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Snowflakeの料金体系の全体像|ストレージ費用とコンピュート費用が一目でわかる

こんにちは、DX攻略部のkanoです。

本記事ではSnowflakeの料金体系を初心者にもわかりやすく解説します。

費用は大きく「ストレージ」「コンピュート(計算)」「データ転送」の3要素で構成され、特にコンピュートはクレジットという単位で課金されます。

まず全体像をつかみ、次に各要素の仕組みと、無駄を減らす運用のコツをチェックしましょう。

記事の内容を確認して、Snowflakeを自社に活用してみたいと考えた方は、下記のボタンをクリックしてぜひDX攻略部にご相談ください!

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料金体系の全体像

まず「何に、どれだけお金がかかるのか」を把握しましょう。

全体像を先に理解しておくと、自社のワークロードでどこにコストが乗りやすいか、どこから手を打つべきかが見えてきます。

料金を構成する3要素

Snowflakeの総コストは以下の3つの要素で決まります。

  1. コンピュート(仮想ウェアハウスやサーバーレス機能の実行に伴うクレジット消費)
  2. ストレージ(保存しているデータ容量に応じた月額)
  3. データ転送(主にリージョンをまたぐ出送信時の通信料)の合計

どのワークロードに重きを置くかで支出の配分が変わります。

分析中心ならコンピュートが、長期保管重視ならストレージが相対的に効いてきます。

課金の単位と請求の流れ

コンピュート系の課金は「クレジット×単価」で計算され、クレジットはウェアハウスのサイズや実行時間、サーバーレス機能の処理量に応じて消費されます。

請求は月次が基本で、利用実績(実行時間や処理データ量)と保存容量の平均値がベースになります。

契約形態(オンデマンド課金か、事前購入の容量契約)によって単価やディスカウントの有無が異なる点も押さえましょう。

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ストレージ費用

ストレージは「ため続けるほど増える」性質のコストです。

量と期間、そして履歴保持の設定がそのまま金額に反映されます。

まずは何が課金対象になるかを正しく理解しましょう。

データベースストレージの考え方

ストレージ費用は、テーブルの本体データだけでなく、履歴(Time Travel)や復旧用の領域(Fail-safe)、ステージに置いたファイル、クローンで生じる差分なども含めた「圧縮後の実利用量」の月平均で決まります。

保存するデータ形式や圧縮率、削除・整理の頻度がコストに直結します。

筆者
この部分をしっかりと理解しておくことが重要です。

Time TravelとFail-safeの影響

Time Travelは過去時点の状態に戻せる便利な機能ですが、その分履歴を保持するため追加の容量が必要です。

保持期間を長くするほど履歴データが積み上がるため、復旧要件に合わせて必要最小限に設定しましょう。

Fail-safeも復旧安全網として一定期間分を保持するため、不要なデータをこまめに削除してベース容量を抑えておくことが重要です。

ステージと外部テーブルの保管

ロード用にステージへアップロードしたファイルは保管中も容量として計上されます。

ロード完了後は自動削除ポリシーやライフサイクル管理で速やかに整理しましょう。

外部テーブル(クラウドストレージ上のファイルを参照)はSnowflake側のメタデータ中心の課金となり、ファイル本体の保管料はクラウド側の課金に従います。

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コンピュート費用(ウェアハウス)

コンピュートは「使う時だけ支払う」が基本です。

だからこそ使い方の設計次第でコストの上下が大きく変わります。

サイズ、稼働時間、同時実行の3点で最適化につながるポイントを確認していきましょう。

ウェアハウスのサイズとスケール

ウェアハウス(仮想計算クラスター)はXSなどの小サイズから段階的に大きくでき、サイズを上げるほど処理能力とクレジット消費が増えます。

ウェアハウスサイズの考え方

ポイントは「大きくすれば常に速い」ではなく「クエリの性質や同時実行数に合ったサイズが最も効率的」だということです。

定常処理と繁忙期の差が大きい場合は、スケールアップ・ダウンを前提としたスケジュール運用が有効です。

オートサスペンドと秒課金

ウェアハウスは使っていない時は一時停止(サスペンド)し、必要になったら自動再開(オートリジューム)するのが基本です。

課金は秒単位で、起動時には最小課金が発生します。

あまりに短い間隔で頻繁に再開・停止を繰り返すと、最小課金が積み上がり非効率になるため、実運用のバッチ間隔や利用パターンに合わせてオートサスペンドのタイミングを調整します。

マルチクラスタと同時実行

同時実行が増えるピーク時間帯は「マルチクラスタウェアハウス」で需要に応じて自動的にクラスタ数を増減させ、待ち行列を抑えつつアイドル時の無駄な大型稼働を避けられます

上限クラスタ数やスケールポリシーを適切に設計することで、応答速度とコストのバランスを取りやすくなります。

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サーバーレス機能の費用

サーバーレスは「バックグラウンドで自動的に動く処理」の代行役です。

便利な半面、気づかないうちにクレジットが消費されることもあるため、何が課金対象なのかを知っておくことが重要です。

サーバーレス機能によって発生する費用について確認しておきましょう。

SnowpipeとSnowpipe Streaming

バッチ取り込みのSnowpipeは、取り込んだデータ量や処理に対してサーバーレスでクレジットが消費されるモデルです。

低レイテンシ取り込みのSnowpipe Streamingは行単位での投入に適しており、イベントドリブンなユースケースでコストと遅延のバランスを取りやすくなります。

マテリアライズドビューと自動メンテナンス

マテリアライズドビュー(事前計算済みのビュー)はクエリを高速化しますが、基表の更新に応じて自動メンテナンスが走りサーバーレスのクレジットを消費します。

更新頻度の高いテーブルに無差別に適用すると割高になりがちです。

対象を「重い集計を繰り返す列」「高頻度で参照されるダッシュボード」などに絞りましょう。

Search Optimization Service

多様なフィルタ条件やポイントルックアップが多いテーブルでは、Search Optimizationを有効化すると探索範囲を絞れて応答時間が改善します。

一方でインデックス的なデータ構造の構築・維持にクレジットを要するため、効果が明確なテーブル(高選択性のフィルタが多い等)に限定するのがコツです。

SnowparkとContainer Services

Snowpark(データ近接のアプリケーション実行)やContainer Services(コンテナ実行基盤)は、コンピューティングプールのサイズや起動時間、ジョブの同時実行に応じてクレジットを消費します。

常駐ジョブは最小ノード数の設定がボトムコストを決めるため、夜間・休日の縮退やジョブ統合でアイドル時間を減らします

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エディションと価格の違い

同じSnowflakeでも、選ぶエディションで「使える機能」と「単価」が変わります。

必要なSLAとセキュリティ要件に合わせ、過不足なく選定することがコスト最適化の近道です。

StandardとEnterpriseとBusiness Critical

エディションによって利用できる機能やセキュリティ・可用性のレベルが変わります。

EnterpriseではTime Travelの拡張など運用性が向上し、Business Criticalではデータ保護やコンプライアンスの要件に対応した高度な機能が提供されます。

必要なSLAや規制要件に照らし、過不足のないエディションを選定しましょう。

筆者
エディションの違いに関してもしっかり確認しておきましょう。

リージョンとクラウドに伴う単価差

同じエディションでもクラウド(AWS/Azure/Google Cloud)やリージョンにより単価は異なります。

データの所在地要件、ユーザーの居住地、他システムの配置を踏まえてリージョン間データ転送の発生を最小化できる配置を選ぶと、単価差と転送料の双方で有利になります。

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データ転送費用

データを「どこへ流すか」によっては、思わぬコストが乗ります。

特にクロスリージョンやクロスクラウドの設計は、要件とコストのトレードオフを丁寧に検討しましょう。

エグレスとクロスリージョン

同一リージョン内のアクセスは多くの場合コストがかかりませんが、リージョンやクラウドをまたぐエグレス(外向き通信)には転送料が発生します。

レプリケーションや災害対策、グローバル配信の要件がある場合は、頻度・対象データ量・タイミングを設計して無駄な同期を避けましょう。

アカウント間共有とレプリケーション

Snowflakeのデータ共有はコピー不要で便利ですが、クロスリージョンや複数アカウント間でのレプリケーションやフェールオーバー/フェールバックを利用する場合は注意してください。

上記のような場合は、転送料とサーバーレスの計算コスト、複製先のストレージ費用が発生することを覚えておきましょう。

共有先がどの程度の粒度で最新性を求めるのかを合意し、同期頻度を最適化することが求められます。

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コストの可視化と割り当て

ツールを導入する際は、コストの可視化が必須です。

まずは見える化し、次に部門や案件へ正しく割り当てできる仕組みを整えましょう。

リソースモニターと予算アラート

リソースモニターと予算アラートの設定を行いましょう。

部門やプロジェクト単位でリソースモニターを用意し、クレジットのしきい値に達したら通知や自動停止を行うと、予期せぬ使い過ぎを未然に防げます。

リソースモニターと予算アラート

月初・月中・月末のチェックポイントを定例化して、計画値との差分を早期に発見しましょう。

タグ設計と部門配賦

ウェアハウス、データベース、スキーマ、ユーザー、ジョブなどにタグを付けておくと、コストの帰属が明確になり、社内割り当てやKPI管理が容易になります。

タグの粒度は「部門」「案件」「環境(本番/検証)」「用途(ETL/BI/実験)」など、将来の集計軸から逆算して設計します。

クエリ別・ユーザー別の見える化

SnowsightのダッシュボードやUSAGE系ビューを使えば、時間帯・ウェアハウス・ユーザー・サービス種別ごとの消費を把握できます。

定型の月次レポートに加え、急増検知のための日次・週次の軽量レポートも用意すると、異常なジョブや誤設定を素早く突き止められます。

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Snowflakeの料金を最適化するためのポイント

Snowflakeは運用での工夫がコストを数十%単位で左右します。

Snowflakeのコストを抑えるためにすぐに効く設定と、中期的に効く設計の両輪の取り組みをスタートしましょう。

倉庫運用の基本設定

Snowflakeはオートサスペンドは短め、オートリジュームは有効化し、夜間や休日は計画停止を徹底することが重要です。

定期ジョブは実測に基づき最小で回し、必要な時だけスケールアップするというのがポイントになります。

ピークはマルチクラスタで吸収し、上限を設定してコストが膨れ上がらないようにしましょう。

サーバーレス機能の使い分け

取り込みはSnowpipe(バッチ)とSnowpipe Streaming(低レイテンシ)を要件で使い分けます。

マテリアライズドビューは参照頻度が高い重い集計に限定し、Search Optimizationは高選択性フィルタが多いテーブルに限定しましょう。

Snowpark/Container Servicesは最小ノード数とスケジューリングでアイドル時間を削減するとコスト削減につながります。

ストレージのライフサイクル設計

ステージのファイルは自動削除、短命データは一時・仮テーブルで管理し、不要になったらすぐにドロップするのがおすすめです。

Time Travelは要件に合わせて保持期間を設定し、古い履歴や不要なクローンは計画的に整理するようにしてください。

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まとめ

Snowflakeの料金体系について紹介しました。

Snowflakeは「何をどれだけ保存し」「いつどれだけ計算し」「どこへどれだけ流すか」で決まります。

つまり、Snowflakeの料金は「コンピュート=クレジット×単価」「ストレージ=圧縮後の月平均容量」「データ転送=クロスリージョン等のエグレス」の合計で決まるわけです。

まずは需要に合わせてウェアハウスを賢く起動・停止し、サーバーレス機能は効果が明確な対象に限定することを心がけましょう。

また、ステージや履歴の整理でストレージをスリム化し、リソースモニターとタグで消費を可視化・割り振りも重要です。

これらを継続的に回すことで、Snowflakeの性能とコストの両立が実現できますので、定期的なチェックや現状の見直しを進めていきましょう。

そして、DX攻略部では、Snowflake×Streamlitを活用した統合BI基盤構築支援サービスを行っていますので、Snowflake導入を検討している企業様はぜひDX攻略部にご相談ください!

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