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GA4とGTMを連携してA/Bテストを計測する手順をわかりやすく解説!

こんにちは、DX攻略部のkanoです。

様々な施策を実施する際、その効果を確認する方法としてA/Bテストが存在します。

その中で、外部ツール+GTM+GA4を使ったA/Bテストを紹介しようと思います。

GTMとGA4を使ったマーケティング施策を取り入れている企業様も多いと思いますので、どうやってA/Bテストを実践するかの参考にしてみてください。

A/Bテスト開始前の準備

GA4やGTMを使ったA/Bテストをする前に、いくつかの準備を進めておきましょう。

A/Bテスト開始前の準備について、最初に解説していきます。

必要ツールとアカウントの準備

GA4とGTMを使ったA/Bテストを行う場合、外部A/Bテストツール、GTMコンテナ、GA4プロパティの 3 つが必須です。

無料プランでも開始できますが、テストツールはPV制限があるため事前確認が欠かせません。

最初は無料プランからスタートして、実際に運用していくうえでは有料プランの導入を検討しましょう。

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計測目標とテストシナリオの策定

A/Bテストを実施するために、どのページ・要素を変え、どのキーイベント(例:購入完了、問い合わせ送信)を最終評価とするかを具体化します。

variant ID(バリエーション識別子)はテストツール側で自動発行され、後段のGA4設定で使用します。

筆者
variant ID(バリアント ID)は、A/B テストや多変量テストで「どのバリエーション(変更パターン)をユーザーが見たか」を一意に識別するためのラベルです。

GA4でイベントとディメンション設定

次にGA4でイベントとディメンション設定を行いましょう。

variantディメンションの追加

外部ツールや GTMから「test_group」などのパラメータを送信し、GA4管理画面→カスタム定義→ディメンションを作成でスコープ=イベントのカスタムディメンションを登録します。

A/Bテストの準備手順

これでレポート上でバリエーション別に集計できます。

ちなみに、ディメンションというのは「データを切り分けるための属性(ラベル)」のことです。

GA4(Google Analytics 4)を例にすると、サイト訪問データを「どのページを見たか」、「ユーザーが使ったデバイス」「広告の流入元」など、さまざまな角度(軸)で分類できます。

この分類軸がディメンションに当たります。

キーイベント(コンバージョン)設定

イベント一覧から評価指標となるイベントを選び「キーイベントとしてマーク」を有効化します。

2025年06月のアップデート以降、リード獲得目的であれば GA4が自動登録してくれるため、重複設定に注意しましょう。

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GTMでバリエーション振り分けとイベント送信

GTMでバリエーション振り分けとイベント送信を行う手順について紹介します。

なぜ振り分け(ランダム割り当て)が必要なのか

A/Bテストは比較が目的です。

ページの色やボタン文言などを変えた2パターン(AとB)を同じ条件で見てもらわないと結果が公平になりません

そこでランダムに半分ずつ振り分け、しかも同じ人には毎回同じパターンを見せることがポイントになります。

振り分けの流れ4ステップ

振り分けは、以下の4ステップを基準に実施しましょう。

ステップ やること ポイント
① 乱数を作る GTM内でMath.random() を呼び出し、0〜1 の数字を作成 0.5未満をA、0.5以上をBと決める。数字を二つに分けて「Aを見る人」「Bを見る人」を決めるための手順です。
② 結果を保存 作った乱数(A/B)をCookieまたはlocalStorageに書き込む 同じ人が再訪してもA/Bが固定される
③ ページを出し分け たとえば<body>タグにclass=”variant-a”を付けて、CSSを切り替える このクラスでCSSを切り替えれば、見た目を変えられる
④ GA4 へ送信 AかBかをイベントパラメータ「test_group」としてGA4に送る GA4に届けば、レポートで「Aが何件成約したか」を比較できる

Math.random はJavaScriptに備わっている組み込み関数で、0以上1未満の少数(疑似乱数)を返します。

毎回呼び出すたびに値が変わるため、A/Bテストの振り分けやサンプルデータの生成に便利です。

振り分けの流れは乱数を「作る」→「覚える」→「見せ分ける」→「GA4へ知らせる」の4手順になります。

GTMの設定手順

GTMの設定手順は、以下のような流れになります。

  • ユーザー定義変数を作る
  • カスタムHTMLタグを作る(表示切替用)
  • GA4イベントタグを作る
  • プレビューモードで確認

    最後にプレビューモードでしっかりと確認してテストすれば、公開後のエラーを防げます。

    探索レポートによる結果可視化と改善点抽出

    GA4には探索レポートという機能があります。

    この機能を使って、結果の可視化と改善点を抽出しましょう。

    KPI比較による優位性判断

    GA4の探索レポートでディメンションに「test_group」、指標にキーイベント数やキーイベント率を配置するとvariantごとに成果を比較できます。

    2025年4月の機能強化で一致タイプが増え、不要トラフィックを除外しやすくなりました。

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    BigQueryエクスポートによる詳細分析

    BigQueryへ1日1回データを書き出し、かんたんなSQLでAとBの差が「たまたま」か「本当に違う」のかをチェックできます。

    無料プランでもこの頻度なら問題なく使えるため、コスト増大につながらないためおすすめです。

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    計測トラブルシューティングと精度向上

    A/Bテストを行う際、計測トラブルが起きることがあります。

    計測トラブルが起きた際の対応方や精度向上につながるポイントを解説します。

    Cookieとキャッシュの影響を減らすポイント

    SafariなどのブラウザはIntelligent Tracking Prevention(ITP)でサードパーティCookieを最短24時間、ファーストパーティCookieでも7日程度に短縮します

    対策として、Cookie有効期限を短く設定してもテスト期間を超えるよう日数を確保するのが1つの方法です。

    また、サーバーサイドCookie(サーバーから再発行するCookie)に切り替えるとITPの制限を受けにくくなります。

    サーバーサイドGTM(sGTM)の活用

    2024年末のアップデートでsGTMが送信前にGA4設定を自動で読み込み、タグでMeasurement IDを上書きしてもキーイベント設定などが失われなくなりました。

    sGTMを活用することで、計測精度が向上し、A/Bテストのイベント欠損が減り、指標のブレも小さくなります

    筆者
    sGTM(サーバーサイドGTM)とは、Google Tag Manager(GTM)のサーバーコンテナ版です。

    改善サイクルの継続と次の施策

    A/Bテストを実施する場合、継続して行っていくのが基本です。

    その際の改善サイクルの継続と次の施策に関するポイントを紹介します。

    結果共有と次期テスト計画

    GA4の「自動インサイト」で急激な増減や異常値を自動検出できます。

    レポート画面の「共有」を押し、スクリーンショットとコメントを添えてチームに展開しましょう。

    結果のでなかったvariantの課題を整理し、次回テストの仮説と目標に落とし込んで検討を続けてください。

    追加テストアイデアの洗い出し

    ヒートマップやセッションリプレイを確認してユーザー行動を定性的に把握し、新しい仮説を設計します。

    半年ごとにタグ設定を棚卸しし、GA4やGTMの仕様変更に追随できる体制を整えましょう。

    ヒートマップはMicrosoftが無料で提供しているMicrosoft Clarityが便利です。

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    まとめ

    GA4とGTMを連携してA/Bテストを計測する手順について解説しました。

    A/Bテストを実施するための方法は様々ありますが、GA4やGTMを通して実施することで、日頃から使っているツールを通して実施できることがメリットといえます。

    また、新しいツールを覚える手間やコストが増大することも防げるのもポイントです。

    GA4とGTMであれば、初心者でも最新仕様に沿った A/B テスト計測環境を構築できます。

    まずは小規模テストから始め、PDCAを回しながらコンバージョン率改善に活用してください。

    DX攻略部では、GA4やGTMに関する情報を発信するだけでなく、各企業様に合わせたマーケティング施策のご相談を受け付けています。

    GA4やGTMの導入など自社の目的に合わせた設定方法にお悩みの方は、ぜひDX攻略部にご相談ください!

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