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アジャイル開発手法の1つであるエクストリームプログラミング(XP)とは?特徴やメリットとデメリットについて解説!

こんにちは、DX攻略部のトーヤです。

今回は、アジャイル開発手法の1つであるエクストリームプログラミング(XP)について解説していきます。

エクストリームプログラミングは少人数で短期間に開発するプロジェクトに向いている手法であり、システムを効率よく開発できます

エクストリームプログラミングについて知りたい方は、ぜひご覧ください。

エクストリームプログラミングとは?

エクストリームプログラムング(XP)とは、変化する顧客のニーズに対応し、ソフトウェア品質を向上させることを目的としたソフトウェア開発プロセスです。

アジャイル開発手法の1つであり、プロジェクト全体を細かく区切り、短い開発サイクルを繰り返して開発を進めます。主に少人数で短期間に効率よくシステムを開発するプロジェクトに適しています

アジャイル開発について詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。

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エクストリームプログラミングの特徴

エクストリームプログラミングの特徴として、柔軟性が高いことが挙げられます。プロジェクトの変更を前提に開発を進めるため、変化に柔軟に対応可能です。

開発サイクルを短くして何度もリリースすることで、顧客のニーズが変化しても対応しやすくなっています

また、開発サイクルが短いため、素早いリリースが必要です。そのため、主に10人程度の少人数で開発が進められます。

エクストリームプログラミングの5つの価値

エクストリームプログラミングでは、以下の5つの価値が重視されています。エクストリームプログラミングを行う際には、これらの価値を押さえておくことが大切です。

  • コミュニケーション
  • シンプルさ
  • フィードバック
  • 勇気
  • 尊重

    コミュニケーション

    プロジェクトが失敗してしまう主な原因は、コミュニケーション不足にあります。エクストリームプログラミングでは、開発メンバーや、顧客とのコミュニケーションを重視します。

    コミュニケーションを行う際には、文書でのやり取りではなく、直接話し合うことが多いです。

    シンプルさ

    エクストリームプログラミングの特徴は素早く柔軟性の高い開発です。そのため、最初はシンプルな設計から始め、必要な機能が増えれば後から追加します。

    あくまで現在のニーズに焦点を当てて開発を行い、重要な機能の開発を優先します。

    フィードバック

    顧客からのフィードバックをもらい、ソフトウェアの改善を図ります。これにより、無駄な機能を盛り込んで無駄が増えることを防ぐことが可能です。

    フィードバックを有効活用するためにも、コミュニケーションや設計のシンプルさが重要です。

    勇気

    エクストリームプログラミングでは、開発の最初に詳細な計画を立てないため、開発途中で大幅な仕様変更が起きる可能性があります。その際には勇気をもって設計変更することが大切です。

    勇気をもって開発を行うことで、柔軟性の高い開発が可能になります。

    尊重

    開発はチームで進めていくため、他のメンバーを尊重する姿勢が重要です。互いに尊重し合うことで、生産性やモチベーションを高めることができます。

    経験などで優劣をつけることなく積極的に意見を出し合うことにより、高品質なプロダクト開発が可能になります。

    エクストリームプログラミングの19のプラクティス

    エクストリームプログラミングには、19のプラクティス(慣習となっている手法)があります。プラクティスには、以下の4つのカテゴリがあります。

    • 共同プラクティス
    • 開発プラクティス
    • 管理者プラクティス
    • 顧客プラクティス

      共同プラクティス

      共同プラクティスは、エクストリームプログラミングに関わる人全員を対象としています。共同プラクティスには、以下の4つがあります。

      • 反復
      • 共通の用語
      • 開けた作業空間
      • 回顧

      開発期間を1~2週間程度の短期間で区切り、設計・実装・テストを何度も反復して開発を進めます。この期間をイテレーションといいます。サイクルを繰り返すため、問題の発見や改善が容易です。

      開発の際には、使う用語集を作成することによってチーム内でのコミュニケーションの齟齬を防止します。また、開発チームと顧客の間でコミュニケーションを取りやすく、作業に集中できる環境を整えます。

      回顧では過去のフィードバックを活かし、ミスが再発しないように作業状況を明らかにします。

        開発プラクティス

        開発プラクティスは、プログラマをはじめとした開発チームを対象とするプラクティスです。開発プラクティスには、以下の6つがあります。

        • テスト駆動開発
        • ペアプログラミング
        • リファクタリング
        • YAGNI
        • 継続的インテグレーション
        • ソースコードの共同所有

        テスト駆動開発

        テスト駆動開発とは、プログラムを実装するよりも先にテストコードを作成する開発のことです。テストコードを先に作っておくことで、求められる機能が明確になり、シンプルな設計が可能となります。

        テストを通過することを目標として開発を行うことにより、開発途中に仕様変更などで生じてしまうブレを最小限に抑えられます

        ペアプログラミング

        ペアプログラミングとは、2人1組でプログラミングを行うことです。1人がコードを書き、もう1人がそのコードの確認やサポートを行います。

        記述と確認を同時進行でできるため、問題解決のスピードの向上が見込めます

        また、ソースコードの内容を理解している人が2人いるため、問題が発生した際の対応がしやすいこともメリットです。

        リファクタリング

        リファクタリングとは、完成済みのソースコードを読みやすく書き換えることです。リファクタリングでは外部への振る舞いは変えずに内部構造だけを変更します。

        同じ動作をするコードでも、よりわかりやすいものにすることによってメンテナンス性の向上が見込めます。

        YAGNI

        YAGNIとは、You Aren’t Going to Need It. の略であり、必要とされるコードだけを記述することを指します。

        現在必要とされるコードのみを書くことで、無駄を省きます

        継続的インテグレーション

        継続的インテグレーションとは、ソフトウェア開発において実装とテストを何度も繰り返し行うことで、問題を早期に発見し、開発を効率化する手法のことです。

        何らかの不具合が発生した際に、原因を素早く特定できます

        ソースコードの共同所有

        ソースコードをチームのメンバー全員で所有することにより、メンバーが誰でもコードを修正でき、チーム全員でコードの品質を担保することが可能です。

        ソースコードの属人化を防ぎ、メンバー同士のコード品質の差を減らすことができます

          管理者プラクティス

          管理者プラクティスは、プロジェクトを管理する人を対象としたプラクティスです。管理者プラクティスには、以下の5つがあります。

          • 責任の受け入れ
          • 援護
          • 四半期ごとの見直し
          • ミラー
          • 持続可能なペース

          プロジェクトの管理者は、開発の最終責任者であることを受け入れる必要があります。

          作業状況によってはメンバーの増強をして開発の援護をし、四半期ごとに進捗を見直してメンバー間の負担を調整します。

          ミラーとは全体の進捗をチームと共有することであり、チームの負荷が大きい場合は進行を調整して過度な労働を避けなければなりません。

            顧客プラクティス

            顧客プラクティスは、プロダクトを利用する顧客を対象としたプラクティスです。エクストリームプログラミングでは、顧客も開発のチームメンバーとして扱います。顧客プラクティスには、以下の4つがあります。

            • ストーリーの作成
            • リリース計画
            • 短期リリース
            • 受け入れテスト

            必要な機能を短い文章で記述したストーリーカードにまとめ、開発の優先順位をつけます。開発の際にはストーリーカードをもとにして実装の詳細を決定します。

            そして、リリースの計画を積極的に提案し、プロダクトは基本的に2~3週間でリリースします。

            また、ストーリーカードに書かれた機能が実装されているかを確認する受け入れテストをイテレーションごとに実施しなければなりません。

              エクストリームプログラミングのメリット・デメリット

              ここでは、エクストリームプログラミングのメリットとデメリットについてご紹介します。メリットとデメリットを理解した上で、採用を検討してみてください。

              エクストリームプログラミングのメリット

              エクストリームプログラミングのメリットとして、変化に柔軟に対応できる点が挙げられます。プロジェクトの変更を想定しているため、ウォーターフォール開発と比べ仕様変更などに強いです。

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              開発サイクルを繰り返す中でユーザーとのやり取りもあり、ニーズの変化にも素早く対応できます

              また、数々のプラクティスによって、プログラミングを効率化し、問題の発見と解決を迅速に行うことが可能です。

              エクストリームプログラミングは少人数でスピーディーな開発に向いた手法となっています。

              エクストリームプログラミングのデメリット

              エクストリームプログラミングのデメリットとして、長期的なスケジュールが立てられないこと、そして予算野増減があることが挙げられます。

              エクストリームプログラミングは短期間で開発を繰り返す手法であるため、長期の計画は立てられません

              また、開発途中でニーズや仕様の変更に柔軟に対応するために、追加で予算が必要になり、予定していたよりも費用がかかってしまう可能性もあります。

              これらのデメリットは、いずれもアジャイル開発に共通するものです。

              まとめ

              今回は、エクストリームプログラミングについて解説してきました。

              エクストリームプログラミングを採用することで、5つの価値と19のプラクティスによって、効率よく開発を行うことが可能です。

              他のアジャイル開発手法についても知りたい方は、以下の記事もご覧ください。

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