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データ処理基本ETLとは?データの抽出・変換・ロードを実務で活かす方法について

こんにちは、DX攻略部のkanoです。

データを扱う業務において、ETLという言葉が頻繁に登場します。

「ETLって言葉、わかってるふりをしてるけど実はわかってない…」という方はいらっしゃいませんか?

非エンジニアである私も、ETLという言葉を耳にしながら実はちゃんと理解していないのでは、という疑問を抱くようになりました。

今回は、そんな私と一緒にあらためてETLとはなんぞや、という疑問を解消していきましょう。

ETLとは? なぜ重要なのか?

ETLの概要を学ぶと同時に、現代社会において、また企業のDX化において、「なぜETLが重要なのか?」という点について解説します。

ETLが重要な理由を知ることで、さらにETLについて興味を持っていただきたいからです。

データ統合の必要性とETLの役割

近年、企業が扱うデータ量は急速に増加しています。

多様なデータソースから情報を収集・統合する必要性が高まっているものの、データは異なるフォーマットや構造で保存されているという問題があるのです。

この状態では、せっかく集まったデータを活用しづらく、効率も悪い状態といえるでしょう。

そこで重要になってくるのが「ETL(Extract-Transform-Load)」というプロセスです。

ETLとは、データを抽出する「Extact」、変換する「Transform」、そしてデータウェアハウス(DWH)やデータベースにロードする「Load」一連の処理のことを意味します。

ETLを活用することで、データは整理・統合されて、分析やレポーティングに活用しやすくなるのです。

私が普段扱うデータ、たとえば「Google Analytics」や「Salesforce」は、それぞれプラットフォームが異なるツールです。

そこで、ETLを使えば、それぞれのデータを統合し、広告の効果測定や顧客分析に活用できるようになります。

商品を販売されている企業様であれば、注文・在庫・顧客データを統合し、リアルタイムで在庫予測や売上分析する、といった使い方もおすすめです。

手動処理 vs. ETLによる自動化

現在、自社のDX化を進めている企業様も多いかと思います。

その中で、手動処理でExcelやスクリプトを使ったデータ統合をおこなっている場合、ETLツールの導入を検討してみてください。

手動処理とETLによる自動化では、下記のような違いがあります。

項目 手作業によるデータ処理 ETLによる自動化
工数 毎回データを手動整理する必要と時間がかかる 一度設定すれば自動的に処理される
エラー発生率 手入力やコピペミスが発生しやすい データバリデーションやクレンジングを自動化
スケーラビリティ(拡張性) データ量の増加によって処理が困難になる 大量のデータでも効率的に処理される
リアルタイム性 最新データの取得に時間がかかる リアルタイムでデータの更新や統合が可能
データバリデーションとは、要件を満たすデータを、設定・定義された一連のルールと比較することです。また、データクレンジングは、重複や誤記などを削除・修正してデータの品質を高める作業です。

この表を見るとわかるように、手作業によるデータ処理では時間や労力などのコストだけでなく、ヒューマンエラーのリスクも高まることが確認できます。

ETLによる自動化を導入すると、データの統合・変換が自動化し、正確かつ迅速にデータを管理できるのです。

ETLの基本概念を理解しよう

ETLの重要性を確認できたので、ETLを実務で活用する際のステップを確認しましょう。

ETLの「抽出」、「変換」、「ロード」の意味を理解しやすいように解説していきます。

STEP1:Extract(抽出):データの取得方法

ETLの最初のステップは、データを抽出することから始まります。

データソースはさまざまな種類があり、「MySQL」や「Google Analytics」、「Salesforce」、「Amazon S3」などが該当します。

また、XMLやJSONなどのファイル形式やストリーミングデータも該当するので、データ分析に必要なものを抽出しましょう。

このとき注意したいのが、取得するデータ量を最適化することや、データの品質をチェックすることです。

必要なカラム・行のみ取得し、欠損値などがないか確認して抽出するようにしましょう。

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STEP2:Transform(変換):データの整形・加工

次に、取得したデータを整形し、分析や活用しやすいように変換するステップです。

異なるフォーマットや構造のデータを統一することで、一貫性のあるデータセットが作成されます

データ変換処理では、下記のような作業がおこなわれます。

変換 内容
データクレンジング 欠損値・不正値の修正 NULL値の補完、重複データの削除
正規化 フォーマットを統一 日付フォーマットの統一
集計 必要な情報のみをまとめる 毎日の売上データを月別に集計
結合 異なるデータソースの統合 顧客データと注文データを結合
エンコーディング変換 文字コードの統一 Shift-JISをUTF-8に変換
データ型変換 型の適正化 数値データをINTEGERに変換

ETLツールでは、手作業でスクリプトを書くよりも効率的に変換処理をおこなえるのです。

日常の業務がかなり効率化できるのがイメージできるのではないでしょうか?

STEP3:Load(ロード):データの保存・転送

最後に変換されたデータを保存して、分析や活用できる環境に格納します。

通常、変換されたデータはデータウェアハウス(DWH)やデータベースにロードされます。

また、データロードの方法として「フルロード」、「増分ロード」、「リアルタイムロード」を決めましょう。

データ量や処理速度の要件に応じて、適切なロード方式を選択することが重要です。

実務でETLを活用するには?

ETLとは、という部分がかなり具体的にイメージできるようになってきたのではないでしょうか?

ここでは、実務でETLを活用する際の具体的な事例を紹介していきます。

どのような業務でETLが必要になるのか?

どのような業務でETLが必要になるか、大きく分けて4つの事例を紹介します。

データ分析・レポート作成

データ分析・レポート作成では、売上データや顧客データを統合して、分析可能な状態に加工します。

例として、ECサイトの売上データとGoogle Adsなどの広告データを統合して、広告ROIを測定するレポートを作成する、というものです。

また、データウェアハウス(DWH)に格納して、BIツール(Tableauなど)で可視化するのも同様です。

広告費に対して利益がしっかりと出ているかを判断できるため、広告の見直しに活用できます。

レポート作成の自動化で、マーケターの作業時間を削減することも可能です。

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マーケティングデータの統合

ETLツールを使えば、異なるプラットフォームのデータを一元管理できるようになります。

たとえば、Google AnalyticsのWebトラフィックデータとSalesforceのCRMデータを統合して、分析したい場合におすすめの活用法です。

この方法を取り入れれば、営業チームが一元化されたデータを活用できて、コンバージョン率を向上させることにつながります。

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データのバックアップ・アーカイブ

ETLツールを活用して、データのバックアップやアーカイブ作成もおこないましょう。

定期的に取引データをAmazon S3にバックアップして、過去のデータを安全に補完する、といった形です。

データを扱う上で重要なシステム障害時のリカバリーを容易にする役割があります。

システム間のデータ連携

異なるシステム間のデータのやり取りを自動化したい場合も、ETLツールを活用してみてください。

APIやデータベースを介して、データの一貫性を保つことができ、それぞれのシステムを連携させれば、リアルタイムの在庫情報を更新することも可能です。

データが分散していて、リアルタイムの在庫更新ができずに、欠品リスクがある企業におすすめの方法といえます。

ETLツールの選び方:どれを使えばいい?

ETLにどんどん興味を持ち始めた、という方も多いかもしれません。

そこでETLツールの選び方について解説します。

現在、ETLツールは大きく分けて「クラウドETLツール」、「オープンソース」、「プログラムベース」の3つの種類に分けることができます。

それぞれの特徴を確認してみましょう。

クラウドETLツール:TROCCO

クラウドETLツールとは、SaaS型で提供されるETLツールです。

特徴として、ノーコードまたはローコードで利用でき、データ連携の設定が簡単です。

クラウドETLツールとしては、日本企業向けに最適化された「TROCCO」が代表的といえます。

非エンジニアである私も、実際にTROCCOを使ってAmazon S3でSnowflakeへのデータ連携にチャレンジしています。

下記の記事で紹介していますので、チェックしてみてください。

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オープンソース:Apache Airflow

オープンソースETLツールを活用する場合、自社の環境に導入し、カスタマイズ可能である、という点が特徴です。

自由度が高い反面、セットアップや運用に専門的な知識が必要なので、導入のハードルが少し高いといえるでしょう。

代表的なオープンソースETLツールとして、ワークフロー管理に特化した「Apache Airflow」が挙げられます。

自社にエンジニアチームがある場合は、オープンソースETLツールを検討しましょう。

プログラムベース:dbt、Python

プログラムベースのETLは、自由度が高く、独自のデータ処理フローを構築できる点が特徴です。

ただし、開発工数がかかる点や運用の負担が大きい点に注意しましょう。

1つのツールだけで抽出、変換、ロードができないことが多く、複数のツールを使い分ける必要がある場合もあります。

その中で、プログラムベースのETLでは、「dbt」や「Python」を使うことが多いです。

dbtは、SQLベースでデータ変換をおこなうためのフレームワークを担当します。

DWH内のテーブル同士をSQLでつなぎ、データを変換・モデル化する機能が充実しています。

Pythonはライブラリを使い、データ処理をおこなうために使いましょう。

たとえば、「pandas」や「SQLALchemy」などを使って、データクレンジングやデータベースに接続できます。

dbtに関しては、下記の記事で詳しく解説していますので参考にしてみてください。

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ETLの導入と運用時に気をつけるポイント

ETLを導入・運用する上で、気をつけたいポイントについて解説します。

ETLをせっかく導入しても、適切な運用管理をしていないと、その効果は薄れてしまうのです。

ETLをスムーズに運用するためのポイントを確認しましょう。

パフォーマンス最適化(データの増加に耐えられるか)

ETLを活用する際、増加するデータに気をつける必要があります。

データ量が増加すると、データ処理が遅延し、システムがボトルネックに陥る可能性があるためです。

そのため、下記のようにパフォーマンスを最適化させて、データの増加に耐えられる環境を構築して運用しましょう。

  • 必要なデータだけを取得する
  • 並列処理を活用する
  • 増分ロードを活用する

    パフォーマンスを最適化するためには、データの抽出、変換、ロードのそれぞれの部分でポイントを掴むことが重要です。

    データを抽出するとしても、無駄なデータを取り込むことはデータ量が増える原因になります。

    不要なカラムや行をフィルタリングするなどして、必要なデータだけを取得してください。

    データ変換の処理速度を向上させるために、並列処理やキャッシュを活用することも重要です。

    データロードでは、変更分のみデータ更新を行ったり、データ圧縮を活用したりすることをおすすめします。

    エラー処理・監視の仕組み(異常検知、リトライ設定)

    エラー処理・監視の仕組みを整えることも重要なポイントです。

    リトライ回数や間隔を調整し、不要な負荷を回避しましょう。

    また、欠損データや異常値を自動検出したり、重複データの削除をおこなって、データ品質の検証も必要です。

    ETLツールの多くが、ETL処理のログやアラート機能を備えているので、通知がメールやSlackなどに通知される設定をしておきましょう。

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    スケーラビリティとコスト管理

    データ量が増加すると、ETLの処理時間やインフラコストが増大します。

    そのため、適切なスケーラビリティ設計とコスト管理をおこなうことが求められます。

    TROCCOのようなクラウドベースのスケーラブルなETLを活用して、適宜スケールアップやダウンをおこなってください。

    また、処理を小さなパッチに分割して、並列実行で処理時間を短縮してみましょう。

    コスト管理では、不要なデータの取得を避け、データを圧縮することも心がけてください。

    不要なデータをパーティション化し、アクセス頻度の高いデータのみを処理対象とする、という選択肢もあります。

    これらの取り組みで、データ処理の安定性を確保しましょう。

    まとめ

    ETLとはどういったもので、ETLツールを活用することでどのような変化が生まれるかについて解説しました。

    まとめると、ETLは下記のような場面で活用できるとおぼえておきましょう。

    • マーケティングデータの統合
    • データ分析・レポート作成
    • システム間データ連携
    • バックアップ・アーカイブ管理

    いままでこういった部分を手動処理していたのが、ETLによって自動化すれば、大きな業務効率化につながります。

    企業のDX化を推進するためにETLツールを活用し、業務データ連携の効率化を進めましょう!

    DX攻略部では、企業のDX化に関するご相談を受け付けておりますので、ぜひお問い合わせください。

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