こんにちは、DX攻略部のもち吉です。
今回は、Salesforce社が提供する顧客管理・営業支援システム(CRM/SFA)「Sales Cloud」の中で、セールス向けAI機能について解説していきます
営業活動で日々直面するのは、効率化と成果の向上です。
顧客のニーズを理解し、適切なタイミングでのアプローチが求められますが、それには多くの時間と労力がかかります。
Sales Cloudのセールス向けAI機能は、そうした営業の課題を解決する強力なツールです。
AIがリードの評価やパーソナライズメールを自動で処理し、効率的な営業活動をサポートします。
本記事では、Sales Cloudのセールス向けAI機能の具体的な利点や最新動向を解説し、どのようにビジネス成長を加速させるかを紹介します。
この記事を読んでいただきたい方(セールス向けAI機能のメリット)
- 営業活動の質を高め、成約率を向上させたい
- セールスデータを最大限に活用したい
- 最新のAI技術で競争力を高めたい
Salesforce導入/運用支援を行うDX攻略部では、企業それぞれの営業活動に応じたSales Cloudのセールス向けAI機能の活用方法をご提案します。
AI機能を活用して効果的な営業活用を実現したい方は、下記のサイトから気軽にお問い合わせください。
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Salesforce Sales Cloudのセールス向けAI機能とは?
この章では、セールス向けAI機能の概要について紹介します。
Salesforce Sales Cloudとセールス向けAI機能の概要
Salesforce Sales Cloudは、企業の営業活動を効率化するために設計されたクラウド型CRM(顧客関係管理)プラットフォームです。
セールス向けAI機能「Einstein(アインシュタイン) AI」は、このSales Cloudの一部として提供されており、営業プロセスの各段階でAIがサポートします。
Sales Cloudについては、以下の記事をご覧ください。
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Sales Cloudのセールス向けAI機能は、営業担当者の業務効率を向上させるために設計されたツールです。
例えば、生成AIを活用することで、見込み客へのメールの作成や、商談中の会話の改善が可能です。
営業担当者は、AIを通じて過去のデータや顧客情報を分析し、最適なアプローチを見つけることができ、手間のかかるリサーチやメール作成に費やす時間を削減できます。
さらにAI機能で商談等の会話内容をリアルタイムで分析し、見込み客の反応をもとに効果的な提案を促すコーチングが受けられます。
また、AIはデータ分析にも対応し、最優先の案件を見極めることで営業担当者がより短時間で高品質な結果を出せるように支援します。
このように、Sales Cloudのセールス向けAI機能は、営業の成果を最大化するための強力なサポートツールです。
セールス向けAI機能の活用による営業効果
Sales Cloudのセールス向けAI機能は、3つのAIが具体的な課題に対応し、営業チームの成果を大きく向上させます。
- 予測AI
- 生成AI
- 自律型AI
予測AIは、見込み客の行動を分析し、アプローチすべき優先順位を自動で決定します。
生成AIは、顧客へのメールや販売資料を自動生成することで、コミュニケーションを最適化します。
自律型AIは、複雑なタスクを処理し、通話内容の要約やミーティング設定などを自動で行います。
これら3つのAIにより、営業のプロセスが効率化され、顧客との関係構築や売上向上に直結します。
AI機能の動画解説や、無料トライアルを活用しながら、効果や操作性等のイメージを捉えることができます。
Sales Cloudのセールス向けAI機能の利点と導入効果
この章では、セールス向けAI機能の利点と、営業力強化や生産性の向上など具体的な導入効果についてポイントを解説します。
リードの評価の自動化と優先付け
Sales Cloudのセールス向けAI機能は、リードの評価を自動化し、優先順位付けを効率化します。
これにより、営業担当者が最も価値のあるリードに集中でき、成約率を向上させることが可能です。
従来、営業担当者は勤務時間の72%を営業以外のタスクに費やしていました。
AIを活用したチャットツールであるバイヤーアシスタントが、この課題を解決します。
Webサイト上で、AIがリアルタイムに潜在顧客とやり取りし、製品への関心度や顧客プロファイルを把握します。
設定された基準に基づきAIが自動的にリードを評価し、有望な見込み客を特定します。
さらに、AIはCRMデータと照合し、リードに関連する情報を収集します。
チャットの内容、リードの詳細、関連CRMデータなどを営業担当者に提供することで、商談準備を効率化します。
AIはリードとの初期コンタクトも自動化し、営業担当者との連絡調整まで行います。
またAIは過去のCRMデータを分析し、成功・失敗案件の共通点を特定し、各リードの成約可能性を予測し、1から99のスコアでランク付けします。
このAIモデルは、営業担当者と顧客とのやり取りデータを常に反映し、リアルタイムで更新されます。
営業担当者は、このスコアを基に案件の優先順位を決定し、効率的にアプローチできます。
さらに、各スコアの要因分析機能により、特定の案件が有望である理由を詳細に把握できます。
これにより、営業担当者は限られた時間とリソースを最も成約可能性の高いリードに集中投下でき、売上向上に直結します。
パーソナライズメールによる効果的アプローチ
AI機能は、パーソナライズされた営業メールを作成し、営業担当者の業務効率を大幅に向上させます。
Einsteinは、CRMに蓄積された顧客データを活用し、個々の顧客に合わせた最適なメールを数秒で生成します。
営業担当者は簡単なプロンプトを入力するだけで、過去のやり取りや最新の製品情報を反映した、説得力のあるメールを作成できます。
さらに、AIは営業担当者の指示に応じて、メールの長さや調子を柔軟に調整します。
これにより、常に顧客の興味を引くタイムリーなコンテンツ提供が可能になります。
この機能により、営業担当者はメール作成に費やす時間を大幅に削減し、より多くの時間を核心的な営業活動に充てることができます。
会議や通話データの有効活用
Sales CloudのAI機能は、営業活動における会議準備と通話データの活用を革新します。
会議準備では、Einsteinが顧客情報を瞬時に要約し、重要ポイントを抽出します。
営業担当者は簡単な質問を投げかけるだけで、過去の活動履歴や注意すべきリスク、次のステップなどの重要情報を即座に入手できます。
通話データの活用では、Einstein会話インサイト(ECI)が通話内容を自動で文字起こしし、構造化。顧客の感情や主要トピック、次のアクションを要約します。
Einstein会話インサイト機能については、以下の記事をご覧ください。
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これにより、営業担当者は通話中に顧客に集中でき、後で必要な情報を簡単に検索・活用できます。
例えば、過去の通話内容を思い出せない場合でも、AIに質問するだけで関連情報を即座に取得可能となり、顧客対応の質が向上し、商談の成功率が高まります。
このAI機能は、営業プロセス全体を効率化し、顧客との関係構築を強化する強力なツールとなっています。
CRMデータの自動更新とアクションプラン提案
セールス向けAIは営業担当者と顧客とのあらゆるやり取り(電話、メール、メッセージなど)から必要なデータを自動的に収集し、CRMを更新します。これにより、営業担当者の手動入力の負担が大幅に軽減されます。
さらに、AIはデータを分析し、リスクの高い案件にフラグを立てるなど、商談の見極めも行います。
例えば、営業担当者がOutlookで顧客とやり取りを始めると、EinsteinがSales Cloud内に新たな商談レコードを作成し、メールのやり取りや通話内容を自動的に要約して記録します。
営業担当者はこの情報を基に、顧客のニーズに合わせたカスタマイズされたデモを準備できます。
また生成AIが商談を成約に導くための具体的なステップをアクションプランとして提案します。
AIは内部データと外部データを常に分析し、見込み客の動向や自社の戦略変更にリアルタイムで対応します。
これにより、営業担当者と見込み客の双方に最適化されたパーソナライズされた推奨アクションが提供されます。
例えば、停滞している案件に対して、AIが競合分析を行い、価格競争に勝つための具体的な戦略(製品の一括購入による割引提案など)を提案します。
これらのAI機能により、営業チームはデータ入力や戦略立案にかける時間を削減し、より多くの時間を実際の営業活動に充てることができ、効率化と成約率の向上が期待できます。
Sales Cloudのセールス向けAI機能の導入と成功の秘訣
この章では、セールス向けAI機能の導入のステップ、導入成功の事例を紹介します。
AI機能の導入ステップ
AI機能を効果的に導入するには、以下の4ステップが重要です。
- AIが認識できるようにすべてのデータを統合
- AIツールをCRMに埋め込み
- 顧客データの保護
- 倫理的なAIの使用を徹底
STEP1:AIが認識できるようにすべてのデータを統合
データ統合について、AIの性能を最大限に引き出すために、社内外の顧客データを統合し標準化します。
これにより、AIは営業担当者と同じ包括的な顧客情報にアクセスできるようになります。
異なるデータソースを連携させ、高品質な統合データを作成することが重要です。
STEP2:AIツールをCRMに埋め込み
データ統合後には、AIツールをCRMシステムに組み込みます。
これによりデータ管理とAI機能が一元化され、AI機能で処理できるようになり営業担当者の業務効率が向上します。
同時に、システム維持コストの削減にもつながります。
STEP3:データセキュリティの確保
顧客データの保護は最優先事項です。
業界標準のセキュリティ対策を実施し、プロンプトの暗号化、個人情報の匿名化、データの適切な保管場所の選定などを行います。
これにより、AIの使用に伴うセキュリティリスクを最小限に抑えることができます。
STEP4:倫理的なAI利用の徹底
AIの出力結果には誤情報や偏見が含まれる可能性があるため、倫理的な使用ガイドラインの策定が重要です。
人間による出力結果の精査やモデル改善のためのフィードバック提供など、継続的な監視と管理が不可欠です。
これらのステップを適切に実施することで、AI機能を効果的かつ安全に導入できます。
導入による成功事例
株式会社淵本鋼機のSales CloudのAI導入による営業改革についての事例を紹介します。
創業70年を超える株式会社淵本鋼機(製造業向けの機械工具の商社)は、厳しい経営環境の中でSales Cloudを導入し、特にAIを活用したスコアリングシステムを活用して業務改革を実現しました。
既存顧客の商談確度をAIが分析・スコアリングすることで、担当者の感覚に頼らない効果的な営業活動が可能になりました。
これにより営業プロセスが最適化され労働生産性が大幅に向上し、導入前の決算の売上高は約30億円だったのが、導入初年度に約37億円、2年目は約41億円と、2年連続で過去最高を更新しました。
Salesforce Sales Cloudのセールス向けAI機能が、老舗企業の営業改革と業績向上に大きく貢献した成功といえます。
詳細については、Salesforceの公式サイト(淵本鋼機 事例紹介)をご覧ください。
最新動向
この章では、最新の動向として、AI活用の売上への貢献や、営業担当者のAI活用のニーズ、CRM向け生成AIについて紹介します。
生成AIの生産性と売上への貢献
Sales Cloudの生成AIは、営業チームの生産性と売上向上に大きく貢献しています。
調査によると58%の営業関係者が、生成AIが週に平均4.5時間の業務効率化に寄与すると予想し、56%が売上向上への効果を感じています。
生成AIは、アカウント調査、見込み客へのメール作成、営業レポートや戦略の作成など、幅広いタスクを自動化し、営業活動をサポートしています。
生成AIにより顧客に最適なソリューションを提供でき、従来の押し売り型営業からの脱却が可能になると考えられます。
営業関係者の生成AIの活用ニーズ
Sales Cloudにおける生成AIの導入に関して、営業関係者の多くは準備が不十分だと感じています。
約3分の1の営業チームが生成AIを使用または試験導入しており、サービス部門よりは利用率が高いものの、マーケティング部門よりは低い状況です。
主な懸念点として、生成AIの信頼性不足やスキルの不足が挙げられます。
49%の営業関係者は生成AIの出力精度が低いと感じており、63%はデータセキュリティが整っていないと考えています。
また、営業関係者の68%が、生成AIは文脈を踏まえた人間的な知識に欠けると指摘しています。
このため、人間による監視やガイドラインの整備が必要とされています。
一方で、営業関係者の中には生成AIの活用が自身のスキル向上やポジティブな変化をもたらす可能性を認める声もあります。
多くの営業関係者が、生成AIによって必要なスキルセットが変化すると予想しており、学習意欲の高い関係者は積極的に活用の機会を求めています。
しかし、適切なトレーニングを受けなければ職を失うのではないかという不安も存在します。
このように、営業関係者の生成AIの活用ニーズは、不安と期待が入り混じった複雑な状況です。
セキュリティと信頼性の向上、適切なトレーニング、そして活用機会の提供が、今後の課題となるでしょう。
「Einstein GPT」活用の効果
Salesforce Sales Cloudに組み込まれた「Einstein GPT」は、営業チームにとって非常に有効なツールです。
この機能により営業担当者が顧客一人一人にカスタマイズしたメールを数クリックで作成できるため、手間をかけずにパーソナライズされたコミュニケーションが可能です。
またウェブミーティング後に自動で議事録を作成し、次のアクションや商談の進行に役立つ要約も提供されます。
「Einstein GPT」はビジネスプロセスや結果のデータを学習し、最適化されていきます。
単なるインターネット情報の学習だけでなく、実際のビジネス成果につながった結果を基に進化していくのが特徴です。
これにより、営業担当者はデータドリブン(データに基づいたアクション)な成果を得ることができ、顧客との関係構築やクロージングにより多くの時間を割くことが可能になります。
AIによる自動化とリアルタイムな学習機能を活用することで、営業活動全体が効率化され、結果的に売上に貢献します。
Salesforce Sales Cloudの価格
Salesforce Sales Cloudの価格は以下のとおりです(Salesforceの公式サイトより抜粋)
エディション | 価格 |
Starter マーケティング、営業、サービスを扱う小規模なチーム向けのシンプルなCRMスイート |
3,000 円(税抜)/ユーザー/月(年間契約) |
Professional 営業向けのCRM |
9,600 円(税抜)/ユーザー/月(年間契約) |
Enterprise より高い柔軟性を備えた営業向けCRMとWeb API |
19,800 円(税抜)/ユーザー/月(年間契約) |
Unlimited インテリジェントな自動化と開発者支援が組み込まれた営業向けCRM |
39,600 円(税抜)/ユーザー/月(年間契約) |
Einstein 1 Sales 信頼できるAIとデータが含まれたSalesforceの営業向け最上位ソリューション |
60,000 円(税抜)/ユーザー/月(年間契約) |
まとめ
Sales Cloudのセールス向けAI機能は、営業活動の効率化と成果向上を実現する強力なツールです。
リードの自動評価や優先順位付け、パーソナライズメールの作成、会議データの有効活用、CRMデータの自動更新など、多岐にわたる機能で営業プロセスを最適化します。
AIの導入により、営業担当者は顧客との関係構築に集中でき、成約率の向上につながります。
また、AI技術は、業務効率化と売上向上に貢献すると期待されており、Sales Cloudのセールス向けAI機能は競争力向上と営業変革の鍵となるでしょう。
DX攻略部ではSalesforce導入/運用支援の中で初期設定支援や値引き交渉などを行っておりますので、ご興味のある方は下記から詳細をご覧ください。
DX攻略部ではSalesforceの導入/運用/開発を支援しております。初期導入をご希望の場合は、Salesforceの割引交渉を含めた支援も可能ですので興味がある方はチェックしてみてください。