こんにちは、DX攻略部の二階堂です。
昨今のDX推進において「レガシーシステムからの脱却が必要」と言われています。
しかし、何故「レガシーシステムからの脱却」が必要なのでしょうか?
そもそも「レガシーシステム」とは何でしょうか?
もしレガシーシステムから脱却できないと、どのような影響があるのでしょうか?
「レガシーシステムとは何か?」や「レガシーシステムから脱却する方法」について説明しますので参考にしてください。
レガシーシステムとは?
レガシーシステムとは、昔の技術や仕組みで構築されている古いシステムを言います。
主に1980年代に多くの企業で導入されたメインフレームや、小型化したオフコン(オフィスコンピューター)と呼ばれるコンピューターを使用したシステムが代表的です。
1980年代当時は最新のテクノロジーとして、企業を支える重要な役割を担っていました。
しかし、時代が進みテクノロジーが進歩したことにより、時代遅れの古いシステムとなっています。
時代遅れの古いシステムは、最新のIT技術との連携が困難です。最新のIT技術が導入できないと、デジタル化も進みません。
そのため多くの企業が、時代遅れの古いシステム(レガシーシステム)からの脱却に取り組んでいます。
2025年の崖との関係
既存の古いシステムに依存し続けると、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進が上手く進まず、競争力を失うと言われています。
その結果、2025年から2030年の間に最大毎年12兆円の損失が発生すると予測されています。
特に、中小企業では「2025年の崖」問題が深刻であり、その対応が急務となっているのです。
レガシーシステムは、企業の存続に関わる重要な課題だと理解する必要があります。
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レガシーシステムを放置するとどうなる?
レガシーシステムを放置すると、どのような障害が発生するのでしょうか?
既存のシステムを刷新するには、費用も時間も必要です。
そのような理由から、既存のシステムを運用し続けている企業が多いのが現状です。
また、「どんな障害が発生するかわからない」「なぜレガシーシステムを放置するとダメなのかわからない」と言う人も多いでしょう。
そこで、既存のシステムを放置することで起こる問題点について紹介していきます。
- 運用コスト
- IT人材不足
- 企業価値の低下
- 最新のIT技術か導入できない
運用コスト
1つめの問題点は「運用コスト」です。
レガシーシステムの維持・管理には、高額な運用コストがかかります。
古い技術に対応できるエンジニアの確保や、延長サポートを受けるには費用が必要です。
自社で対応する場合、人件費もかかります。その結果、運用コストが高くなるのです。
IT人材不足
2つ目の問題点は「IT人材の不足」です。
当時の古いテクノロジーに対応できるエンジニアは、年々高齢化が進んでいます。
また、昔の技術や仕組みで構築されている古いシステムは、使用されているプログラム言語も過去の言語となります。
当時のシステム構造を熟知しているエンジニアが、高齢化で居なくなると、対応できるエンジニアが不足するのです。
その結果、レガシーシステムに対応できるIT人材不足が発生します。
企業価値の低下
3つめの問題点は「企業価値の低下」です。
レガシーシステムをそのままにしていると、新たなIT技術を導入する際に、不具合が発生する可能性があります。
不具合とは、時代遅れのシステムが原因となり「新たなIT技術が上手く活用できない」点です。
近年デジタル化が進んでおり、日常生活においてもさまざまな変化がおきています。
また、働き方改革の影響もあり、テレワークの普及も進んでいます。
これらの変化やニーズに対応するには、IT技術の導入が必要なのです。
新たなIT技術を導入したとしても、能力を十分に発揮できなければ意味がありません。
十分な能力を発揮できなければ、市場の変化やニーズに対して柔軟に順応できなくなります。
さらに、生産性や効率性にも悪影響を及ぼすでしょう。その結果、競争力を失い企業価値が低下するのです。
最新のIT技術が導入できない
4つめの問題点は「最新のIT技術が導入できない」点です。
時代に順応できない古いのシステムは、パフォーマンス低下を招きます。
特に、処理速度のスピードやデータ処理能力の低下は、生産性に影響があります。
生産性を上げるために、最新のIT技術を導入しようとしても、古いシステムでは対応できません。
その結果、デジタル化の波に乗り遅れる原因となるのです。
レガシーシステムから脱却する方法は?
既存の古いシステムへの依存は、企業の存続に関わる障害が発生します。
それらの障害を解決する方法として、以下の方法が有効です。
- マイグレーション
- モダナイゼーション
- クラウドの活用
- DX人材の育成・確保
これらの項目について説明しますので、「自社に何が適しているか?」考えてみましょう。
マイグレーション
マイグレーションとは、古いシステムから新しいシステムに移行することを目的としています。
既存のシステムから新たなシステムに移行するので、比較的業務に影響をきたすことが少ないのです。
また、コストも抑制しやすい点もメリットです。
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モダナイゼーション
モダナイゼーションとは、既存の古いシステムを生かしつつ最新の情報テクノロジーと組み合わせてシステムを刷新することです。。
大幅な刷新がないので、比較的低コストで取り組める点がメリットです。
また、1から新たなシステムを取り入れるよりも、低コストで業務の効率化を図れます。
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クラウドの活用
古いシステムの移行先として、クラウドを活用する方法もあります。
情報テクノロジーの向上もあり、クラウドの信頼性や使い勝手も向上しており、さまざまな業務でクラウドが活用されているのです。
クラウドを活用すると、場所や時間を選ばずに情報共有が可能です。
クラウドは保守運用の必要がなく、低価格で運用できます。
ただ、カスタマイズ性がクラウドサービスの質やサービスに依存してしまうことが、デメリットとして挙げられます。
その点をよく見極めてクラウドサービスを選ぶことが重要です。
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DX人材の育成・確保
新たなシステムを導入し、レガシーシステムから脱却するには、デジタル技術の専門的な知識を持つDX人材の育成・確保が必要です。
また、デジタルスキルを活用するだけでなく、時代のニーズに対応できる人や組織として、継続し続けるためにも、人材の育成・確保の必要があります。
これらの人材は、DX推進を進める上で主導となる人材です。
DX推進を進め、レガシーシステムからの脱却に成功するには、DX人材の存在が鍵を握ります。
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レガシーシステムから脱却するメリットは?
既存の古いシステムから脱却することで、どのようなメリットがあるのでしょうか?
脱却に成功しても、メリットがなければ意味がありません。
新たなシステムの導入で得られるメリットについて紹介します。
メリット
- 運用コストが削減できる
- 市場のニーズに対応できる
- 生産性・効率性が向上する
運用コストが削減できる
既存の古いシステムから新たなシステムの取り入れにより、運用コストが削減できます。
新たなシステムは障害が発生する可能性も低く、万が一トラブルが発生したとしても、対応できるエンジニアが居るので安心です。
新たなシステムは、最新のプログラム言語を使用しており、対応できるエンジニアも多くいます。
その結果、トラブル時に特別なコストがかからないので、保守運用コストの削減が可能です。
市場のニーズに対応できる
最新のシステムを取り入れることで、市場のニーズに柔軟に対応できます。
最新のシステムは、最新のIT技術との連携も可能です。
また、顧客や市場のニーズだけでなく働き方の多様化にも対応できます。
デジタル化が進む現代において、競争力を維持するためにも有効な方法です。
競争力を失わないことで、企業価値を高めることにもつながります。
生産性・効率性が向上する
最新の情報テクノロジーを導入すると、生産性・効率性が向上するでしょう。
最新のシステムは、高いパフォーマンスを発揮でき、業務効率の向上が期待できます。
また、デジタル化の波にも素早く対応することで、働き方改革にも対応可能です。
まとめ
レガシーシステムを放置すると、企業の競争力や価値を大きく損ないます。
古いシステムはDX推進の足枷となり、デジタル化が進む現代において、大きな損失を招く原因となるでしょう。
また、2025年の崖問題に対応するためにも、企業におけるレガシーシステムからの脱却は重要です。
既存の古いシステムから脱却する方法はさまざまですが、予算面や事業規模を考慮して、自社に適している方法の選択が重要です。
脱却することで、生産性・効率性が向上するだけでなく、市場のニーズにも柔軟に対応できます。
デジタル化が進む現代において、レガシーシステムからの脱却は急務といえるでしょう。