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【使い方解説】Salesforceの承認プロセスで承認申請を自動化をしよう!

こんにちは、DX攻略部のヘナトンです。

組織には様々な承認プロセスがあります。

出張費申請や高額取引申請、経費申請、休暇申請などです。

全て紙の申請書を手書きで作成し、ハンコを押していませんか?

メールで申請がきて大量のメールに埋もれて気づかないってことはありませんか?

この場合は誰に申請しなければならないのか、同じことを何度も上長に確認して怒られていませんか?

そもそも申請不要な内容まで申請が行われる時間ロスは起きていませんか?

これまでの承認申請は組織が大きくなればなるほど多様で複雑なものになり、様々なコストがかかっています。

Salesforceの承認プロセスを利用すれば全て自動化できて、社内リソースの節約に大きく貢献します。

以下、その便利な承認プロセスについて解説します。

承認プロセスの概要

Salesforceにおける承認プロセスとは申請者がレコードの申請を行い、承認者が承認もしくは却下を行う一連の流れの自動化機能です。

まずは完成形のビジュアルを確認してイメージを把握しましょう。

今回は商談の商談金額が1,000,000円を超過した場合に上司に承認をもらう必要がある時に使える承認プロセスを作成しましたのでその実際の使用方法ついて解説します。(承認プロセスの作成方法は次の章で!)

申請方法

申請者による申請方法について解説します。

まずは商談画面右上に配置した「承認申請」ボタンをクリックします。

申請を行うにあたってのコメントを入力します。「ご確認お願いします。」など。

*このコメントは任意です。未入力でも申請できます。

入力後、「送信」ボタンをクリックします。

承認プロセスの開始条件を「商談金額が1,000,000円を超える場合」にしているので、「該当する承認プロセスは見つかりませんでした。」とポップアップ画面が出てきました。

このように承認の必要がない申請が行われないように開始条件を設定できるのです。

次は開始条件に合う商談(金額が1,000,000円超)で申請を行います。

先ほどと同じように「承認申請」ボタンをクリックし、コメントを入力し、「送信」ボタンをクリックします。

「商談が承認申請されました。」と出てきたら申請成功です。

却下方法

続いて承認者側の却下方法について見ていきます。

承認者はログイン後に画面右上から通知を確認できます。(ベルマーク)

簡単な申請内容が出てきました。

通知をクリックすると申請内容確認ページが出てきます。

さらに詳しい内容を確認したい場合はリンクになっている商談名をクリックします。

却下する場合は「却下」ボタンをクリックします。

必要に応じてコメントを入力して「却下」ボタンをクリックすると申請を却下できます。

申請者および承認者は関連リストの承認履歴から申請の状況を確認できます。

関連リストに承認履歴を配置する方法はこちらの記事をご覧ください。

申請者は必要に応じて再度申請できます。

承認方法

続いて承認者側の承認方法について見ていきます。

基本的には却下方法と同じです。

承認者はログイン後に画面右上から通知を確認できます。(ベルマーク)

簡単な申請内容が出てきました。

通知をクリックすると申請内容確認ページが出てきます。

さらに詳しい内容を確認したい場合はリンクになっている商談名をクリックします。

承認する場合は「承認」ボタンをクリックします。

必要に応じてコメントを入力して「承認」ボタンをクリックすると申請を承認できます。

申請者および承認者は関連リストの承認履歴から申請の状況を確認できます。

関連リストに承認履歴を配置する方法はこちらの記事をご覧ください。

これで承認プロセスの一連の運用方法は以上です。

承認プロセスの作成方法

承認プロセスの利用方法はイメージできたでしょうか?

続いて承認プロセスを作成する方法を解説します。

上記の概要で例示した商談に関する承認プロセスを作成していきます。

手順①:承認プロセス作成ページを開く

手順②:プロセスの定義の詳細

手順③:申請時のアクション

手順④:承認ステップ

手順⑤:最終承認時のアクション

手順⑥:最終却下時のアクション

手順⑦:取り消しアクション

手順①:承認プロセス作成ページを開く

設定>クイック検索「承認」>承認プロセス

承認プロセスを管理するオブジェクトで承認申請を行いたいオブジェクトを選択します。

今回は商談に関する承認申請を行うので「商談」を選択します。

*下部の「有効承認プロセス」で既に作成した承認プロセスがあればこちらで確認できます。

承認プロセスの新規作成」をクリックします。

「ジャンプスタートウィザードを使用」と「標準ウィザードを使用」がありますが今回は標準ウィザードで作成します。

*ジャンプスタートウィザードでは最低限の設定だけ行うことで素早く作成できますが細かい設定はスキップすることになります。必要に応じて後に設定することもできるのでとりあえず作成する場合には有効的です。

手順②:プロセスの定義の詳細

プロセスの定義の詳細(1/6)

プロセス名と一意の名前(必要に応じて説明も)を記入し、「次へ」をクリックします。

プロセスの定義の詳細(2/6)

承認プロセスを開始する条件を指定します。

「次の場合にこの承認プロセスを使用」で「条件が一致する」を選択します。

*数式で条件を設定することもできます。

項目と演算子と値を設定します。(複数の条件を設定可。「検索条件ロジックを追加」で複数の条件を「かつ」以外に設定可。)

今回は上の画像のように「商談:金額>1,000,000」とすることで商談の金額が1,000,000円を超過する場合にのみ承認プロセスを開始できるように設定します。

「次へ」をクリックします。

プロセスの定義の詳細(3/6)

必要に応じて承認者項目を入力します。

割り当て先として使用するユーザ項目:ここに選択したユーザ参照項目を自動的に承認者を決定できます。

後に設定する承認ステップで承認者を決めることもできます。

商談所有者の承認者項目を使用:ここにチェックを入れるとこのオブジェクトの所有者(ユーザオブジェクト)の承認者項目に設定されたユーザを承認者として設定できます。

編集者権限のプロパティを設定します。

承認申請が開始された場合はレコードがロックされ、そのレコードは編集不可となります。

「管理者のみ、承認プロセス中にレコードを編集できます。」を選択するとシステム管理者権限を持つユーザは編集できます。

「管理者または現在割り当てられている承認者が承認プロセス中にレコードを編集できます。」を選択するとシステム管理者権限を持つユーザに加えて、承認者として割り当てられているユーザが編集できます。

次へ」をクリックします。

プロセスの定義の詳細(4/6)

必要に応じてメールテンプレートを設定します。

承認者に割り当てられた人が申請毎に受信します。

Classicメールテンプレートを設定できます。

承認ステップ毎に別々のメールテンプレートを使用したい場合は後に設定できますのでここは空欄のままにしてください。

次へ」をクリックします。

プロセスの定義の詳細(5/6)

承認ページに表示する項目を選択します。

承認者が承認や却下を判断する際に参考にする項目をここに入れておくと承認者は商談ページを見に行く時間を節約できる可能性が上がります。

「承認ページの項目」と「セキュリティ設定」は必要に応じて選択してください。

次へ」をクリックします。

プロセスの定義の詳細(6/6)

「許可される申請者」を決定します。

ここで申請できるユーザを設定することで全く関係ないユーザが勝手に承認申請を行えないようにします。

ユーザやロール、ロール&下位ロール、作成者、公開グループ、所有者を選択できます。

「ロール&下位ロール」に設定すると選択したロールとその階層が下位のロールのユーザが申請できます。
例えば、営業事業部長というロールを設定するとその下位ロールの営業部一般社員も申請できるようになります。

「[承認申請] ボタンと [承認履歴] 関連リストをすべての商談ページレイアウトに追加」にチェックを入れると自動的にボタンと関連リストが設定されるので、後に設定する手間が省けます

仮作成段階でまだ使用しない場合はチェックを入れないでください。

「申請者に承認申請の取り消しを許可」にチェックを入れると申請者は取り消しをできるようになります。

申請した後に間違いに気づいたり、修正事項が出てきたりすることはよくあります。

基本的にはチェックを入れる方がオススメです。

保存」をクリックします。

プロセスの定義の詳細の確認

承認プロセスの上部でプロセスの定義の詳細を確認できます。

「編集」ボタンから編集できます。(有効化すると一部編集不可です。)

「コピー」ボタンから承認プロセスをコピー作成できます。

有効化して編集できなくなった部分を編集したくなった場合にはコピー作成し、必要部分を編集し、有効化し、コピー元を無効化します。

「削除」ボタンから承認プロセス自体を削除できます。

有効化し、その承認プロセスを使用した承認申請を行うと削除できなくなります。

手順③:申請時のアクション

続いて申請時のアクションを設定します。

申請者に「承認申請」ボタンがクリックされた際に何が起こるかを定義します。

「レコードのロック」アクションはレコードがロックされ、プロセス定義の詳細で設定したユーザ以外はレコードを編集できなくなります。

このアクションはデフォルトで設定され、外すことはできません。

アクションとしてToDo、メールアラート、項目自動更新、アウトバウンドメッセージを追加できます。

承認者に対して申請内容を確認するToDoレコードを作成する。
承認者に「〇〇商談に関して承認申請が来てますよ!」などとメールを送信し、承認忘れを防止する。

「承認状況」というカスタム項目の値を「申請中」に変更する。

項目自動更新の作成方法に関してはこちらの記事をご覧ください。

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外部サービスにメッセージを送信し、承認忘れを防止する。メールよりも使用頻度の高いサービスでSalesforceと連携可能であれば使用する。

手順④:承認ステップ

続いて承認ステップを設定します。

承認ステップではどういう条件でどのユーザが承認者に割り当てられるか定義します。

承認プロセスの核の部分ですので承認ステップを定義しないと有効化できません。

(承認者を設定せずに有効化できてしまうと何の意味もないですね、、、。)

新規承認ステップ」ボタンをクリックします。

承認ステップ(1/3)

名前と一意の名前、説明、順番を入力します。

順番とは承認ステップの順番です。

複数の承認ステップがある場合にこの数字が低い承認ステップから順に実行されます。

次へ」をクリックします。

承認ステップ(2/3)

ステップの条件を指定します。

「すべてのレコードがこのステップに入ります。」を選択した場合、承認申請が開始されたら必ずこのステップを通ります。

「次の場合に、このステップに入ります。」を選択するとこのステップを通る条件を指定できます。数式でこの条件を指定することもできます。

プロセスの定義の詳細(2/6)で定義した開始条件は承認プロセス自体の開始条件で、ここで定義する条件はステップごとの開始条件です。

「それ以外の場合、」では「レコードを承認」もしくは「レコードを却下」を選択できます。

例えばここで「レコードを承認」を選択することで、条件によって自動承認することが可能なのです。

次へ」をクリックします。

承認ステップ(3/3)

承認者を選択します。

「申請者が承認者を手動で選択する。」を選択すると申請者は承認申請の度に承認者を選択します。

「選択したユーザ項目を使用して自動的に承認者を割り当てる。(マネージャ)」を選択するとプロセスの定義の詳細(3/6)で設定したユーザ項目のユーザがこの承認ステップの承認者となります。

「自動的に承認者に割り当てる。」を選択し、「ユーザ」を選択すると、選択したユーザがこの承認ステップの承認者となります。

「自動的に承認者に割り当てる。」を選択し、「関連ユーザ」を選択すると、承認プロセスを起動するオブジェクトのユーザ参照項目からこの承認ステップの承認ユーザを決定できます。

「自動的に承認者に割り当てる。」を選択した場合は、「行を追加」をクリックすることで承認ステップの承認者を複数設定することができます。

「最初の返答に基づいて承認または却下する。」を選択すると、複数承認者のうち、最初に承認または却下された結果がこの承認ステップの結果となります。

例えば、部長と課長を承認者として設定しておくことで、片方が休暇中であったり承認申請に気づかなかったりした場合にもどちらかが承認すればいいので承認されるパターンが増えます。

「選択したすべての承認者から全員の承認を得る必要がある。」を選択すると、複数承認者全員の承認を得る必要があり、誰か一人でも承認していないとこの承認ステップは完了しません。

「代理承認者もこの申請を承認可能にする。」にチェックを入れると、承認者として割り当てられたユーザの*代理承認者項目に設定されているユーザも承認者として承認できます。

保存」をクリックします。

*代理承認者とは設定>ユーザ>代理承認者で確認することができます。

承認ステップの確認

「承認ステップ」に承認ステップの一覧が表示されます。

「アクションを表示」をクリックすると承認ステップ毎の承認時のアクションと却下時のアクションを表示またはアクションの追加ができます。

承認ステップのアクションでは手順④:申請時のアクション手順⑥:最終承認時のアクション手順⑦:最終却下時のアクション手順⑧:取り消しアクションと同様にアクションを設定できます。

承認ステップが複数ある場合

承認ステップが複数ある場合はそれぞれでアクションなどを設定できますが、次の承認ステップがあればその前の承認ステップの結果は最終結果ではありません。

最後の承認ステップのアクションは最終承認時のアクションとほとんど同義になるため設定する必要はありません。

その際、最後の承認ステップにどのパターンでも到達することを確認してください。

手順⑤:最終承認時のアクション

続いて最終承認時のアクションを設定します。

承認者(複数の承認ステップがある場合は最後の承認者)に「承認」ボタンがクリックされた際に何が起こるかを定義します。

「レコードのロック」アクションはレコードがロックされ、プロセス定義の詳細で設定したユーザ以外はレコードを編集できなくなります。

このアクションはデフォルトで設定され、外すことはできませんがロックを解除するアクションに編集は可能です。

アクションとしてToDo、メールアラート、項目自動更新、アウトバウンドメッセージを追加できます。

申請者に対して商談を進めるToDoレコードを作成する。
申請者に「〇〇商談に関して承認されました!商談を進めてください。」などとメールを送信し、該当商談が承認されたことを知らせる。

「承認状況」というカスタム項目の値を「承認済」に変更する。

項目自動更新の作成方法に関してはこちらの記事をご覧ください。

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外部サービスにメッセージを送信し、承認されたことを伝える。メールよりも使用頻度の高いサービスでSalesforceと連携可能であれば使用する。

手順⑥:最終却下時のアクション

続いて最終却下時のアクションを設定します。

承認者(複数の承認ステップがある場合は最後の承認者)に「却下」ボタンがクリックされた際に何が起こるかを定義します。

「レコードのロック」の解除アクションはレコードがロックが解除され、プロセス定義の詳細で設定したユーザ以外もレコードを編集できるようになります。

このアクションはデフォルトで設定され、外すことはできませんがレコードをロックするアクションに変更は可能です。

アクションとしてToDo、メールアラート、項目自動更新、アウトバウンドメッセージを追加できます。

申請者に対して商談を修正するToDoレコードを作成する。
申請者に「〇〇商談に関して申請が却下されました!商談を修正して再度申請してください。」などとメールを送信し、該当商談が却下されたことを知らせる。

「承認状況」というカスタム項目の値を「却下」に変更する。

項目自動更新の作成方法に関してはこちらの記事をご覧ください。

外部サービスにメッセージを送信し、却下されたことを伝える。メールよりも使用頻度の高いサービスでSalesforceと連携可能であれば使用する。

手順⑦:取り消しアクション

最後に取り消し時のアクションを設定します。

申請者が承認申請を取り消した場合に何が起こるかを定義します。

「レコードのロック」の解除アクションはレコードがロックが解除され、プロセス定義の詳細で設定したユーザ以外もレコードを編集できるようになります。

このアクションはデフォルトで設定され、外すことはできませんがレコードをロックするアクションに変更は可能です。

アクションとしてToDo、メールアラート、項目自動更新、アウトバウンドメッセージを追加できます。

申請者に対して申請を取り消した商談を再度申請するToDoレコードを作成する。
承認者に「〇〇商談に関して承認申請が取り消されました。」などとメールを送信し、承認と取り消しの行き違いを防止する。

「承認状況」というカスタム項目の値を「未申請」に変更する。

項目自動更新の作成方法に関してはこちらの記事をご覧ください。

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外部サービスにメッセージを送信し、取り消されたことを伝える。メールよりも使用頻度の高いサービスでSalesforceと連携可能であれば使用する。

まとめ

承認プロセスの使い方および作成方法の解説は以上となります。

承認プロセスの作成は工程が多く、作成に時間を要します

ただ、承認申請の流れをしっかり定義し、その定義をしっかり設定し、運用の際に膨大な時間を短縮できます。

結果として、様々な手間とストレスを軽減できるのです。

Salesforceの承認プロセスを活用して承認申請、稟議申請を自動化することを検討してみてはいかがでしょうか。

最後までお読みいただきありがとうございました。