こんにちは、DX攻略部のmukkukoです。
今回は、GA4の探索レポートの使い方についてご紹介します。
GA4のレポート機能を活用する中で、「もっと深掘りしたデータが取りたい」「そもそもレポート機能はどういう仕組みなんだろう」と思うことはありませんか?
探索機能で好きなレポートが作れることは知っていても、どのテンプレートで自分の求めるレポートが作れるのか分からず、結局標準レポートを使っている方も少なくないと思います。
また、GA4の通常レポートも使いこなせていないのに探索なんて…と思っている方こそ、実は探索レポート機能の使い方を理解した方が、通常レポートもより効率的に活用できます。
本記事で、探索レポートの仕組みとテンプレートの特徴を理解し、自社にとって最適なレポートを作ってみましょう。
GA4探索レポートとは?
GA4の探索レポートとは、GA4の機能のうち、ユーザーが独自のレポートを作成できる機能です。
本章では、GA4の探索レポートの目的や特徴、8種類のテンプレートの概要を解説します。
GA4の探索レポートの目的
GA4の探索レポートの目的は、特定のデータを深掘りして分析を行うことです。
標準レポートでは、あらかじめユーザーにとって有益なレポートが準備されており、使い方を理解していなくてもデータ分析が可能です。
しかし、標準レポートでは表現できないデータがあったり、気になる情報を深堀りするのが難しかったりといったデメリットもあります。
探索レポートを使いこなせれば、ユーザーの行動分析や比較が行えるため、単純にデータを取るだけではなく、特定のデータを深掘りして分析を行えます。
GA4の探索レポートの特徴
次に、GA4の探索レポートの特徴をご紹介します。
特徴をまとめると、以下の通りです。
- 8種類のレポートから自分が分析したい項目を選んで作成できる
- 標準レポートよりもより深く分析ができる
- 作成したレポートを共有できる
- 空白レポートで一から自分の求めるレポートを作成できる
- セグメントやディメンション、指標など基本を理解していないと難しく感じる
GA4探索レポートの8種類のテンプレート
GA4の探索レポートには、8種類のテンプレートが準備されています。
8種類のレポートテンプレートの概要をまとめると以下の通りです。
種類 | 概要 |
空白 | セグメント・ディメンション・指標が設定されていない空白のレポート |
自由形式 | デフォルトでいくつかの項目が設定されているレポート |
ファネルデータ探索 | 経路やステップを確認できるレポート |
経路データ探索 | ツリーグラフでユーザーの動きを確認できるレポート |
セグメントの重複 | 抽出したグループ同士を比較して関係性を確認できるレポート |
ユーザーエクスプローラ | ユーザーごとのデータを確認できるレポート |
コホートデータ探索 | サイトへの初回訪問日別にユーザーの持続率を確認できるレポート |
ユーザーのライフタイム | ユーザーの初回訪問後の行動評価ができるレポート |
以下の章でレポートのテンプレートについて詳しく解説します。
①[空白]テンプレートとは?
[空白]テンプレートは、変数や設定が白紙状態のレポートです。本章では、空白レポートを利用してレポートの使い方の基本を解説します。
変数
まずは、レポートの一番左の列に配置されている[変数]のセクションについて解説します。
[変数]セクションでは、レポートの構成要素を選択します。
以下で、GA4画面上に沿って上から順に詳しく解説します。
また、本章では一般的な例をもとに考えるとわかりやすいので、以下の例をポイントとして設定してみます。
一般的なデータ分析で例えると、ECサイト上で
- 4月~9月の
- 関西地域の
- 年代別の
- 帽子の売上数
のデータを作成すると考えます。
期間
期間とは、空白レポート内の[過去28日間]と記載された部分です。
まさにレポートの適用期間のことで、クリックすると以下のように適用期間を選択できます。
過去○日間、や今週、先週といった指定も可能ですが、カスタムでは自由に開始と終了を選べます。
最初に設定した—POINT—の中でいうと、[4月~9月]の部分を指します。
セグメント
[セグメント]では、特定の属性や条件でグループ分けができます。セグメントには以下の例が挙げられます。
最初に設定した—POINT—の中でいうと、[関西地域]の部分を指します。
ディメンション
[ディメンション]とは、データの切り口や分析軸とも言われますが、数値で表現できないデータを指します。ディメンションの代表例には、以下の項目があります。
最初に設定した—POINT—の中でいうと、[年代別]の部分を指します。
わかりやすく言うと、
セグメントは「関西地域」にデータを絞ること、
ディメンションは「年代別」にデータを分けること、
と考えるとわかりやすいです。
設定した例で考えると、本レポートには年代別に全年齢のデータが出力されますが、関西地区以外のデータは出力されません。
指標
指標は、グラフでいうと縦軸部分であり、数値で表せるデータを指します。
指標の代表例としては、以下の項目が挙げられます。
最初に設定した—POINT—の中でいうと、[帽子の売上数]の部分を指します。
以上のように、[変数]のセクションではレポートの構成要素の選択を行います。
設定
次に、[設定]のセクションでは、実際のレポートの見せ方を調整します。
手法の選び方によって設定の詳細は異なるため、上記の[設定]セクションでの基本的な用語をご紹介します。
手法
[手法]ではデータの見せ方を選択します。 [空白]以外の7種類の探索テンプレートから一つを選んで設定を行います。なお、空白の状態で手法を選択すると、レポートに合わせて[変数]セクションのディメンションや指標が自動で選択されます。
行
[行]では変数で言うと[ディメンション]を配置できます。自由形式でのテーブルで表現すると、以下の部分を表します。
列
[列]でも、行と同様に[ディメンション]を配置できます。自由形式のテーブルで表現すると、以下の部分を表します。
値
[値]では、変数で言うと指標を配置できます。自由形式のテーブルで表現すると、以下の部分を表します。
フィルタ
[フィルタ]では、データをフィルタリングして、データの一部を表示できます。セグメントとフィルタ…筆者もとても引っかかりました。
わかりやすく言うと、
セグメントはあらかじめデータを絞って切り取り、グループを作る、
フィルタは出来上がったデータを絞って比較できるようにする、
ということです。
以上のように、[設定]のセクションでは、実際のレポートの見せ方を調整できます。
なお[設定]セクションは、[手法]で選ぶテンプレートによって微妙に内容が異なります。
今回は[自由形式]の設定をご紹介しましたが、次の章以降で各テンプレートをご紹介しますので、ぜひご確認ください。
②[自由形式]テンプレートとは?
[自由形式]は、テンプレートの中では最も基本的で、初めて使うには使いやすいレポートです。以下で自由形式の画面の基本の使い方と、活用例をご紹介します。
[自由形式]テンプレートの画面
[自由形式]テンプレートでは、上図のように、あらかじめ変数や設定がセットされています。よく使うディメンションや数値、セグメントについても事前に[変数]にセットされているため、初心者でも自分で[設定]項目を動かしながら分析が行えます。
[自由形式]テンプレートの活用例
[自由形式]テンプレートの活用例は、具体的を挙げるとキリがないほど多いため、Excelのように使えると考えるとわかりやすいです。基本となる[テーブル]データを元に、より見やすいグラフをExcelのように自分で選択して作成できます。
[自由形式]テンプレートの[設定]には、下図のようにビジュアリゼーションの項目があります。ビジュアリゼーションは、レポート内のデータについて以下の6種類の見せ方を選択できます。
『ビジュアリゼーションの種類』
- テーブル
- ドーナツグラフ
- 折れ線グラフ
- 散布図
- 棒グラフ
- 地図
ボタンひとつで、自分が作ったレポートをよりわかりやすく表現したグラフを選択できる点では、自由形式は使いやすくおすすめです。
③[ファネルデータ探索]テンプレートとは?
[ファネルデータ探索]テンプレートでは、ユーザーの行動経路分析を行います。以下で[ファネルデータ探索]の画面の基本の使い方と、活用例をご紹介します。
[ファネルデータ探索]テンプレートの画面
[ファネルデータ探索]テンプレートでは、上図のようにステップを設定して、キーイベント(コンバージョン)に至るまでのユーザーの経緯を可視化できます。ステップについては、自分でカスタマイズを行えるため、自社のキーイベントに至る動線をしっかり把握した上で設定を行いましょう。
[ファネルデータ探索]テンプレートの活用例
[ファネルデータ探索]テンプレートは、以下のような場面で活用されます。『ファネルデータ探索テンプレートの活用例』
- ECサイト上でカートから購入までのどこでユーザー離脱が起こっているか分析できる
- 個人情報入力が必要なダウンロードコンテンツがある場合に、個人情報入力段階でどれだけの離脱があるか分析できる
- トップページから問い合わせのキーイベントに至るまで、どのページでユーザーが離脱するのか分析できる
以上のように、[ファネルデータ探索]テンプレートは、キーイベントに至るまでにユーザーがどこで離脱するのかを分析し、ページの内容を見直すのに役立ちます。
④[経路データ探索]テンプレートとは?
[経路データ探索]テンプレートでは、ユーザーの行動経路をフロー図形式で分析します。以下で[経路データ探索]の画面の基本の使い方と、活用例をご紹介します。
[経路データ探索]テンプレートの画面
[経路データ探索]テンプレートでは、イベントごとに、ユーザーの行動の分岐状態を分析できます。イベントを自分で設定できるため、遷移状況が気になるページ同士をステップでつなぎ、遷移状況を確認しましょう。
少しわかりやすく言うと、
ファネルデータ探索はキーイベントまでの経緯を分析し、
経路データ探索はユーザーのページ遷移先を分析する、
ということです。
[経路データ探索]テンプレートの活用例
[経路データ探索]テンプレートは、以下のような場面で活用されます。『経路探索テンプレートの活用例』
- できたばかりのWebページで動線を作りたい場合にユーザーの遷移先を分析できる
- 思ったようにキーイベントにアクセスがない場合にページ構成を分析できる
- 特定のページからユーザーがどう遷移しているか分析できる
以上のように、[経路データ探索]テンプレートは、ユーザーのページ遷移の状況を分析し、ページの動線を見直すのに役立ちます。
⑤[セグメントの重複]テンプレートとは?
[セグメントの重複]テンプレートでは、さまざまなセグメントの重複や関係性を確認します。以下で[セグメントの重複]の画面の基本の使い方と、活用例をご紹介します。
[セグメントの重複]テンプレートの画面
[セグメントの重複]テンプレートでは、グループ化されたセグメントの重複部分を最大3つまで重ねて確認し、施策の見直しができます。セグメントは自分でセットし直せるため、[セグメントの比較]に設定しましょう。
[セグメントの重複]テンプレートの活用例
[セグメントの重複]テンプレートは、以下のような場面で活用されます。『セグメントの重複テンプレートの活用例』
- 自社のページの顧客の年齢層を分析できる
- 新しい企画を行う際にプロモーションを行うべきターゲットを分析できる
- クロスデバイス、クロスセルの分析ができる
以上のように、[セグメントの重複]テンプレートは、特定のユーザーを絞り、重複を確認してターゲットや施策を見直すのに役立ちます。
⑥[ユーザーエクスプローラ]テンプレートとは?
[ユーザーエクスプローラ]テンプレートでは、ユーザーの個別データを確認します。以下で[ユーザーエクスプローラ]の画面の基本の使い方と、活用例をご紹介します。
[ユーザーエクスプローラ]テンプレートの画面
[ユーザーエクスプローラ]テンプレートでは、ユーザー個別の情報を確認し、コアユーザーの動向調査ができます。セグメント、ディメンション、指標があらかじめ[変数]に多くセットされています。
[ユーザーエクスプローラ]テンプレートの活用例
[ユーザーエクスプローラ]テンプレートは、以下のような場面で活用されます。ユーザーエクスプローラテンプレートの活用例』
- コアユーザーに特徴的な行動がないか分析できる
- 最新のコアユーザーの動きを分析できる
- ECサイトがある場合にはユーザーごとの購入金額を分析できる
以上のように、[ユーザーエクスプローラ]テンプレートは、個別のユーザーの動きを追うことで、今行うべき特定ユーザー向けの施策検討に役立ちます。
⑦[コホートデータ探索]テンプレートとは?
[コホートデータ探索]テンプレートでは、ユーザーのサイトへの定着数・定着率を集計します。以下で[コホートデータ探索]の画面の基本の使い方と、活用例をご紹介します。
[コホートデータ探索]テンプレートの画面
[コホートデータ探索]テンプレートでは、ユーザーが継続してサイトを閲覧しているかができます。コホート(獲得日)を起点に、粒度(毎日、毎週、毎月)などを変えながら、分析を行いましょう。
[コホートデータ探索]テンプレートの活用例
[コホートデータ探索]テンプレートは、以下のような場面で活用されます。『コホートデータ探索テンプレートの活用例』
- LPや施策でユーザーが再訪しているか分析できる
- 初回訪問からキーイベントにかかるまでの時間を分析できる
- 休眠ユーザーの掘り起こしができているかを分析できる
以上のように、[コホートデータ探索]テンプレートは、ユーザーの定着数・定着率を分析し、現在の施作が成功しているかの確認に役立ちます。
⑧[ユーザーのライフタイム]テンプレートとは?
[ユーザーのライフタイム]テンプレートでは、主にECサイトでのLTV(Life Time Value:顧客生涯価値)を分析します。つまり、顧客当たりの売上総額、と考えるとわかりやすいです。
以下で[ユーザーのライフタイム]の画面の基本の使い方と、活用例をご紹介します。
[ユーザーのライフタイム]テンプレートの画面
[ユーザーのライフタイム]テンプレートでは、行で分類した顧客ごとの売上金額を分析できます。あらかじめ[ユーザーの最初のメディア]が行に設定されていますが、行を任意の項目に変えながら分析を行いましょう。
[ユーザーのライフタイム]テンプレートの活用例
[ユーザーのライフタイム]テンプレートは、以下のような場面で活用されます。『ユーザーのライフタイムテンプレートの活用例』
- 最も利益を獲得できている参照元やメディア、キャンペーンを分析できる
- コアユーザーを獲得している有効なキャンペーンを分析できる
- 売上が高い顧客の行動パターン(滞在時間など)を分析できる
以上のように、[ユーザーのライフタイム]テンプレートは、ユーザーのLTVを分析し、より売上につながる施作分析に役立ちます。
まとめ
本記事では、探索レポートの仕組みやテンプレートごとの画面、特徴をご紹介しました。
また、[空白]テンプレートを通じてレポートの使い方を解説しました。
本記事をまとめると、以下の通りです。
- 探索レポートでは、標準のレポートよりもデータの深掘りができる
- [自由形式]テンプレートは初心者でも使いやすく、データを簡単にグラフ化できる
- [ファネルデータ探索]テンプレートでは、キーイベントに至らなかったユーザーの離脱分析ができる
- [経路データ探索]テンプレートでは、ユーザーのページ遷移の状況を分析できる
- [セグメントの重複]テンプレートではグループ化されたユーザーの重複状況を分析できる
- [ユーザーエクスプローラ]テンプレートでは個別のユーザーの動きを分析できる
- [コホートデータ探索]テンプレートでは、ユーザーの定着数・定着率を分析できる
- [ユーザーのライフタイム]テンプレートでは、ユーザーのLTV(顧客生涯価値)を分析できる
本記事で探索レポートの仕組みとテンプレートの特徴を理解し、ぜひ、自社にとって最適なレポートを作成してみましょう。
とは言え、自社の分析すべきデータがわからない、どの項目を選ぶべきかわからないといったお悩みも出てくるかもしれません。
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