こんにちは、DX攻略部のkanoです。
ウェブサイトやアプリのユーザー行動を正確に把握し、マーケティング施策やプロダクト改善に役立てるために欠かせないのがGA4の「イベント」です。
本記事では、GA4 におけるイベント計測の基礎から、自動収集・推奨・カスタムイベント、さらにパラメータやレポート・分析、トラブルシューティングに関わる主要用語をまとめました。
これを読めば、GA4 イベントの全体像と各用語の意味がすっきり理解できるはずです。
デジタルマーケティングを行っていくうえで重要な用語を多数紹介していますので、ぜひマーケティング初心者の方も参考にしてみてみてください。
GA4 イベントの基本用語
GA4のイベントに関する基本用語を確認していきましょう。
最初にGA4における「イベント」についてや、それにまつわる基本用語を解説します。
イベント(Event)
ユーザーの操作やシステム発生を計測する単位です。
クリックやページ閲覧、動画再生など、任意のアクションを「イベント」として記録します。
イベントを正しく設計することで、ユーザーの導線や離脱ポイントを明確にし、改善施策を精度高く打つことが可能になります。
イベント名(Event Name)
計測したいアクションに付ける識別子で、わかりやすく一貫性のある命名が重要です。
イベント名の例として、「purchase」や「sign_up」などが挙げられます。
上記のイメージ画像のように、商品を購入したり、アカウントを作成したりしたときにカウントされる形です。
イベントパラメータ(Event Parameter)
イベントパラメータは、イベントに付随する詳細情報のことです。
商品ID、金額、カテゴリなどをパラメータとして渡し、分析時のセグメント分けや指標算出に利用します。
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自動収集イベント用語
GA4 が追加設定なしで自動計測する標準イベントは、自動収集イベントです。
タグ実装の手間を省き、基本的なユーザー行動を網羅します。
GA4の基本的なタグを実装しただけで収集できるので、GA4初心者は、まずここからトライしてみましょう。
page_view
ユーザーがページを表示した瞬間を捉えます。
サイト全体の訪問数や人気ページの把握に役立ちます。
first_visit
初回訪問を認識し、新規ユーザー数の指標として利用できます。
複数デバイスでの再訪への影響を除外しやすい点も特徴です。
この初回訪問かどうかは、GA4がユーザー識別に利用するCookieをブラウザが保持しているかどうかで判定しています。
そのため、ユーザーが自主的にCookieを削除するなどの行動をとると、GA4上ではまたfirst_visitがカウントされる点も覚えておきましょう。
session_start
セッション開始をトリガーし、セッション数や平均セッション時間の算出に活用します。
キャンペーンごとのセッション比較も可能です。
user_engagement
ユーザーが積極的に関与した時間を測定します。
スクロールやクリックなどの操作がなくても、滞在時間を一定以上維持するとカウントされ、サイトの滞在品質を評価するために活用できる指標です。
エンゲージメントに関しては、下記の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
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推奨イベント用語
Googleが特に重要視し、実装を推奨するイベント群です。
コンバージョンやEC関連の指標改善に直結するため、導入を欠かさないようにしましょう。
purchase
購入完了ページの読み込みや購入確定アクション直後に送信します。
通常はサーバーサイドでもクライアントサイドでも実装可能です。
広告別・チャネル別の投資効果を計測し、入札や配信戦略を調整する際に効果的です。
add_to_cart
商品をカートに追加したタイミングにカウントされる指標です。
カート放棄率や購入意欲把握に役立ちます。
また、購入導線の最適化として、どのアイテムで離脱が多いかを把握し、UX改善にも活用できます。
login / sign_up
会員登録・ログイン完了をトラッキングします。
ユーザー獲得フローやリテンション施策の効果測定に活用できるので、こちらも注目の指標です。
view_item / view_item_list
商品詳細や商品一覧の閲覧を記録します。
PV 数だけでなく、詳細閲覧数やリスト内のクリック率を組み合わせて評価できるので、人気アイテムの特定につながる指標です。
また、離脱ポイントの特定に有効なので、一覧でクリックされずに離脱しているアイテムやセクションを洗い出し、レイアウト改善するのに活用してみてください。
カスタムイベント用語
業種やビジネス要件に応じて独自に定義するイベントです。
既存の標準イベントでカバーできない行動や、独自KPIを計測したいときに活用します。
カスタムイベント定義(Custom Definition)
GA4管理画面で名称や説明を登録し、レポートに表示できるようにします。
計測プランの策定や、命名規則などをルール付けして実装しましょう。
カスタムパラメータ設定方法
カスタムパラメータを設定する場合、GA4の管理画面からカスタム定義を作成します。
カスタムディメンションを作成から、イベントパラメータを「member_rank」や「order_value」などと指定して作成してみましょう。
イベントトリガー条件
フォーム送信完了、特定ボタンのクリック、一定スクロール達成など、ビジネスロジックに応じた発火条件を設計しましょう。
また、イベントトリガーが正しく発火できているか、デバッグビューを使って確認することが重要です。
イベントパラメータ用語
イベントを詳細に分析するためのパラメータ群です。
標準パラメータに加え、独自パラメータを組み合わせることで、より詳細なレポートが実現します。
value / currency
数値・通貨の標準パラメータ。売上やスコアの集計に用います。
数値と文字列、通貨単位などをチーム内でルール化し、一貫性を持った運用が重要です。
item_id / item_name
商品やコンテンツを一意に識別し、個別分析を可能にします。
content_type / content_group
コンテンツの種類や分類を指定し、カテゴリごとのパフォーマンス比較を実現します。
user_id / user_properties
ログインユーザーを特定するIDや年齢、性別などの属性情報を連携し、LTV分析やパーソナライズ施策に活かします。
レポート・分析関連用語
GA4の多彩な分析機能で頻出するキーワードを整理し、それぞれの特徴や活用ポイント、導入事例を合わせてご紹介します。
データ活用の幅をさらに広げ、意思決定を力強く支援するためのヒントを得てください。
エクスプロレーション(Explorations)
自由度の高いカスタムレポート作成画面になります。
デフォルトのレポートでは難しい複雑なクロス集計やマルチチャネルの行動解析が可能です。
クロス集計やパス解析、セグメント比較やファンネル分析などが挙げられます。
新規ユーザーとリピーターの購入経路の違いをパス解析で比較したり、プロモーション施策前後のコンバージョン率をセグメント比較で評価する、といった活用例が挙げられます。
リアルタイムレポート
直近30分以内のデータを可視化し、リリース直後の確認やプロモーション効果の即時把握に有用です。
メルマガ配信直後のサイト訪問者数をモニタリングしたり、新機能リリース後に動画再生などの特定イベントが正常に計測できているか確認するために使ってみましょう。
イベントスコープ指標(Event-scoped Metrics)
イベント単位で集計される指標群です。
ユニークイベント数やエンゲージメント率など、行動を詳細に分析できます。
セグメント・オーディエンス
特定条件でユーザーを抽出し、オーディエンスを定義する形です。
GAレポートだけでなく、Google広告やFirebaseなどの他プラットフォームにも連携可能です。
期間設定を長く取りすぎると、意図しないユーザーが含まれるリスクがあるので、期間を7日間や30日間などに設定しておきましょう。
トラブルシューティング用語
計測に問題が生じた際に参照したいキーワードと対処法をまとめました。
イベントが計測されない原因
タグ未設置、トリガー設定漏れ、フィルタ設定ミスなど、発生しやすい原因を順に確認しましょう。
たとえば、ページに正しいGA4計測IDのタグが入っていなかったり、データフィルタやコンテナフィルタで除外ルールが厳しすぎることが考えられます。
また、タグの重複はよく起きやすいミスなので注意してください。
デバッグビュー(DebugView)
実装確認用のリアルタイムツールです。
デバッグビューのやり方は、下記の記事内で紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
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データフィルタ
テストデータの除外や内部IPの除外設定など、本番環境のデータクリーンアップに役立ちます。
フィルタをオン・オフして計測内容を確認しましょう。
まとめ
本記事では、GA4 イベントにまつわる主要用語を「基本」「自動収集」「推奨」「カスタム」「パラメータ」「分析」「トラブルシューティング」の7つの観点から解説しました。
GA4 の導入・運用においては、各用語の意味を正しく理解し、適切に設定・運用することが成果最大化の鍵となります。
ぜひ本記事を用語集として活用して、実務で繰り返し確認しながら効果的なイベント設計を進めてみてください。
そして、DX攻略部では、GA4やGTMを活用したマーケティング施策のご相談を受け付けています。
GA4やGTMの導入など自社の目的に合わせた設定方法にお悩みの方は、ぜひDX攻略部にご相談ください!