば、機器を購入してしまえばそれ以上は消耗品と電気代、そしてリプレース時にかかる費用くらいだったので費用計算に苦労することはありませんでした。

しかし、AWSは使用するサービスによって価格が変わったり、起動している時間や停止している時間に費用が加算されるケースもあります。

そのため、今までの「だいたいこれくらい」が見えないことも多くあることも押さえておきましょう。

稼働してみて請求額にびっくり

いざAWSを稼働してみると、その請求額に驚くケースもあります。

AWSには現在使用しているサービスであれば月額いくらくらいかかるのか、無駄なサービスはないかなどを計算してくれるサービスもあるため、うまく使っていけば予算とアジャストしていけます。

しかし、あれもこれもとサービスを利用していくと、とんでもない金額になることもしばしば。

AWSはサブスクリプションであることを忘れず、どれだけ環境にかかっているかをよく見ていかなければ思わぬ赤字を招くこともあります。

経営にも関わる部分なので、絶対に忘れずチェックしましょう。

AWS節約術は経験が必要

AWSからおすすめの節約設定は表示されますが、それを採用するか判断するのは利用者となります。

業務に支障をきたしてしまうと節約している場合ではなくなってしまうので、しっかりと判断できる人材が必要となります。

「今と変わらない稼働環境でもっと安くできないか」「無駄を極限まで無くしたい」という声に応えられるAWSエンジニアが必要となるのです。

これらの知識はAWSの資格試験にも出てくるため、資格を保有していればある程度の節約はできるかもしれません。

しかし、現状のスペックを維持できるかどうかの判断は経験に勝るものはありません。

そのため、経験と知識を持ったエンジニアがいることがAWS稼働の条件となります。

まとめ

AWSを実際に導入してみて感じたメリット・デメリットをご紹介してきました。

デメリットを見て足踏みをしてしまうかもしれませんが、障害対策や利便性を考慮すると、これから先ますますクラウド環境に移行する企業は増えていきます。

現在、知識のあるエンジニアがいないのであれば、管理する部分を外注したりアドバイスを受けるなどして、徐々にインフラをクラウドへ移行していくことがベストと言えるでしょう。

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