こんにちは、DX攻略部のルバです。
今回は、Pardot(正式名称「Account Engagement」)について解説していきます。
Salesforceといえばセールスを強力にサポートするSFAツールが有名です。ですがPardotもマーケティングの観点からセールスをサポートしています。
これを読むことで、Pardotの定義と実際のB2Bマーケティングの中でどのようにPardotを生かせるかの具体的な情報を手に入れてください。
Pardotとは?
Pardotは、SalesforceのMA(マーケティングオートメーション)ソリューションの1つです。現在はMarketing Cloud Account Engagementと名前を変えていますが、本記事では良く知られたPardotと記述することにします。
Pardotが得意とするのは主にB2Bデジタルマーケティング、つまり企業に対するマーケティングをサポートします。
主に成約まで時間がかかるB2Bの対面営業で効率のいい営業を行うための機能がたくさん用意されています。これらの機能で、新規顧客を効率良く商談にもちこむことができるのが最大の強みです。
こんにちは、DX攻略部です。 今回は、DXツールの一つである、『Marketing Cloud Account Engagement(旧:Pardot)』について、紹介していきます。 Marketing Cloud Accoun[…]
Pardotの価格は?
Pardotは現在要件にあわせた4つのプランが提供されています。
Pardotの料金プラン | |
Growth | 月額150,000円(税別) |
Plus | 月額300,000円(税別) |
Advanced | 月額480,000円(税別) |
Premium | 月額1,800,000円(税別) |
※2023年8月1日時点での定価料金です。
PardotがサポートするB2Bマーケティング
B2Bマーケティングでは以下の5つのステップが重要とされています。
- 見込み顧客(リード)の獲得
- リードの育成(ナーチャリング)
- 商談
- 成約
- 効果測定
Pardotには、特に前半の2つ、リードを獲得してから育成までのステップをサポートする機能が多く用意されています。
後半のステップでは、PardotがSalesforceの他の機能との連携でサポートしていきます。
では具体的なステップを見る前に、Pardotで使う顧客の呼び方を理解しましょう。
リードとは?
Pardotでは、見込み顧客=リードを以下のように定義します。細かく言えば、個人情報の登録がないビジターと個人情報登録済みのプロスペクトですが、ここではまとめてリードとして扱います。
見込み顧客(リード)の獲得
B2Bでは量よりも質が大事です。最初は、オンライン上のお問い合わせやセミナー、展示会などで、専門性のある詳細な情報提供を行います。
これにより、自社商材と関連性が高いリードを効果的に獲得できます。
この段階では主にPardotの以下の機能が有効に働きます。
フォームとランディングページ
Pardotはフォームやランディングページを簡単に作成でき、マーケティング施策(Pardot キャンペーン)と結びつけることができます。
これにより、ビジターがプロスペクトに変わる(コンバージョン)時、最初にどのキャンペーンに反応したかを記録できます。
(引用:https://successjp.salesforce.com/article/NAI-000586)
こんにちはDX攻略部です。 今回は『Marketing Cloud Account Engagement(旧:Pardot)』のフォーム機能についてご紹介します。 『Marketing Cloud Account Engagem[…]
行動トラッキング
Pardotはウェブサイトでのリードの行動(いつ、どこを、誰が、どのぐらいの時間など)をトラッキングし、可視化します。また、過去に送付したメールの開封状況やフォーム送信状況も同様に可視化します。
これらにより、リードが興味を示したタイミングで適切なアプローチが可能になります。
リードスコアリングとグレーディング
Pardotはリードの興味の度合いをスコアリングします。ウェブサイト訪問、メール開封、フォーム送信などに対してポイントをつけ、興味度の高いリードを特定できます。
(引用:https://successjp.salesforce.com/article/NAI-000590)
(引用:https://successjp.salesforce.com/article/NAI-000590)
また、Pardotは会社がリードにどのくらい関心をもつべきかの指標(グレーディング)を与えます。自社の理想的な顧客プロファイルにどれだけ近いかで、F (最低) から A+ (最高) のグレードに分けます。
この2つの指標でリスト化したリードに対してアプローチすることで、無駄のない営業活動ができます。
(引用:https://successjp.salesforce.com/article/NAI-000590)
リードの育成
次にリードの育成を行います。これは、個々の企業に対して個別にカスタマイズされたOne to Oneマーケティングの手法で進めます。
B2Bの場合、対象は企業や法人であり、個々のニーズや要件が異なります。このため、その企業が直面している課題や問題点を把握して適切なソリューションを提供することで信頼を得ます。
さらに、定期的にコミュニケーションを取り、フィードバックを収集することで、顧客との関係を深めることが重要です。
この段階ではPardotの以下の機能が大変効果的です。
シナリオ機能(Engagement Studio)
Pardotのシナリオ機能では、リードの行動や属性に応じた次のマーケティングアクションをあらかじめシナリオで設定できます。
どんなリードにいつどんなアクションを取るかのシナリオを、状況に応じた分岐を使いながら記載できます。
これによって、リードの育成のためのマーケティング業務の多くを自動化できるため、負荷が減り、人為的なミスも防げます。
(引用:https://successjp.salesforce.com/article/NAI-000593)
商談と成約
リードの育成で育ってきた企業は、スコアリングやグレーディング、特定のシナリオの通過などで判別がつきます。良好なスコアリングやグレーディングの良好な企業が見つかれば、マーケティングから営業に引き継ぐ段階になります。
ここからは、SalesforceのSales Cloudという営業支援システムをメインに使います。ただ、ここまでPardotで収集してきた情報はすべてSales Cloudと連携しています。
引き継ぎ時間0秒、ToDoやメールで連絡さえすれば、今までの企業の行動すべてを営業担当者が見れるようになります。
逆に商談が進む間、マーケティング担当者もすべての情報を見ることができます。このマーケティングと営業の連携がシームレスに行えるのもPardotを使うメリットの一つです。
(引用:https://salesforce.vidyard.com/watch/uM9a7NuAY1jSMP819HF5Jq?)
(引用:https://salesforce.vidyard.com/watch/uM9a7NuAY1jSMP819HF5Jq?)
実際には、Sales Cloudにある商談がフェーズごとに強力なサポートをし、成約までの段階をフォローアップします。
(引用:https://successjp.salesforce.com/article/NAI-000031)
効果測定
成約に至った後は、どのマーケティング施策がどの規模の商談にどれだけ寄与したかを知るため、マーケティングの効果測定を行います。
Salesforceのレポートやダッシュボード機能で色々な角度から効果を検討し、次回のより効果的なマーケティング施策に繋げていきます。
(引用:https://successjp.salesforce.com/article/NAI-000595)
(引用:https://successjp.salesforce.com/article/NAI-000595)
Pardot Einsteinを使うとさらに効果的
Einsteinとは、SalesforceのSales Cloudを始めとしたあらゆる機能に組み込まれたAI機能のことです。もちろんPardotにもEinsteinは組み込まれています(ただしAdvancedとPremiumのみ、低価格の2プランには含まれません)。
Pardot EinsteinでスコアリングがAI判定
一番効果が分かりやすいのが、スコアリングです。Pardot単体では人間の感覚値でスコアリングのルールを設定する必要がありました。
しかし、Pardot EinsteinではこのスコアリングがAIによる自動判定となります。
Pardot Einsteinに含まれる豊富な機能
Pardot Einsteinには、スコアリング以外にも豊富な機能が含まれています。
- Einstein 行動スコアリング
- Einstein 主要取引先
- Einstein キャンペーンインサイト
- Einstein リードスコアリング
- Einstein アトリビューション
- Einstein 送信時間最適化
- Einstein エンゲージメント頻度
Pardotに似たMarketing Cloudの違い
Salesforceには、Pardotに良く似ているMarketing Cloudというのがあります。ここではPardotとは違うMarketing Cloudについて少し触れていきます。
旧Marketing CloudはB2Cのマスマーケティングをサポート
実は、Marketing Cloudも最近名称が変わり、現在はMarketing Cloud Engagementとなっています。Pardotの現在の名称とはAccountという言葉があるかどうかの違いなので紛らわしいですね。こちらもまだまだ旧名称で呼ばれることが多いです。
この旧Marketing Cloudは、B2BのOne to OneマーケティングをサポートするPardotとは異なり、B2Cのマスマーケティングを主にサポートします。
このため、最初のアプローチもB2Bマーケティングではあまり活用しなかった広告を最大限活用し、まずは認知拡大を狙います。
B2Cのマスマーケティングに適したツール群が用意されているのが旧Marketing Cloudです。
(引用:https://successjp.salesforce.com/article/NAI-000005)
今のMarketing CloudはPardotを含むMAツール群の総称
そして今のMarketing Cloudは、Pardotを含むMAツール群の総称となりました。
- Customer Data Platform(旧 Salesforce CDP):唯一の信頼できる情報源を作成してお客様を理解し、関連性のあるエンゲージメントを実現
- Personalization(旧 Interaction Studio):顧客や見込み客一人ひとりに合わせたリアルタイムのレコメンデーション、オファー、体験を提供
- Engagement(旧 Messaging/Journeys):メール、モバイル、広告、ジャーニービルダー用の製品で構成され、統合されたデータとAIにより、お客様が選択したチャネルでお客様とのつながりを深める
- Account Engagement (旧 Pardot):リード、バイヤー、アカウントを中心にマーケティングとセールスを連携し、より迅速な取引成立の支援
- Intelligence(旧 Datorama):アナリティクスを統合し、AIインサイトを活用して、顧客価値と成長を向上させる成果の継続的な最適化支援
(引用:https://www.salesforce.com/jp/blog/2022/04/next-gen-marketingcloud-vision-product-names.html)
まとめ
本記事では、PardotがB2BのOne to Oneマーケティングをサポートするツールであることを、B2Bマーケティングの流れと共に紹介しました。
Pardotの設定画面なども混ぜて説明したので、具体的なイメージが沸きやすかったはずです。
他のSalesforceの機能同様、使い始める前に十分な計画を立て、その計画に従って設定していくことで、Pardotの効果が倍増します。
これを機に、貴社のこれからのマーケティングを助ける強力なPardotの利用をご検討になってみてはいかがでしょうか。
こんにちは、DX攻略部のラムネです。 普段はAWSやSalesforceの開発関連の記事ばかり書いていますが、今回は久しぶりにデータ活用の分野でよく耳にする「CDP」について解説していければと思います。 昨今のAIやネットの発達[…]