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初心者でも安心!GTM導入からタグ・トリガー設定までの実践ノウハウ

こんにちは、DX攻略部のkanoです。

GTMの基本用語はある程度理解したものの、実際にタグやトリガーをどのように設定したらいいかわからない、という方も多いでしょう。

本記事では、初心者でも安心してGTMの導入から、タグ・トリガーの設定をおこなうところまでを解説します。

GTMは落ち着いて1つずつ設定をおこない、プレビュー機能を活用すれば実際の機能をテストできるツールです。

初心者の方は、記事を参考にGTMのタグやトリガー設定をチャレンジしてみましょう。

GTMの基本構造を理解しよう

GTMは、Webサイトやアプリにおけるタグの管理を簡単かつ効率的におこなうためのツールです。

まずは、GTMの基本構造を解説していきます。

コンテナ・タグ・トリガー・変数の役割

最初に「コンテナ」、「タグ」、「トリガー」、「変数」の役割を下記にまとめました。

コンテナ

コンテナとは、Webサイトやアプリに挿入するコードのことで、すべてのタグを管理するための入れ物です。

GTMでは、コンテナに各種のタグや設定を登録し、一元的に管理します。

コンテナを設置することで、タグの追加や変更をGTM内で簡単におこなえるようになります。

タグ

タグとは、Google Analyticsなどのアクセス解析、広告配信、リマーケティングなどの目的で使用するコードのことです。

従来はWebサイトのソースコードに直接タグを追加していましたが、GTMを使えば管理画面から設定するだけで簡単にタグを追加・変更できます。

トリガー

トリガーはタグを発火(実行)させるタイミングや条件を指定する役割を担っています。

たとえば、「特定のページにアクセスしたとき」、「フォームを送信したとき」、「特定のリンクをクリックしたとき」などです。

トリガーは柔軟に条件を設定できるため、マーケティングにおいて重要なデータを収集できます。

トリガーを適切に設定すれば、タグは必要なときだけ動作するので、目的に合わせた設定をおこないましょう。

変数

変数は、動的に情報を格納してタグやトリガーに渡す役割を担っています。

URLやクリックされた要素の滋養法、ユーザーが入力したデータなどを取得し、それをタグ内で利用することができます。

変数を使うことで、より高度で正確なタグ運用が可能となり、タグの更新などの効率化につながる機能です。

タグ・トリガー・変数の3つの基本用語については、下記の記事でも詳しく解説していますのでぜひ参考にしてください。

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GTM用語のアイキャッチ

実運用で最初に知っておきたいポイント

GTMの各機能を運用するうえで、最初に知っておきたいポイントは下記の3つです。

  • タグの整理と命名規則
  • プレビューとデバック
  • 権限管理

    GTMのタグやトリガーを管理しやすくするためには、タグやトリガーを明確で一貫性のある命名規則で決めるようにしましょう。

    また、GTMのタグやトリガーが正しく動作しているかは、公開前にプレビューモードを使ってデバックすることをおすすめします。

    プレビューモードを使えば、設定したタグやトリガーが正しく動作しているか確認でき、二重計測などを防ぐことにつながります。

    そして、タグの設定ミスや不用意な変更を防ぐために、GTMの権限を管理して、適切なユーザーのみが変更できるようにしましょう

    この3つのポイントに気をつければ、GTMを実運用するうえでのトラブルを防げるのです。

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    GA4・GTMの違いのアイキャッチ画像

    導入準備:GTMのアカウント作成とコンテナ設置

    GTMを導入するためには、最初にGTMのアカウント作成とコンテナ設置をおこなう必要があります。

    1つずつ落ち着いて操作すれば難しい内容ではないので、GTMをスタートするためにチャレンジしていきましょう!

    必要なアカウント設定の手順

    GTMのアカウント作成は、Google Tag Managerの公式サイトにアクセスするところから始まります。

    参考:Google Tag Manager公式サイト

    すでにGoogleアカウントを持っている場合は自動で、アカウントを持っていない場合はGoogleアカウントでログインまたは新規作成が必要になります。

    このとき使用するGoogleアカウントは業務用に使用しているアカウントでログインするようにしましょう。

    Googleアカウントが用意できたら、「アカウント作成」ボタンをクリックして、Google Tag Manager用のアカウントを作成します。

    GTMのアカウント作成画面

    アカウント設定画面では、アカウント名や国、共有設定などをおこないます。

    コンテナの設定

    「コンテナの設定」では、GTMを利用するサイトのURLを入力し、ターゲットプラットフォームをWebやiOSの中から設定してください。

    「作成」をクリックすると「Google タグ マネージャー利用規約」が表示されるので、内容を確認したら作成を選択します。

    少し待つとGTMの画面が表示されると同時に、2つのコンテナ設置コードが表示されます。

    コンテナのコード

    この2つのコードは「head」用と「body」用のコードになります。

    コンテナコードの再表示

    もし、コンテナのコードを閉じてしまった場合は、GTMのダッシュボード上部にある「GTM-XXXXXX」をクリックすると再表示できます。

    2つのコードは下記を参考にWebサイトに貼り付けをおこなってください。

    • <head>タグ内に貼るコード
    • <body>開始直後に貼る<noscript>用コード(JavaScript無効時のバックアップ)

    ここで重要なことは、この2つのコードは必ず両方とも設置することです。

    片方だけだとプレビューやデバックや一部トラッキングが正しく機能しないので注意してください。

    WebサイトやCMSへの設置方法

    GTMのコンテナ設置のコードをWebサイトやCMSに設置していきましょう。

    HTMLファイルを直接編集できる場合

    HTMファイルを直接編集できる場合は、WebサイトのHTMLファイルをエディタで開きましょう。

    1つ目のコードを<head>タグ内に設置、2つ目のコードを<body>タグの直後に配置してください。

    コードを配置したら変更を保存し、サーバーにアップロードすれば完了です。

    WordPressサイトに設置する場合

    WordPressにGTMのコンテナコードを設置する場合は、プラグインを利用するとスムーズです。

    GTMに関するプラグインの画像

    WordPressの管理画面から「プラグイン」→「新規追加」を選択して、「Site Kit by Google」や「GTM4WP」などのプラグインを検索して、インストールしましょう。

    プラグインの種類によって操作は少し異なりますが、「管理画面」→「設定」から該当するプラグインを選択してください。

    GTM4WPであれば、さきほどの見出し「コンテナの設定」で説明した、GTMの「「GTM-XXXXXX」を貼り付けるだけでコンテナの設置が完了します。

    筆者
    Google Analytics 4もGoogle Tag Managerも両方活用するなら、Site Kit by Googleでまとめてセットアップしてしまうほうが便利です!

    もし、プラグインを使わずにGTMのコンテナコードを貼り付けたい場合は、WordPressのテーマファイルを編集し、「header.php」の「header」に1つ目を、「body」に2つ目を直接設置すればOKです。

    その他のCMSに設置する場合

    その他のCMSに設置する場合は、ツールごとに設置方法が異なってきます。

    たとえば、「Shopify」の場合、管理画面→オンラインストア→テーマ→actions→Edit codeと進んで、「theme.liquid」ファイルを開くという流れです。

    ファイルを開いたら、「head」内に1つ目のコードを、「body」直後に2つ目のコードを貼り付けて保存すればOKです。

    他のCMSでも、設定画面からコードを貼り付ける設定画面を開けば、同様にGTMのコンテナコードを設定できることが多いです。

    「CMS」とは、「コンテンツ管理システム」のことです。Webサイトのコンテンツを簡単に作成・編集・管理できるソフトウェアを意味します。

    実践!タグとトリガーの基本設定ステップ

    無事、コンテナの設置が完了したら、タグとトリガーを設定していきましょう。

    Google Analyticsのタグを例にした設定手順

    最初にGoogle Analyticsのタグを例にした設定手順を紹介します。

    1. 「タグ」→「新規」
    2. タグ名を入力→例「GA4_基本PV」
    3. タグタイプ:Google Analytics:GA4設定タグ
    4. 設定変数に計測ID(G-XXXXXX)を入力
    5. 「トリガーを選択」→All pages(全ページレビュー)を選択
    6. 保存して、「送信」→「公開」

      GTMプレビュー画面の「Tags Fired」に「GA4_基本PV」が表示されており、GA4のリアルタイム画面でもヒットが入っていれば設定OKです。

      次に、クリック計測(イベントトラッキング)を設定してみましょう。

      1. 「トリガー」→「新規」→トリガー名:Click_お問い合わせボタン
      2. トリガータイプ:「リンクのみのクリック」
      3. このトリガーの発生場所:「一部のリンククリック」
      4. 条件を設定:Click Text=お問い合わせ
      5. 保存する

      クリック用トリガーに続いて、クリック送信用タグを作成します。

      1. 「タグ」→「新規」→タグ名:「GA4_Event_お問い合わせクリック
      2. タグタイプ→「Google Analytics:GA4イベント
      3. 設定タグ=先程のGA4_基本PVを選択
      4. イベント名=contact_click
      5. トリガーにClick_お問い合わせボタンを選択→保存して公開

      GA4のリアルタイム→右側「イベント」リストにcontact_clickが表示されていれば成功です!

      クリック計測やフォーム送信などのイベントトラッキングのやり方

      クリック計測やフォーム送信のデータも計測できます。

      1. トリガー新規→名称:Form_送信完了
      2. トリガータイプ=「フォーム送信」
      3. 「一部のフォーム送信」にチェック
      4. 例)Form IDにcontactFormを含むを選んで保存する

      続いて、フォーム送信タグを作成します。

      1. タグ新規→名称:GA4_Event_form_submit
      2. タグタイプ=「GA4イベント」
      3. イベント名=form_submit
      4. トリガーにForm_送信完了を選択し、保存して公開する

      このようなトリガーを作成しておけば、イベントトラッキングが可能になります。

      よく使うタグとトリガーの活用例

      GTMのよく使うタグとトリガーの活用例について解説します。

      最初は下記のようなタグとトリガーの例を参考に設定し、正しく機能しているかを確認してみてください。

      スクロール計測

      スクロール計測はGTMの中でも特に使う設定といえます。

      タグを「GA4イベント:scroll_50」とし、トリガーを「スクロールの深さ=50%」と設定してみましょう。

      これで、ユーザーがそのページを50%までスクロールした情報がカウントされるようになります。

      ファイルダウンロード

      自社のサービスに関するマニュアルや、「◯◯の活用法」などのファイルがどの程度ダウンロードされているか気になることも多いでしょう。

      そういった場合は「GA4イベント:pdf_download」とし、トリガーを「リンククリック&Click URL ends with.pdf」にしてみてください。

      カタログダウンロード数などが計測されるので、今後の施策を検討する際に役立つデータが集まるようになります。

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      よくある失敗事例とトラブルシューティング

      GTMのタグやトリガーを導入したものの、うまく機能しないことがあります。

      そういったGTMのタグやトリガーを導入する際のよくある失敗事例とトラブルシューティングを紹介します。

      タグが発火しない、データが正しく取得できない等の典型例

      GTMを使っていて多いのが「タグが発火しない」、「データが正しく取得できない」といった事例です。

      タグが発火しない場合は、プレビューを有効化していないことやトリガー条件が厳しすぎることが考えられます。

      プレビューボタンで自サイトを開いて、トリガー条件を広げてテストを実施してみてください。

      また、タグが発火するがGA4にヒットがないこともあります。

      この場合、測定IDが誤っていることや、GA4側でフィルタによって除外されていることが考えられます。

      まずはGA4設定タグの測定IDを再確認し、GA4リアルタイムで他イベントは届いているか確認してみましょう。

      他に起きやすいのが、クリックイベントが連打で2回送信されている事例です。

      この場合、同じ要素に2つのトリガーが重複していることが考えられます。

      「Tags Fired」一覧で同じイベントが複数発火していないか確認し、不要なトリガーをオフにしましょう。

      バージョン管理の重要性とロールバックの方法

      GTMを導入して運用するうえでは、公開前に必ずバージョンと説明を入力するようにしましょう。

      このとき、「誰が」、「何を」、「なぜ変更したか」を記入するとトラブルに対処しやすくなります。

      GTMのバージョンの画面

      もしトラブルが起きてしまった場合は、GTM右上の「バージョン」をクリックして、変更履歴一覧から問題が起こる前のバージョンにロールバックしましょう。

      GTMの公開と最新バージョン

      バージョンを変更する場合は、問題が起こっていなかったバージョンを「最新バージョンに設定」し、「公開」にしましょう。

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      GA4メモ機能のアイキャッチ画像

      まとめ

      GTMのタグやトリガー、コンテナの導入について紹介しました。

      GTMの3つの基本用語を学んだら、ぜひ本記事を参考にGTMのタグやトリガーの導入にチャレンジしてみてください。

      GTMはプレビュー機能で設定を公開前に確認でき、バージョン履歴でトラブルが起きる前に戻すことができるのも大きな魅力です。

      そして、タグやトリガーの命名規則や管理をきっちりとルール決めしておくことを忘れないようにしましょう。

      タグやトリガーは自由に命名できる分、管理者が独自の判断で命名してしまうことがあります。

      そうならないために、命名規則をルール決めしておけば、複数の管理者がいてもトラブルが起きにくく、引き継ぎもスムーズになります。

      DX攻略部では、GA4やGTMに関する豊富な知識を持ったスタッフが在籍しています。

      「GTMを導入してみたいけど、自社の目的に合わせた設定は難しそう」などとお悩みの方は、ぜひDX攻略部にご相談ください!

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