こんにちは、DX攻略部のmukkukoです。
前回、下記記事でGA4の探索レポートの基本を解説しました。
こんにちは、DX攻略部のmukkukoです。 今回は、GA4の探索レポートの使い方についてご紹介します。 GA4のレポート機能を活用する中で、「もっと深掘りしたデータが取りたい」「そもそもレポート機能はどういう仕組みなんだろう」[…]
今回から、数回にわたってGA4探索レポートの逆引き記事を企画しております。
逆引きとは、(筆者としての解釈ですが)実際のお悩みに対して、どの探索レポートで分析すればいいか?を解説するようなイメージです。
今回は、「コンバージョンが取れない!何を分析すればいいの?」といったお悩みにお答えします。
WEBマーケティングを行う中で、「何でコンバージョン取れないんだろう?」「コンバージョンが取れない原因ってどう分析すればいいの?」とお悩みの方はとても多いと思います。
実は、一番の近道はファネルデータ探索のテンプレートを使用して、「離脱数」を見ることです。
下記記事で、離脱数をどのように分析するか、そもそもなぜ離脱数の分析が大事なのか、さらに分析後のステップまで解説しますので、ぜひ最後までお読みください!
コンバージョンのお悩みに重要なGA4上の離脱数とは?
まず、コンバージョンのお悩みがある場合には、離脱数の把握が重要です。
本章では、離脱数について詳しく解説します。
GA4上の離脱数とは?
GA4上で離脱数とは、「あるページやスクリーンで1セッションの最後のイベントが発生した回数」と定義されています。
少しわかりやすく言うと、「ユーザーが特定のページを訪問後に、WEBページから離脱した回数」を指します。
離脱の原因には、以下のような例があります。
『ユーザーが離脱してしまう理由』
- 求めていた情報や商品がないため
- ページ構成が分かりづらいため
- 情報だけで満足してしまうため
「もっと見たい」「商品について詳しく知りたい」と思わせるページ内容を作ることも重要です。
なぜ離脱数が重要か?
離脱数がなぜ重要かというと、コンバージョンに至らない理由が分析できるためです。
具体的には、離脱数には以下のようなメリットがあります。
『離脱数を計測するメリット』
- 導線上でユーザーが離脱しているページが分かる
- コンバージョンへの導線を見直す戦略を立てられる
コンバージョンの難易度によりますが、自社のWEBページでコンバージョンに至らない理由を、下図のように検討できます。
例えば、あるWEBページのコンバージョン経路を以下のように仮定します。
①TOPページ → ②製品紹介ページ → ③料金表のダウンロードボタン遷移先 → ④顧客情報入力ページ |
さらに、離脱数が以下の数値だと仮定します。
①100 → ②30 → ③10 → ④58 |
上記の例の場合、②の製品紹介ページから③の料金表のダウンロードボタン遷移先までは、比較的スムーズに移行しています。
しかし、④の顧客情報入力ページの離脱数が58/60と、離脱率で表すと96.6%となってしまっています。
入力フォームのあるWEBページの離脱率の平均は70%程度です。
上記の例では、高い離脱数の原因を探るために④の顧客情報入力ページの改善を行う必要があることが分かります。
以上のようにコンバージョンまでの経路が確立している場合には、コンバージョンに至らない理由を分析するために、離脱数の把握が重要です。
GA4で離脱数を分析できるファネルデータ探索とは?
前章で、コンバージョンに至らない理由の分析を行うためには離脱数が重要であることを解説しました。
続いて本章では、GA4で離脱数を分析するために使われるファネルデータ探索の概要を解説します。
ファネルデータ探索とは?
ファネルデータ探索とは、上図のようにステップを設定して、キーイベント(コンバージョン)に至るまでのユーザーの経緯を可視化できる機能です。
GA4上では[探索レポート]メニュー内にテンプレートがあります。
コンバージョンまでの経路が明確になっているWEBページや、ECサイトなどではファネルデータ探索を活用し、離脱数をもとにページ内容の改善に役立ちます。
経路データ探索との用途の違いは?
コンバージョン経路について、経路データ探索という探索レポートもあります。
混同されやすい項目ですが、経路データ探索ではイベントごとに、ユーザーの行動の分岐状態を分析します。
用途の違いは、以下の通りです。
- ファネルデータ探索は、コンバージョン経路が確立している場合に離脱を分析して改善を行う
- 経路データ探索は、コンバージョン経路を確立できていない場合に遷移先を分析して導線を作る
「経路」という言葉がどちらでも関係するため混同しやすいですが、違いをしっかりと理解しておきましょう。
ファネルデータ探索を使用した経路分析レポートの作り方
次に、ファネルデータ探索を使用した経路分析レポートの作り方について解説します。
後半では、実際のGA4の画面を参照しながらご説明します。
コンバージョン経路を4つのファネルに分類する
まず、ファネルデータ探索を行う前に、自社のコンバージョン経路を以下の4つに分けるとわかりやすいです。
上記はマーケティングファネルと呼ばれ、顧客の行動を「①認知②興味関心③比較検討④購入」という4段階のステップに分類します。
今回は、以下のステップを例として設定します。
②製品紹介ページ(②興味関心)
③料金表ダウンロードボタン(③比較検討)
④顧客情報入力フォーム(④購入→今回の場合は営業先情報の入手というコンバージョン)
GA4上のファネルデータ探索レポートの設定
次に、GA4上でファネルデータ探索レポートを設定します。
今回はなるべく簡単なイベントを用いて解説します。
GA4上の探索レポートから[ファネルデータ探索]を選択
GA4のメニューから[探索]を選択し、上記点線箇所の[ファネルデータ探索]を選択します。
設定の[ステップ]を編集する
デフォルトでレポートが作成されているので、[設定]内の[ステップ]の右上の鉛筆マークをクリックします。
[ステップ]の内容を変更する
続いて、[ステップ]の内容を変更します。
①WEBサイト初回訪問(①認知):変更なし
②製品紹介ページ(②興味関心):左の項目を[page_view]右の項目を[page_location]にして、該当のURLを入力
③料金表ダウンロードボタン(③比較検討):左の項目を[page_view]右の項目を[page_location]にして、遷移後のURLを入力
④顧客情報入力フォーム(④購入→今回の場合は営業先情報の入手というコンバージョン):左の項目を[page_view]右の項目を[page_location]にして、遷移後のURLを入力
以上により、下記の導線に沿ったファネルデータ探索レポートを作成できます。
②製品紹介ページ(②興味関心)
③料金表ダウンロードボタン(③比較検討)
④顧客情報入力フォーム(④購入→今回の場合は営業先情報の入手というコンバージョン)
なお、今回は簡単なイベントを用いてファネルデータ探索レポートを作成しましたが、以下の記事ではイベント用語について詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
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分析後コンバージョン率を上げるための改善ポイント
GA4上でファネルデータ探索による離脱数が分かり、離脱数の高いステップがあった場合には、以下の改善ポイントを試してみましょう。
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以下で解説します。
視線誘導による導線の設定見直し
離脱数の分析後、視線誘導による導線の設定見直しはコンバージョン率を上げるための改善ポイントの一つです。
WEBページのレイアウトによって、想定した導線を通過せずコンバージョンに至っていない可能性があるためです。
導線の見直しには、以下のような視線誘導を利用すると効果的です。
- グーテンベルク・ダイヤグラム:均等に配置されたものを見る際には左上から右下へ視線が動く
- Zの法則:まばらに配置されている際にはZの字(左上→右上→左下→右下)で視線が動く
- Fの法則:Zの法則と同様にまばらに配置されている場合はFの字(左上→右上→左下→さらに左下→右)で視線が動く
上記のような視線誘導を活用すれば、コンバージョンに向かうためのWEBページの導線設定も期待できます。
コンバージョンへのハードルを検討
コンバージョンへのハードルを検討するのも、ポイントとして挙げられます。
例えば、製品紹介ページから直結するコンバージョンが購入ボタンだとすると、ハードルが高すぎてなかなかクリックされない可能性が高いです。
製品紹介のページで自社のメリットなどを説明したとすると、次に準備すべきは料金表などの比較検討資料が適しています。
前章で解説した、[①認知②興味関心③比較検討④購入]のマーケティングファネルを意識すると改善しやすくなります。
また、セールス部門がある企業では、料金表のダウンロードをコンバージョンとして、情報をもとにセールス部門が顧客アプローチを進めるのも一つの手段です。
コンバージョンとなるボタン配置の再考
コンバージョンとなるボタン配置の再考を行うこともコンバージョン率を高めるための改善ポイントの一つです。
ボタン配置が適切でないと、ユーザーにとって押しづらかったり、気付きにくいといったリスクがあるためです。
ボタン配置を目立たせるためには、以下のポイントが挙げられます。
- 説明を簡潔かつわかりやすくする:[無料ユーザー登録はこちら]などと押した後の不安を解消する
- ボタンデザインを目立たせる:ボタン周りの余白を大きくとる、他の部分と違う色を使う、角丸ボタンを使うなど
- 置き場所を工夫する:コンテンツの一番後ろで効果が出なければ一番前に持ってくる、追従ボタンを活用するなど
押しづらい、目立たないといったボタン配置が影響している可能性もあるため、ボタン配置の再考も検討しましょう。
フォーム内容の見直し
コンバージョン率向上のためには、フォーム内容の見直しもポイントとして挙げられます。
オウンドメディアなどのコンバージョンとして、「ユーザー情報のフォーム入力送信」を設定する場合に特に重視します。
フォームで離脱が起きてしまう原因には、主に以下が挙げられます。
『フォーム離脱が起こりやすい原因』
- 入力フォームが分かりづらい:必須項目や修正指摘が曖昧
- 必須項目が多い:会社名、役職名、会社住所、など個人情報を入れる必須項目が多い
意外とメールアドレスだけで企業名がなんとなくわかる場合もあるので、無理に個人情報を取得しようと思いすぎない方が良いかもしれません。
以上のように、入力フォームがあるようなコンバージョンを設定している場合には、フォーム内容の見直しも重要です。
本章では、以下のように分析後にコンバージョン率を上げる改善ポイントをご紹介しました。
実践するのも重要ですが、必ず効果測定を忘れずに行いましょう。
ABテストや、週1回程度の振り返りを行い、改善を繰り返していきましょう。
まとめ
本記事では、GA4の逆引きとして、「何でコンバージョン取れないんだろう?」「コンバージョンが取れない原因ってどう分析すればいいの?」といったお悩みを解決するための戦略をご紹介しました。
本記事をまとめると以下の通りです。
- コンバージョン率改善には、離脱数の把握が重要
- 離脱数を把握するためには、 WEBページ上の導線の構築が重要
- GA4のファネルデータ探索を用いて離脱数を把握する
- 離脱数の分析後はWebページの改善を行い、効果測定を行いながら検証を行うのが大事
ぜひ、本記事をきっかけにコンバージョン経路を分析して、自社の WEBページのコンバージョン率改善にお役立てください。
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