こんにちは、DX攻略部のヨッシーです。
企業が取引するサプライヤー(仕入先)が抱える様々なリスクを事前に予測し、その影響を最小限に抑えるための取り組みをサプライヤーリスク管理といいます。
事業の安定性や収益性を高めるために、サプライヤーリスク管理は必須といっても過言ではありません。
本記事では、Salesforce上で稼働する「Supplier Risk MT(SRMT)」というサプライヤーリスク管理のための画期的なツールに焦点を当て、その特長や導入メリットについて詳しく解説します。
Supplier Risk MTとは?
まずは、サプライヤーリスク管理の重要性と、Supplier Risk MTとはどんな課題を解決してくれるのかについて解説します。
サプライヤーリスク管理の重要性
自然災害、政治不安、経済変動など、様々な要因がサプライヤーに影響を与え、製品の供給が滞ったり、品質が低下したりするリスクがあります。
このようなリスクは、企業の収益やブランドイメージに大きな損害を与える可能性を孕んでいます。
サプライヤーリスク管理は、これらのリスクを事前に予測し、適切な対策を講じることで、事業の安定的な運営を確保するための重要な取り組みです。
企業の抱える課題を解決
Supplier Risk MTは、上記で述べたようなサプライヤーに関する様々なリスクを可視化し、管理することで、企業が抱えるサプライチェーンのリスクを軽減するためのツールです。
具体的には、サプライヤーの財務状況や品質管理・セキュリティなど、多岐にわたるリスク要因を評価しリスクスコアを算出することで、リスクの高いサプライヤーを特定します。
また、リスク発生時の対応計画の策定や、関係部門間の情報共有を円滑化することで、迅速に対応できるようにします。
Supplier Risk MTの特徴
次に、Supplier Risk MTの特徴について解説します。
- ダッシュボード機能
- マスターデータベースとして活用可能
- クラウドベース管理
ダッシュボード機能
Supplier Risk MTは、直感的なダッシュボード機能を搭載しており、サプライヤーのリスク情報を一目で把握することができます。
例えば、財務状況・品質・セキュリティなど、リスク要因別にデータを切り分けて分析することで、問題点の特定と改善策の検討をサポートします。
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マスターデータベースとして活用可能
Supplier Risk MTは、サプライヤーに関する様々な情報を一元管理するマスターデータベースとしても機能します。
契約情報、連絡先、過去のトラブル履歴など、サプライヤーに関するあらゆる情報を一カ所に集約して関係部門間でサプライヤー情報を共有し、重複入力や情報の齟齬を防ぐことで、業務効率を向上させます。
クラウドベース管理
Supplier Risk MTは、クラウド上で稼働するという特徴があります。
場所やデバイスを選ばずに、いつでもどこからでもシステムにアクセスでき、データが自動的にバックアップされるため、データ消失のリスクを低減できます。
Supplier Risk MTの主な機能
次にSupplier Risk MTの主な機能について説明します。
- 入力・管理データ操作
- 可視化・分析
入力・管理データ操作
まず、入力・管理データ操作について説明します。
委託業務登録
委託先企業、委託業務内容、委託契約の詳細、再委託先の情報、そして委託元の担当部門をデータベースに登録し、それらの関係性を可視化することができます。
点検フォーム作成
委託先企業の業務遂行状況を正確に把握するため、各業務プロセスに特化した設問を作成し、従来のチェックシートに代わる、より詳細な点検フォームを提供します。
これにより、点検の効率化と、客観的な評価が可能になります。
委託先による入力
タブレット端末など、様々なデバイスからアクセス可能なフォームを通じて、点検結果をリアルタイムで入力・更新することができます。
点検結果登録
各委託先の立入検査結果を、項目別に詳細に登録し、データベースに蓄積することができます。
これにより、過去の検査結果との比較や、傾向分析が可能になります。
一括登録
Excelファイルなど、一般的な形式のデータファイルをインポートツールで読み込み、委託先情報やチェックシートの項目を一括してシステムに登録することができます。
データ管理
登録された全データを、キーワード検索や日付範囲指定など、様々な条件で絞り込んで検索し、一覧表示することができます。
可視化・分析
次に、可視化・分析の機能について解説します。
回答分析(全体)
複数の委託先の点検結果を総合的に分析し、品質、納期、コストなど、評価項目ごとにスコア化することで、各委託先の総合的な評価を行います。
回答分析(個社)
各委託先ごとの点検結果を、品質、納期、コストなど、複数の評価項目で可視化し、レーダーチャートで表示することで、一目で強みと弱みが把握できます。
ツリー表示
業務の重要度と情報漏えいの発生確率という2つの評価軸に基づき、リスクマトリックスを作成します。
リスクマトリックスの各セルに該当する委託先を配置し、リスクレベルに応じた色と大きさでノードを表示します。
再委託
データ間の親子関係、兄弟関係、上位・下位関係などを視覚的に表現し、データ間のつながりを明確にします。
散布図
個人情報取扱量と会社の信用度という2つの評価軸に基づき、各委託先のリスクレベルを計算し、ヒートマップ上に表示します。
ヒートマップの色はリスクレベルの高低を表し、よりリスクが高い委託先は赤色で表示されます。
レポート
期間、金額、リスクスコア、取引先、プロジェクト名など、複数の条件を自由に組み合わせ、検索条件を設定できます。
また、設定した条件に合致するレコードを一覧表示し、件数や合計金額などを表示します。
グラフ作成
折れ線グラフ、棒グラフ、円グラフなど、様々な種類のグラフを生成し、データの傾向や構成比を視覚的に表現できます。
グラフの色、タイトル、軸ラベルなどを自由にカスタマイズすることで、より効果的なグラフを作成できます。
Supplier Risk MTの導入効果
機能について分かったところで、Supplier Risk MTの導入効果を見ていきましょう。
日本生命保険相互会社の事例
日本生命保険相互会社は、事業規模が拡大するにつれて、外部委託先を管理する業務で様々な課題を抱えるようになってきました。
従来はExcelなどの表計算ソフトを使って管理や評価を行っていましたが、シートのやり取りや進捗管理が複雑になったことで担当者の負担が大きくなり、また、データを分析して活用し「攻めのリスクマネジメント」を実現したいという考えから、Supplier Risk MTを導入することにしました。
Supplier Risk MTを導入した結果、業務の負担が約3割削減されました。
特に、期限管理や連絡については効率化され、システムが自動でリマインドメールを送信できるようになったため、担当者が一々メールや電話で連絡する必要がなくなりました。
さらに、Supplier Risk MTは、外部委託先に関するセキュリティリスクを一元的に管理し、可視化し、関係者間で情報を共有するための機能も備えています。
これにより、日本生命は、外部委託先管理業務を効率化し、リスク管理のレベルを向上させることができました。
Supplier Risk MTの導入手順
Supplier Risk MTの導入手順については、現時点ではウェブサイト上に詳細な情報が掲載されていません。
事業規模や抱える課題に最適な導入方法を提案してもらうためには、個別に相談すること最も効率的です。
導入に関するご質問や、より詳細な情報をご希望の際は、下記のフォームより問い合わせをすることをおすすめします。
お問い合わせフォーム:https://www.grcs.co.jp/contact-us-products-grc
まとめ
今回はSupplier Risk MTの機能やメリット、導入効果などを解説しました。
Supplier Risk MTの導入により、企業はサプライチェーン全体のリスクを効果的に管理することができます。
データに基づいた意思決定が促進され、戦略的なリスク管理が実現づるだけでなく、サプライヤーとの信頼関係の強化や、コンプライアンスの確保にも寄与し企業の競争力を高めることができます。
こうした多くのメリットを享受するために、ぜひSupplier Risk MTの導入を検討してみてはいかがでしょうか。