こんにちは、DX攻略部のしゅうとです。
Salesforce社で最近発売されたData Cloudの価格について解説していければと思います。
昨今のDXの発展により、顧客にパーソナライズしたマーケティング施策が重要になってきており、それを実現する手段の1つとしてCDP製品が活用されるようになってきました。
一言で「CDP製品」と言っても、世の中にはたくさん存在しており、「Data Cloud」や「Tresure Data CDP」や「Tealium」など多岐に渡リます。
今回は数多く存在しているCDP製品の中でも、Salesforce社が販売している「Data Cloud」の価格について解説していきます。
Data Cloudとは?
簡単にData Cloudの概要を説明します。
Data Cloudは、社内にある様々なシステムの中に存在しているデータ及びSalesforce内のデータを統合して、管理・分析するためのCDP(カスタマーデータプラットフォーム)です。
特にSalesforceとの相性が良くCRMやMAといった機能と組み合わせて使うことで、データ活用の幅を広げることが可能になります。
例えば、Sales Cloudに保存している顧客データと基幹システムに保存しているアンケートデータを結合して、アンケート回答によってメールをMarketing Cloudから配信したりなど、様々なSalesforce製品と組み合わせてデータを利活用することができます。また、統合したデータをTableauで可視化してデータ分析に活用することも可能です。
そもそもCDPとは何か?
CDP(カスタマー・データ・プラットフォーム)とは、”カスタマー”という名称が付いている通り、顧客情報を中心としてデータを統合、分析、活用することができるサービスです。
最近では「データ活用」というキーワードがDX業界においては流行っていることもあり、CDPのサービスの結構たくさん増えてきています。
ただしCDPは導入して終わりではなく、実際に活用するまでの準備段階が非常に重要ですので、導入を検討している方はまずCDPの導入目的から整理するのがおすすめです。。
CDPについては下記記事で体験談も含めて解説しているため、興味がある方はチェックしてみてください。
こんにちは、DX攻略部のラムネです。 普段はAWSやSalesforceの開発関連の記事ばかり書いていますが、今回は久しぶりにデータ活用の分野でよく耳にする「CDP」について解説していければと思います。 昨今のAIやネットの発達[…]
Data Cloudの価格
Data Cloudは、Salesforce製品の下記のEditionで利用することができます。
- Enterprise Edition
- Unlimited Edition
代表してSalas CloudとService Cloudの各Editionの価格を記載します。
Sales CloudとService CloudのEditionと価格
製品 | Enterprise Edition | Unlimited Edition |
Sales Cloud | 19,800円/ユーザー/月 | 39,600円/ユーザー/月 |
Service Cloud | 19,800円/ユーザー/月 | 39,600円/ユーザー/月 |
こんにちは、DX攻略部のヘナトンです。 「Sales Cloud」と「Service Cloud」は、Salesforceが提供する2つの主要なクラウドベースの製品です。 それぞれ異なるビジネス機能に焦点を当てており、顧客管理や[…]
Data Cloudの価格体系
Data Cloudの価格は、「有効なセグメント数」、「データレイクオブジェクトのレコード数」などData Cloud内の指標で決まる課金体系です。
詳細の価格に関しては、Salesforceの営業担当者にお問い合わせください。
Data Cloud for Marketing
Data Cloud for Marketingは、B to B及びB to Cで利用できる顧客情報のプラットフォームです。
あらゆる情報をData Cloudで統合して、MAなどマーケティング施策に活用することができます。
Data Cloudを無償で利用する方法
既にSales CloudやService CloudのEnterprise EditionとUnlimited Editionを利用している企業であれば、Data Cloudを無償で利用することができます。
Data Cloud Provisioningとは?
Data Cloud Provisioningとは、Data Cloudを無償で利用できるライセンスです。
最大10,000プロファイル統合まで無償利用が可能です。
小規模から中小規模までのB2C及びB2B企業で規模を問わず、様々な企業で利用できます。
Data Cloud Provisioningには下記の内容が含まれます。
機能 | 詳細 |
データサービスクレジット | 25,000 |
データストレージ | 1TB |
Data Cloudシステム管理者 | 1ユーザー |
Data Cloud社内IDユーザー | 100ユーザー |
Data Cloud PSL | 1,000 |
Data Cloudインテグレーションユーザー | 5ユーザー |
つまり、Salesforce製品のEnterprise EditionとUnlimited Editionを利用していれば、Data Cloudの機能を利用できる無償のライセンスが取得できます。
データストレージが1TBを超える場合は、追加で費用がかかります。詳細の価格に関してはSalesforceの営業担当者にお問い合わせください。
利用するデータ量が少ない場合は、Sales CloudやService CloudのEnterPrise Editionを契約してData Cloudの機能を無料で使っていただくのもお薦めです。
注意:セグメント機能や外部連携機能を行う場合にはオプションが必要!
Data Cloud Provisioningは一部機能と容量が制限されています。
Data Cloud Provisioningでは、セグメンテーションやアクティベーションが利用できません。また、データサービスクレジットは25,000クレジットとData Cloud有償版と比較すると容量が少ないです。
Data Cloud ProvisioningでData Cloudの機能をフルで活用するためには下記のオプションを別途契約する必要があります。
Data Cloud Provisioningの利用方法
Data Cloud Provisioningは下記の手順でサインアップできます。
- Your AccountからSalesforceのEnterprise EditionまたはUnlimited Editionにログイン
- 「参照&購入」をクリックして製品カタログにアクセス
- Data Cloud Provisioningをカートに追加
詳細のData Cloud Provisioningのサインアップ手順は下記を参照してください。
Data Cloud有償版と無償版(Provisioning)の違いとは?
Data Cloudの有償版と無償版(Data Cloud Provisioning)では利用できる機能と容量に違いがあります。
Data Cloud とData Cloud Provisioningの違い
下記にData CloudとData Cloud Provisioningの違いをまとめています。
比較項目 | Data Cloud | Data Cloud Provisioning |
料金 | 有料 | 無料 |
データサービスクレジット | 10,000,000 | 25,000 |
データストレージ(GB) | 1,000 | 1,000 |
セグメンテーション | ◯ | △ |
アクティベーション | ◯ | △ |
Data Cloud Provisioningは「無料」で利用できる分、取り扱うことができるデータ量や一部機能に制限がかかっていますが、年間12万円のオプションを契約することで機能面は有償版と同等のものを利用することができます。
まとめ
Data Cloudは、Salesforce内外のデータを顧客情報を中心に統合してデータを利活用することができます。
Data Cloudの価格は、基本的に「有効なセグメント数」、「データレイクオブジェクトのレコード数」などData Cloud内の指標で決まります。
また、顧客情報のプラットフォームとして利用できる有償版のData Cloud for Marketingは定価1296万円/年で利用することができます。
Data Cloudは、Salesforce製品のEnterprise EditionとUnlimited Editionを利用していれば、Data Cloud Provisioningと呼ばれるData Cloudの機能を無料で利用できるライセンスを取得できますので、まずはProvisioningからお試しいただくのが良いかと思います。