こんにちは、DX攻略部のトーヤです。
今回は、スクラムについて解説していきます。
スクラムは、アジャイル開発手法の1つであり、チームで短いサイクルを繰り返して開発を進めていく手法です。
この記事では、スクラムの概要や大まかな流れ、メリットとデメリットについてご説明します。
スクラムについて知りたいという方は、ぜひご覧ください。
スクラムとは?
スクラムとは、アジャイル開発の手法の1つであり、開発メンバーで10人以下のチームを組んで開発サイクルを反復することで、プロダクトを完成させます。
ユーザーの評価を反映させながら開発を進めることができ、ニーズを満たしながら動くプロダクトをスピーディーに作成することが可能です。
アジャイル開発とは?
アジャイル開発とは、開発工程を機能単位の小さなサイクルで繰り返す、現在主流となっている開発手法の1つです。
大まかな仕様だけを決めて開発を進めるため、柔軟性の高い開発ができます。
詳しくは以下の記事をご覧ください。
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スクラムの特徴
スクラムの特徴として、「透明性(Transparency)」「検査(Inspection)」「適応(Adaptation)」という3本柱があります。これらを実現することにより、スクラムは機能します。
透明性とは、事実から現状がわかるようになっていることであり、仕事の内容だけではなく、個人の状況も対象としています。
また、検査とはチームメンバーの進捗状況やプロセスが問題なく進んでいるかを確認することです。検査は透明性の上に成り立っており、問題点に気づくために積極的に実施する必要があります。
そして、検査の結果に基づいてプロセスや製品を修正するのが適応です。チーム全員で改善や軌道修正をなるべく早く行うことが大切です。
スクラムにおける価値基準
スクラムの成否は、以下の5つの価値基準を実践できるかどうかで決まります。それぞれの価値基準について、詳しくご紹介します。
- 確約(Commitment)
- 集中(Focus)
- 公開(Openness)
- 尊敬(Respect)
- 勇気(Courage)
確約(Commitment)
「確約」とは、スクラムチームは、目標を達成し、お互いにサポートすることを確約する、ということです。スクラムでは、少人数のチームを組んで開発に取り組みます。
チームメンバーが相互に信頼し合いながら目標に向かって進んでいきます。
集中(Focus)
「集中」とは、スクラムチーム は目標に向けて可能な限り進捗できるように、スプリントの作業に集中する、 ということです。スプリントとは、スクラムにおける短い開発期間のことをいいます。
現在のスプリントと、目の前の重要な作業に集中することで、着実にゴールに近づいていきます。
公開(Openness)
「公開」とは、スクラムチームとステークホルダーは、作業や課題を公開する、ということです。スクラムでは、オープンマインドであることが求められます。
現状を認め、さまざまな意見や変化を受け入れることが重要です。
尊敬(Respect)
「尊敬」とは、スクラムチームのメンバーは、お互いに能力のある独⽴した個⼈として尊敬し、ともに働く⼈たちからも同様に尊敬される、ということです。
チームメンバーを相互に尊敬し合うことで信頼関係が生まれ、チーム内での協力が促進されます。
勇気(Courage)
「勇気」とは、スクラムチームのメンバーは、正しいことをする勇気や困難な問題に取り組む勇気をもつ、ということです。スクラムでは勇気をもって開発に臨むことが必要とされます。
開発中に不安を感じても、自分自身や同じチームのメンバーを信じて積極的に取り組むことが大切です。
スクラム開発におけるメンバーとロール
スクラム開発では、チームのメンバーに対し、以下の3つのロールが与えられます。それぞれのロールについて詳しく解説していきます。
- プロダクトオーナー
- 開発メンバー
- スクラムマスター
プロダクトオーナー
プロダクトオーナーは、開発するプロダクトの責任者であり、チームが作り出すプロダクトの価値を最大化することに責任を持ちます。
顧客のニーズに基づいてシステムの機能や要件を管理し、ゴールを設定します。
また、現状を可視化してステークホルダーに伝えることもプロダクトオーナーの責任です。
開発メンバー
開発メンバーは、実際に開発を担当するメンバーであり、設計やドキュメント作成、コーディング、テスト、運用などのスキルが必要となります。
すべての開発メンバーがすべての領域の業務をできるようになることを目指します。そのために、メンバー同士は課題を共有し、互いを支援します。
スクラムマスター
スクラムマスターは、チーム内の業務で困っていることが無いかを確認し、作業を妨げている原因を取り除いて解決していく役割を持ちます。
チームを健全な状態に保ち、集中できる環境を整えることが重要です。
また、プロダクトオーナーの支援をする役割もあり、プロダクトオーナーが機能していない際にはアドバイスを出します。
スクラムのメリット・デメリット
ここでは、スクラムのメリット・デメリットをそれぞれご紹介します。スクラムがどのような点で優れているのかを確認しておきましょう。
スクラムのメリット
スクラム開発では、優先度の高い機能から開発を進めることが可能です。そのため、短期間で最大限の成果を出せることが期待できます。
また、短期間でサイクルを反復するため、仕様変更に対して柔軟に対応できます。ユーザーとの認識のずれも起こりにくいです。
そのためプロジェクト終盤で手戻りが発生しづらく、コストの増加や納期が延びてしまう可能性を減らせます。
さらに、短いスプリントの中で開発計画を立てるため、精度の高い作業工数の見積もりが可能です。
スクラムのデメリット
スクラムでは、仕様変更のたびに開発の内容が変わってしまうため、開発全体のスケジュール管理が難しく、期限が超過しやすくなります。
また、メンバー同士のコミュニケーションが重要であるため、各メンバーのスキルが不十分な場合にはプロダクトの品質が低下してしまうかもしれません。
さらに、少人数での開発を基本としているため、途中でメンバーが離脱してしまうと進捗に影響が及んでしまいます。
スクラム開発の流れ
最後に、スクラム開発の大まかな流れをご紹介します。スクラム開発ではスプリントという短いサイクルを反復して開発を進めます。スプリントは以下のような流れとなっています。
- プロダクトバックログの作成
- スプリントランニング
- デイリースクラム
- スプリントレビュー
- スプリントレトロプロスペクティブ
プロダクトバックログの作成
開発する製品の機能や技術的な改善点に優先度を付けたリストをプロダクトバックログといいます。常に変化し、優先度に応じて定期的に整理されます。
プロダクトオーナーがプロジェクト全体を見て優先度を判断し、プロダクトバックログを作成します。
スプリントランニング
作成したプロダクトバックログを基に、開発メンバーが行うタスクやスケジュールを決定します。これをスプリントランニングといいます。
スプリントの長さは最長でも1か月であり、一般的には2週間です。
決まった作業をそれぞれのメンバーに割り当て、実際の作業に移ります。
デイリースクラム
デイリースクラムとは、毎日決まった時間に行われるミーティングのことです。メンバーの進捗や現状の課題をチームで確認し、共有します。
スクラム開発はコミュニケーションを重視しているため、このような会議が行われます。
スプリントレビュー
スプリントレビューは、スプリント期間の最終段階に行う、スプリントで実装した機能についての評価のことです。スプリントの成果確認と、今後の対応の決定を行います。
会議にはプロダクトオーナーや主要なステークホルダーも参加します。結果を示し、ゴールに対する進捗を評価します。
スプリントレトロプロスペクティブ
スプリントレトロプロスペクティブとは、スプリントの最後に行う振り返りのことです。プロダクト以外の部分について振り返りをします。
スプリントの良かった点や改善点を見つけ、次回のスプリントで活かすことが目的です。
まとめ
今回は、スクラムについて解説してきました。
スクラム開発ではチーム内でのコミュニケーションを重視しており、メンバー同士で連携しながら開発を進めます。
他の開発手法についても知りたいという方は、以下の記事もご覧ください。
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