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はじめてのSnowflakeトレーニング・ハンズオン―公式Quickstartsで基礎から実践まで

こんにちは、DX攻略部のkanoです。

「Snowflakeを導入するか悩んでいる」、「実際の操作画面を触りながら使いこなせるか試したい」、「Snowflakeを導入したけど基本や応用を学びたい」

Snowflakeの導入を検討している方や、導入してから上記のような悩みを持つ方が多いかもしれません。

そういった悩みを抱えている方は、Snowflakeが公式でリリースしている「Snowflake Quickstarts」を活用してみましょう。

Snowflake Quickstartsは、Snowflakeが公開している公式チュートリアル集となっており、Snowflakeの使い方にフォーカスしたハンズオンガイドです。

本記事では、どの教材を選ぶか、ページのどこを見れば迷わないか、どう実行して成果物を残すかを、初心者にもわかりやすいように整理しました。

Snowflakeを使えるようになりたい、使いこなせるか事前に試したいという方は、本記事を参考にSnowflake Quickstartsを触ってみましょう!

目次

Snowflake Quickstartsの事前準備

Snowflakeのトレーニングに使えるQuickstartsを利用する前の事前準備をしていきましょう。

Quickstartsは無料で利用できるので、Snowflakeを使いこなせるか心配な方は導入前にQuickstartsを触ってみましょう。

アカウント作成と無料トライアルのポイント

Snowflakeの30日間無料トライアルに登録すると、公式Quickstartsをそのまま体験できるので、最初はアカウントを作成しましょう

トレーニング画面

サインアップ後に届く招待メールから初回ログインを済ませ、地域(リージョン)とクラウド(AWS、Azure、GCP)を選択しておきましょう。

Quickstartsの多くはSnowsight(Web UI)で進めるため、最初にログインできることが重要です。

公式ハブには「Start For Free(無料トライアル)」への導線もあるので、初めてSnowflakeを触る人でもトレーニングページに進みやすくなっています。

Snowflake Quickstartsの日本語化

Snowflake Quickstartsは通常、英語で表示されています。

英語のままで問題ない方はそのままで学習を進めましょう。

もし、英語で学ぶことが難しい場合は、Snowflake Quickstartsの表示を日本語に変更しましょう。

Snowflake Quickstartsを日本語表示にするためには、画面に表示されている「Choose a language」をクリックしましょう。

Snowflake Quickstartsの画面2

クリックするといくつかの言語が表示されるので、その中から「Japanese」をクリックしてください。

Snowflake Quickstartsの画面3

日本語を選択することで、上記の画像のようにSnowflake Quickstartsの表示が英語から日本語に変更されます。

これは、項目が日本語になるだけでなく、講座の説明も日本語になるので、英語のときと比べて学習ハードルが一気に下るでしょう。

Snowflake Quickstartsの画面4

日本語表示に変更したら、どういった学習内容が用意されているかチェックしてみてください。

ロールと権限の確認(RBACの基本)

RBAC(Role Based Access Control)は、ユーザーに役割(ロール)を割り当て、そのロールに権限を付与する考え方です。

ハンズオンでは管理者ロールで始めたくなりますが、学習用に最小権限のロールを作成し、必要なオブジェクト(ウェアハウス、データベース、スキーマ)だけに権限を与えると安全です。

例えば学習用に専用ロールと専用スキーマを作る、実務環境と混在させない、といった運用が有効です。

推奨ブラウザとネットワーク要件

Snowsightは最新のモダンブラウザで快適に動作します。

会社のプロキシやファイアウォール配下の場合は、管理者に依頼してSnowflake関連ドメインへの通信を許可してもらいましょう。

長時間利用しないときは自動サスペンドを活用し、余計な課金を抑えることも重要です。

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Quickstartsの選び方

Snowflake Quickstartsには、さまざまなトレーニング項目が用意されています。

トレーニング項目のジャンルについてまとめたので、参考にしてみてください。

目的別の選定(データ取り込み・分析・Snowparkなど)

Quickstartsハブでは、データ取り込み、データ可視化、Snowpark(Pythonなど)、アプリ開発、ガバナンスなどのカテゴリでチュートリアルを探せます

自分の目的に合うカテゴリを基準に選ぶと迷いません。

基本的なことを学んでから応用を勉強してもいいですし、すでにSnowflakeを使っている方は応用的な使い方を学びましょう。

レベル別の目安(初級・中級・上級)

各カードには難易度や対象者が明記されていることが多く、入門(Getting Started)、中級(具体的なユースケース)、上級(AIやネイティブアプリなど)にざっくり分かれます

まずは入門系から始め、必要に応じてSnowparkやDevOps系に進むのがおすすめです。

所要時間と学習順の決め方

カードには所要時間(Duration)と最終更新日(Updated)が表示されます。

所要時間が短いものを2〜3本並べれば、半日研修の骨子がすぐ作れます。

更新日の新しい教材を優先すると、画面差異や機能名称のズレが起きにくくなります。

Snowflakeをどういった目的で学ぶのかを決めて、これらの項目を選択しましょう。

Quickstartsページの見方

Snowflake Quickstartsの学習ページの見方を解説します。

初心者でも学びやすいように構成されているので、1つずつ学びを進めていきましょう。

セクション構成の読み解き方(Overview・Prerequisites・Steps)

各ガイドは「Overview(概要)、」「Prerequisites(前提条件)」、「What You’ll Learn / Build(学べること/作るもの)」、「Steps(手順)」の構成が基本です。

初めにOverviewでゴールを把握し、Prerequisitesで必要な環境や知識を満たしているかを確認しましょう。

学習する内容がまとめられているので、自分の目的に合わせたものになっているかチェックして進めます。

手順カードの扱い方(順序・チェックポイント)

Stepsは番号付きで順番に進める設計です。

各ステップの最後に想定結果やスクリーンショットがあり、正しく進められているか確認できます。

ちなみに、英語ガイドでも構成は共通なので、画面ラベルと手順を対比しながら進めると迷いません。

コードブロックのコピーと実行の注意点

コードはそのままコピーできるよう整形されていますが、スキーマ名やロール名などは自分の環境に合わせて差し替えてから実行します。

PythonやCLIのガイドでは「What You’ll Need」に必要ライブラリや前提ツールが列挙されるので、先に揃えておくとつまずきません。

実行環境のセットアップ(Quickstarts準拠)

ハンズオンを進めるためには、実行環境のセットアップが必要になってきます。

できるだけコストがかかりにくいセットアップについて解説します。

仮想ウェアハウスの作成(オートサスペンドとサイズ)

仮想ウェアハウスは計算リソースで、学習用は小さなサイズ(XSMALLなど)で十分です。

自動再開(AUTO_RESUME)と自動サスペンド(AUTO_SUSPEND)を有効にすると、使っていない時間は課金されません。

CREATE WAREHOUSE HOL_WH
WITH WAREHOUSE_SIZE = ‘XSMALL’
AUTO_SUSPEND = 60
AUTO_RESUME = TRUE;

上記のコードでは、XSMALLで開始するように設定していることが確認できると思います。

また、未使用60秒で自動停止するようにしました。

データベースとスキーマの準備(オブジェクトの置き場)

学習用にデータベースとスキーマを切っておくと、作業物が散らからず管理しやすくなります。

CREATE DATABASE HOL_DB;
CREATE SCHEMA HOL_DB.HOL_SCHEMA;
USE ROLE HOL_ROLE;
USE WAREHOUSE HOL_WH;
USE DATABASE HOL_DB;
USE SCHEMA HOL_DB.HOL_SCHEMA;

学習用のデータベースとスキーマを最初に作り、以降の作業で参照する対象を明示するようにしました。

権限付与の最小構成(安全に動かすための設計)

学習専用ロールを作成し、対象オブジェクトに必要最小限の権限だけ与えます。

CREATE ROLE HOL_ROLE;
GRANT USAGE ON WAREHOUSE HOL_WH TO ROLE HOL_ROLE;
GRANT USAGE ON DATABASE HOL_DB TO ROLE HOL_ROLE;
GRANT USAGE, CREATE TABLE, CREATE VIEW ON SCHEMA HOL_DB.HOL_SCHEMA TO ROLE HOL_ROLE;
GRANT ROLE HOL_ROLE TO USER <あなたのユーザー名>;

権限は「ロール」に付与し、そのロールを「ユーザー」に割り当てるのがSnowflakeの基本です。

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ハンズオンの進め方(Stepsの回し方)

Snowflake Quickstartsを使ったハンズオンの進め方についてまとめました。

社内研修などでSnowflake Quickstartsを活用したい場合の参考にしてみてください。

Snowsightでの実行手順(ワークシートとコンソールの基本)

SnowsightのワークシートでSQLを実行し、結果グリッドで行数やサンプル値を確認します。

実行履歴(Query History)では、過去のクエリ、所要時間、スキャン量などのアクティビティを追えます

パフォーマンスの目安や失敗原因の手掛かりとして重宝します。

進捗管理のコツ(チェックリストとブックマーク)

Stepsの見出しごとにブックマークしておくと、途中で中断しても再開が簡単です。

社内研修では「ここまでできたらOK」という到達基準をステップ単位で決めると、受講者の自己確認がスムーズになります。

ハブのカードにある「Duration」を目安に時間配分も決めておきましょう。

成果物の保存方法(ビュー・テーブル・ノート)

成果物はテーブル、ビュー、マテビュー(高速化する仕組み)などに残します。

解説メモはワークシート名やコメントを活用し、後から見返せる形にしておくと復習が楽になります。

よく使うQuickstartsの使い分け

Snowflake Quickstartsに用意されている項目の中でどれを学んだらいいか迷うかもしれません。

その際にどれを選べばいいかの参考情報を紹介します。

※日本語版の項目名で表記しています。

Getting Started系(最短で体験する)

まずは「Snowflake入門―ゼロからはじめるSnowflake」がおすすめです。

ゼロからはじめるSnowflakeの画面

Snowsightの基本操作からテーブル作成、半構造化データの扱い、ロールや共有までを短時間で一周できます。

日本語化されており、社内研修の導入にも使いやすい構成です。

Load Data系(COPY INTO・ステージの基礎)

データ取り込みの流れを日本語で確認したい場合は、上記「Snowflake入門」の「データのロード」セクションが実践的です。

データロードの画面

ステージ(一時置き場)の考え方やCOPYコマンドの実行、実行結果の見方まで手順付きで解説されています。

Snowpark系(Pythonからの実行とUDFの入口)

Pythonでの前処理や分析を体験するなら「Snowflake PythonワークシートによるSnowpark入門」が最短ルートです。

Snowflake PythonワークシートによるSnowpark入門の画面

DataFrameでの探索、結合やピボット、結果のテーブル保存、ストアドプロシージャ化まで一連で学べます。

もう一歩踏み込む場合は「Snowpark Pythonによるデータエンジニアリングパイプライン」でマーケットプレイス連携を含む実践的な流れを掴めます。

このようにSnowflake Quickstartsでは、さまざまなトレーニング項目が用意されているため、初心者だけでなく中級者以上も学びが多いツールといえるでしょう。

検証とトラブルシュート

Snowflake Quickstartsを使ったトレーニングやハンズオンを進めていく中で、いくつかの検証を行っていきましょう。

また、トレーニングやハンズオンで起きやすいトラブルに対する対処法についても紹介します。

期待結果の確認ポイント(行数・統計・実行履歴)

各ステップの想定結果に合っているか、結果グリッドの行数や簡単な集計で確認しましょう。

遅い場合はQuery Historyで実行時間やスキャン量を確認し、不要な大テーブルスキャンがないかをチェックします。

典型エラーの対処(権限・パス・ファイルフォーマット)

Snowflakeのロード時の典型エラーは、権限不足、ファイルパスの間違い、ファイルフォーマット定義のミスマッチです。

エラーメッセージをよく読み、ステージの参照先やCOPY INTOのオプションを見直しましょう。

ログとQuery Historyの読み方(原因切り分けの基本)

失敗したクエリの履歴は、開始時刻、所要時間、エラー内容、ジョブIDなどの手掛かりになります。

再実行前に該当クエリを開き、どのテーブルやステージを参照しているかを特定してから直すと、無駄打ちを減らせます。

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チーム研修での活用

社内のチーム研修として、Snowflake Quickstartsを活用してみましょう。

その際の活用法について紹介します。

カリキュラム化の手順(Quickstartsの並べ方)

Snowflake Quickstartsの中から、所要時間の短い入門カードを2〜3本、その後に目的別カード(ロード、Snowparkなど)を1本という順番で並べると、半日〜1日の社内研修が組みやすいです。

カリキュラムの並び替え

教材のA–ZやRecentで絞って最新の内容を採用しましょう。

役割別アレンジ(管理者・実務者)

Snowflakeを社内で運用していくことを考えると、担当者に役割を与えることが必要となってきます。

そのことを考えた上で、Snowflake Quickstartsのトレーニング項目から、管理者は権限設計や共有の章を、実務者はSQLやロードの章を厚めに割り当てると効果的です。

同じデータセットを使えば、ペアワークでレビューもしやすくなります。

事前配布物とタイムテーブル作成のコツ

トレーニングやハンズオンを円滑に進めるために、事前配布物を用意しておきましょう。

受講者には事前にアカウント作成手順、当日のウェアハウス名・スキーマ名の命名規則、想定タイムテーブルを配布しましょう。

講師はVirtual Hands-on Labs(インストラクター主導の無償ハンズオン)も参考に、時間配分や説明スライドの粒度を合わせると安定します。

コストとガードレール

トレーニングやハンズオンで繰り返し学習する際は、通常の運用と一部条件が異なってきます。

その中から、コストとガードレールについて確認しておきましょう。

ウェアハウスサイズと自動スケールの運用

学習用は小さめのウェアハウスで開始し、必要に応じて一時的にサイズを上げる運用が無難です。

自動サスペンドを短め(例60秒)に設定しておくと、離席時の無駄な課金を抑えられます。

クエリキャッシュの理解(速く安くの基本)

同じクエリを繰り返すときは、キャッシュにより高速化されることがあります。

検証時は意図せぬキャッシュ命中で誤解しないよう、テーブル更新直後に再実行して挙動を比べる癖をつけましょう

予算超過を防ぐ設定と運用メモ

研修では学習専用ロールと専用ウェアハウスを用意し、クレジット消費を分離します。

終了後はウェアハウスを一時停止、不要オブジェクトを削除、共有設定の見直しまでをルーチン化しましょう。

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まとめ

Snowflake Quickstartsは、目的別・所要時間別に整った「迷わない」公式教材です。

まずは「Snowflake入門―ゼロからはじめるSnowflake」でUIの基本からデータロード・共有までを通しで体験し(目安90分)、全体像をつかみましょう。

各ガイドは日本語で前提条件と手順が整理されているので、安心してスタートできます。

Snowflakeを使ってみたいけど、使いこなせるか不安な方、応用法をハンズオンで学びたい方はSnowflake Quickstartsを活用しましょう。

DX攻略部では、Snowflake×Streamlitを活用した統合BI基盤構築支援サービスを行っていますので、Snowflake導入を検討している企業様はぜひDX攻略部にご相談ください!

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