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校正の外注はもう不要?ChatGPTを活用した効率的な文章チェック術

こんにちは、DX攻略部のトーヤです。

企業において、メールや契約書、プレゼン資料など、文書を使うことは多いと思います。そのため、正確な文章を書くことは企業にとってとても重要です。

文章の正確性を担保するためには、校正作業を行うことが考えられますが、手作業の校正には手間がかかるほか、外注するとコストもかかります。

そこで、低コストかつ効率的に文章校正を行う方法として、ChatGPTを活用するという手があります。

この記事では、ChatGPTを使った文章校正のメリットや、具体的なやり方について解説していきます。

ChatGPTとは?

ChatGPTとは、OpenAIが開発した対話型のAIです。GPTと呼ばれる大規模言語モデルが用いられており、まるで人間かのような自然な文章を生成します。

ChatGPTでは、プロンプトと呼ばれる指示文を作成して投げることで、文章の生成や翻訳などのタスクをしてもらうことが可能です。

文章校正を依頼するときは、校正してもらいたい文章と校正タスクであることをプロンプトに書きます。

ChatGPT公式サイト

ChatGPTによる校正の仕組み

ChatGPTを使った校正では、誤字脱字、漢字の誤変換などを判定し、文章の修正案も出してくれます。以下はChatGPTによる文章校正の例です。

また、ChatGPTは文脈を考慮した文章の校正も可能です。以下のように文脈上の誤りがあれば指摘してくれます。

ChatGPTに与えるプロンプトは、ある程度文意が伝わるものであれば柔軟に回答してもらえます

ChatGPTを使った校正のメリット

ChatGPTを使った校正は、外注や従来の手作業での校正と比べてどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは校正にChatGPTを使うメリットについてご紹介します。

ChatGPTのメリットは以下の通りです。

『ChatGPTを使った校正のメリット』

  • コストの削減
  • スピーディーな対応
  • いつでも対応可能

    コストの削減

    ChatGPTにはいくつかのプランがあり、個人の利用であれば無料でも十分に活用することができます。以下にChatGPTのプラン別の料金をまとめます。

    プラン名 料金 対象者
    ChatGPT(無料版) $0/月 個人
    ChatGPT Plus $20/月 個人(ビジネス向け)
    ChatGPT Team $25/月(1ユーザあたり) 中小企業
    ChatGPT Enterprise 要問合せ 大企業

    個人で利用する場合は無料版やPlus、会社単位での利用であればTeamやEnterpriseがおすすめです。

    ChatGPT Team

    ChatGPT Enterprise

    校正を外注したり、専門のスタッフを雇ったりする必要が無く、その分のコストを削減できます

    スピーディーな対応

    ChatGPTによる校正は、プロンプトを与えてから1分足らずで完了します。即座に校正ができるため、締め切り前の急ぎの案件でも対応可能です。

    従来の手作業での校正と比べ、校正にかかる時間を大きく削減でき、業務の効率化につながります

    いつでも対応可能

    ChatGPTは時間帯を問わずいつでも使えるため、急に校正が必要になったときでも対応可能です。緊急の案件であっても問題なく校正ができます。

    24時間対応可能であるため、多忙なスケジュールであっても利用することが可能です。

    実際にChatGPTで校正を行う方法

    ChatGPTを使った校正は、基本的に以下の3ステップで行われます。それぞれのステップについて詳しくご説明していきます。

    1. プロンプト作成
    2. フィードバック
    3. 校正内容を反映

    ステップ1:プロンプト作成

    まずはChatGPTに校正を依頼するためのプロンプトを作成します。基本的なプロンプトとしては、校正タスクである旨と実際に校正を依頼する文章があればOKです。

    そのほかに、その文章がどのような文章であるのか(ビジネスメール・プレゼン資料など)や、校正の際に守ってほしいルールなどをプロンプトに記述しておくと思い通りの校正をしてもらいやすくなります。

    プロンプト作成のポイント

    ChatGPTはプロンプトに対して柔軟に対応できますが、以下のようなポイントを守ってプロンプトを作成するとより精度の高い回答を得やすくなります。

    • ChatGPTの立場を明確にする
    • マークダウン記法を使う
    • 例を示す

    ChatGPTは立場を明示するとその立場に沿った回答をしてくれます。たとえば、校正であればプロンプトの最初に「あなたはプロの校正者です。」などと記述するといいでしょう。

    また、ChatGPTはマークダウン記法を理解できます。そのため、校正ルールなどを含めた長いプロンプトを書く際はマークダウン記法を使って構造化したプロンプトを書くと指示が明確になります。

    ChatGPTに複雑な指示を出すときは、プロンプトで例を示すと精度が安定しやすくなります。校正の場合はルールを示すときに、簡単な例を示しておくといいでしょう。

    ステップ2:フィードバック

    プロンプトが作成できたら、実際にChatGPTにプロンプトを投げます。すぐにChatGPTから回答が返ってくるので、確認しましょう。

    ChatGPTに校正を依頼すると、以下のように修正案が返ってきます。なお、ChatGPTの返答は毎回異なるので、必ずしも同じような回答が得られるわけではありません。

    この修正案に対し、さらに質問を投げかけることもできます。

    校正に関して要望などがあれば、このタイミングで微調整しておきましょう。ChatGPTは1回で完璧な回答ができるとは限らないので、返答に対してフィードバックを行いながら校正を進めます。

    ステップ3:校正内容を反映

    ChatGPTから返ってきた修正案や修正ポイントを確認し、問題が無ければ文章に反映します。ChatGPTは完璧ではないため、返ってきた文章を確認せずコピペするのはおすすめしません

    ChatGPTの校正は基本的にこの3ステップで進められます。特にプロンプトは校正の精度に大きく関わってくるので重要です。

    ケーススタディ:ビジネス文書での活用例

    ここでは、実際にビジネス文書をChatGPTを使って校正する例をご紹介します。例1としてビジネスメールを、例2としてプレゼン資料の校正を行います。

    今回の例では、ChatGPTの無料プランを使用しています。有料プランを利用すると、より高い精度での校正も可能です。

    例1:ビジネスメール

    ChatGPTを使ったビジネスメールの校正例が以下の通りです。誤字脱字に加え、ビジネスメールに合った文章に変えられているのがわかります。

    校正前

    お世話になっております。株式会社花井商事の佐藤でございます。

    先日は貴社との商談に際して、大変有意義なお時間をいただき、ありがとう御座いました。
    さて、次回の打ち合わせにつてご相談させて頂きたいと思い、メールを差し上げました。

    以下の日程の何れかでご都合を伺えますでしょうか?

    • 11月20日(水) 午前10時~
    • 11月22日(金) 午後2時~
    • 11月23日(土) 終日

    いずれの日程も難しい場合は、ご都合の良い日程をお知らせくださいませ。

    また、今回の打ち合わせでは、先日お話しした新製品の資料をご確認頂きたいと考えています。資料の送付をご希望の場合は、お気軽にお知らせ頂けますでしょうか。

    お忙しい中恐れ入りますが、何卒宜しくお願い致します。

    校正後

    お世話になっております。株式会社花井商事の佐藤でございます。

    先日は貴社との商談に際し、大変有意義なお時間をいただき、誠にありがとうございました。
    さて、次回の打ち合わせについてご相談したく、ご連絡を差し上げました。

    以下の日程のいずれかでご都合をお伺いできますでしょうか。

    • 11月20日(水) 午前10時~
    • 11月22日(金) 午後2時~
    • 11月23日(土) 終日

    もし上記の日程が難しい場合は、貴社のご都合の良い日時をお知らせいただければ幸いです。

    また、次回の打ち合わせでは、先日お話しさせていただいた新製品の資料をご確認いただければと考えております。資料の事前送付をご希望の場合は、どうぞお気軽にお申し付けください。

    お忙しいところ恐れ入りますが、何卒よろしくお願い申し上げます。

    また、「修正ポイントを教えてください」と入力することで、具体的な修正点を知ることも可能です。

    校正した際のチャットは以下のリンクから見ることができます。

    チャット全文

    例2:プレゼン資料

    プレゼン資料についても校正例を示します。少し長いので、以下のリンクからプレゼン資料の例を校正したチャットの全文をご覧ください。

    チャット全文

    文の誤りだけではなく、読みやすさを向上させるための修正も行ってくれています

    ただし、後ほど述べますが、機密情報などを含む資料については基本的に入力しないことをおすすめします。

    注意点と限界

    ChatGPTを使った校正はとても便利ですが、注意点もあります。ここでは、ChatGPTの限界と、使う際の注意点について解説します。

    ChatGPTを使う際は、以下のことに気をつけましょう。

    • ChatGPTが間違える可能性
    • 機密情報の取り扱い

    ChatGPTが間違える可能性

    ChatGPTをはじめとした生成AIには、ハルシネーションと呼ばれる、誤った情報を出力してしまう問題があります。回答が間違っている可能性があるため、注意しなければなりません。

    ChatGPTで校正を行う際も、文脈やニュアンスなどの最終的なチェックは人間が行うようにしましょう

    機密情報の取り扱い

    ChatGPTでは、ユーザが入力した情報がデータとして蓄積され、学習に利用されます。そのため、機密情報を入力してしまうと情報漏洩の恐れがあります。

    ChatGPTを利用する際は、原則機密情報は入力しないようにしましょう

    まとめ

    今回は、ChatGPTを使った文章校正について解説してきました。

    ChatGPTを使うことで、効率的に文章の校正を行うことが可能です。

    また、近年のAIの発展速度は著しく、今後さらに校正の精度が向上していくことも期待できます。今のうちから活用しておくことで、今後の発展についていきやすくなるでしょう。

    ChatGPTは低コストで始めることができるため、気になる方はまず試してみることをおすすめします。