こんにちは、DX攻略部のヘナトンです。
Salesforceが2023年4月に発表したEinstein GPTをご存知でしょうか。
まだ発表段階であるため、聞いたことのない方も多いと思います。
今回はそんなEinstein GPTについて解説していきます。
Einstein GPTの特徴とは?
- 世界初のCRM向け生成系AI
- 自然言語処理のための深層学習モデル
- ニューラルネットワークモデル
- トランスフォーマーアーキテクチャ
- 多様なタスクに応用可能
世界初CRM向け生成系AI
SalesforceのEinstein GPTは、Salesforceが開発した世界初のCRM向け生成系AIです。
現在様々なAIが話題ですが、Einstein GPTはその中でもCRM(顧客管理システム)に特化したAIなのです!
自然言語処理のための深層学習モデル
GPTは、「Generative Pre-trained Transformer」の略であり、自然言語処理のための深層学習モデルです。
Chat GPTが話題ですが、さらにそのSalesforce特化バージョンというイメージをしていただければと思います。
Einstein GPTは、SalesforceのAIプラットフォームであるEinsteinに統合されており、自然言語理解、文章生成、テキスト分類などのタスクに使用されます。
ニューラルネットワークモデル
Einstein GPTは、大量のテキストデータを学習して作成されたニューラルネットワークモデルです。
これにより、Einstein GPTは自然な言語表現の生成と理解が可能となります。
トランスフォーマーアーキテクチャ
モデルは、トランスフォーマーアーキテクチャを使用しており、複数のエンコーダとデコーダの層から成ります。
エンコーダは入力テキストを表現し、デコーダはそれを生成したり分類したりするために使用されます。
多様なタスクに応用可能
Einstein GPTは、多様なタスクに応用可能です。
例えば、自然言語理解のタスクでは、テキストの意味や文脈を理解して回答を生成することができます。
テキスト生成のタスクでは、与えられた情報に基づいて文章を生成することができます。
また、テキスト分類のタスクでは、テキストをカテゴリに分類することができます。
Einstein GPTは、SalesforceのEinstein AIプラットフォームの一部として、企業の顧客関係管理(CRM)に活用されます。
これにより、Salesforceの顧客は、Einstein GPTを使用して、自然な会話や文章生成による顧客対応や問い合わせ応答を行うことができます。
また、Einstein GPTはカスタマーサービスやマーケティング、セールス、分析などの領域でも活用されます。
Einstein GPTはいつからサービスが開始されるのか?
Einstein GPTの日本国内へのサービスリリース日はまだ未定(2023/12/15より順次リリース)です。
今回DX攻略部の方でSalesforce社の現場の方(結構お偉い方)に独自インタビューを行い新情報を仕入れてきました情報によると、2023年12月15日からService CloudでEinstein GPTの一部機能がリリースされます。
ただし、本格的な機能リリースについては、アメリカ(US)が2024年1月から、日本国内は2024年2月以降になる可能性が高いとのことでした!
おそらく日程が近くなればまた公式情報として発表があるかと思いますが、現状は上記のスケジュールでリリースされる可能性が高いようですので、非常に楽しみです。
【2023年12月リリース】Einstein GPT for Serviceの機能概要が発表!(2023/12/25追記)
2023年12月15日よりEinstein GPT for Serviceがリリースされます。
Einstein GPT for Serviceとは、Service Cloud上で利用できるEinstein GPTとなっており、具体的にリリースされる機能は下記の2点です。
【2024年2月リリース】Einstein GPT for Salesの機能概要が発表(2023/12/25追記)
2024年2月よりEinstein GPT for Salesがリリースされます。
Einstein GPT for Salesとは、Sales Cloud上で利用できるEinstein GPTとなっており、具体的にリリースされる機能は下記の2点です。
Einstein GPTの料金とは?
Einstein GTPは、Salesforceの「Enterprise Edition」と「Unlimited Edition」と「Unlimited Edition +」のエディションで利用可能になるとのことです。
Salesforceでは1ユーザー1ライセンスで料金が発生する形態となっており、ライセンスにもEditionと呼ばれるグレードがありますが、今回は上位グレードの「Enterprise Edition以上」でのみEinstein GTPが利用可能になるとのことです。
ちなみに、ライセンスの各Edition毎の料金は下記の通りとなっていますので、結論としては月額18,000円~からEinstein GPTが利用可能になるということです。
エディション種類 | 料金 |
Essentials | 月額3,000円/ユーザー |
Professional | 月額9,000円/ユーザー |
Enterprise | 月額18,000円/ユーザー |
Unlimited | 月額36,000円/ユーザー |
Unlimited Plus | 月額60,000円/ユーザー |
※上記は税別料金です。
今回DX攻略部もこのEinstein GPTを利用するためにエディションをUnlimitedへ引き上げたのですが、1ライセンスあたりの料金が単純に倍になるので、なかなか凄い金額になりました。笑
Einstein GPT for Serviceの料金
2023/12/15にリリースされたEinstein GPT for serviceの料金は、現在利用しているエディションによって異なります。
利用エディション | 利用可否 | 料金 | 備考 |
Starter Edition(SE) | 利用不可 | – | |
Professional Edition(PE) | 利用不可 | – | |
Enterprise Edition(EE) | 利用不可 | – | |
Unlimited Edition(UE) | 別途オプション | 月額6,000円/ユーザー | ※Service Cloud EinsteinとService GPTの契約が必要(全ユーザーではなく、特定ユーザーのみに適用させることが可能)。 |
Unlimited Edition +(UE+) | 利用可能 | 無料 | ※全ユーザー利用可能 |
Einstein GPTの機能一覧
以下に現在わかっているEinstein GPTの機能一覧をまとめます。
- Einstein GPT for Sales
- Einstein GPT for Service
- Einstein GPT for Marketing
- Einstein GPT for Salesforce’s Slack apps
- Einstein GPT for Developers
Einstein GPT for Sales
Eメールの作成、会議のスケジュール設定、次の顧客対応の準備などの営業タスクを自動生成します。
「お世話になっております。〇〇です。〜の件で打ち合わせのお時間を頂戴したく、、、、」みたいなメールを毎回作成しないといけないストレスから解放され、数単語記入して「メールで送信」ボタンを押すだけで顧客とコンタクトが取れます。
Sales Email
Sale Emailでは、取引先へ送信するメールをワンクリックで自動生成できる機能です。
過去の取引/提案内容を踏まえたメッセージを自動で生成してくれるため、担当者の業務効率向上に期待できそうです。
Call Summaries
Call Summariesでは、ZoomやGoogle MeetsなどのWEB会議を録画し、自動的に要約までしてくれる機能です。
Einstein GPT for Service
過去の対応履歴からナレッジ記事を生成します。
パーソナライズされたエージェントチャットの返信を自動生成し、パーソナライズされた迅速なサービス応対を通じて顧客満足度を向上させます。
さらに、Service Cloud の要であるChat Bot機能を強化することで、人による対応を削減するかつ、顧客満足度が増加します。
Work Summaries
Work Summariesでは、ケースのデータやお客様との過去の履歴から要約を作成してくれる機能です。
Service Replies
Service Repliesでは、ナレッジや過去のケース対応の履歴から返信を自動的に生成してくれる機能です。
Einstein GPT for Marketing
パーソナライズされたコンテンツを動的に生成して、Eメール、モバイル、Web、および広告などさまざまなチャネルで顧客や見込み客を惹きつけます。
どのようにコンテンツを作成すれば顧客や見込み顧客の興味を惹き、商談に繋がるかをEinsteinにアドバイスをもらい優良顧客、成立商談を増加させる手助けになります。
Einstein GPT for Salesforce’s Slack apps
販売商談の的確な要約や、ナレッジ記事の更新などエンドユーザーが取るべきアクションの提示を含む、AIを活用した取引先インサイトをSlackで提供します。
SalesforceとSlack両方を連携して利用している組織は多いのではないでしょうか。
SlackにEinstein GPTを設定することで、Slackから離れることなく成立しそうな商談を探してもらったり、アプローチをかけるべき取引先を洗い出してくれます。
Einstein GPT for Developers
Salesforce Research が開発した独自の大規模言語モデルを活用し、AI チャットアシスタントを通じてApexなどのプログラミング言語のコード生成や質問を行うことで、開発者の生産性が向上します。
開発者は一からプログラムコードを書いたり、フローを作成したりする必要がなくなります。
完全にEinsteinが全てかいてくれるようになるかは分かりませんが、ある程度をEinsteinにお願いして、調整と検証するだけで開発できるようになれば開発コストを大きく削減できるはずです!
Einstein GPTの公式紹介動画をレビューしてみた。
Einstein GPTに関するSalesforceの公式動画のリンクを記載しておりますのでご参照ください。
機能それぞれの説明は短いですが、できるようになることがまとめられていてワクワクする内容ですね。
とくに会話形式でプログラムコードを記述してくれる機能は、プログラマーにとって非常に便利機能で開発速度を大幅アップできるでしょう!
まとめ
いかがでしたか、さらに詳しくは2023年7月に開催されるWorld Tour Tokyoで発表されるようで今回はザックリした記事となりましたが、Salesforceを利用する組織にとってかなりパワフルなAIであることは間違いないでしょう。
実装方法などの追加情報は随時記事にしていきますので、ご確認していただければと思います。
最後までご覧いただきありがとうございました。