こんにちは、DX攻略部のkanoです。
Webサイト運営を行う企業において、ユーザー行動の把握と成果の測定は、ビジネス成長の鍵を握る重要課題です。
従来のユニバーサルアナリティクス（UA）とは異なり、Google アナリティクス 4（以下GA4）では計測方式や指標定義が刷新されているため、PV数やCV数の捉え方も変化しています。
本記事では、GA4導入企業に向けて「PV数とCV数の違い」をわかりやすく解説し、その理解をもとに分析力を向上させるためのポイントや実践的なコツをご紹介します。
これからGA4を本格的に活用したい方や、既に導入済みでも指標の意味や分析手法に自信がない方にとって、役立つ内容となっていますので、ぜひ参考にしてみてください。
GA4導入企業が知るべきPV数とCV数の重要性
GA4で表示される「PV数」と「CV数」の違いを正しく理解し、具体的な分析施策に落とし込んでいく方法を解説します。
従来のUAとGA4で変わる指標の捉え方
UA（ユニバーサルアナリティクス）では、PV（ページビュー）は「ヒット」ベースで計測され、CV（コンバージョン）は「目標達成数」という設定で扱われていました。
一方GA4では、すべての計測が「イベント」ベースに統一され、PVは「page_view」イベントとしてカウントされる一方、CV（コンバージョン）も任意のイベントを「コンバージョンにマーク」することで定義します。
そのため、PV数とCV数の取得ロジックや意義がやや変化し、単純にUAの感覚で見ているとミスマッチが生じる可能性があります。
分析力アップのためにPV数・CV数を理解すべき理由
PV数とCV数は、Webサイトの「ユーザー流入量」と「成果」をそれぞれ示す基礎的な指標です。
GA4上で両者を正しく捉えることで、下記のような効果が得られます。
- 高いPV数を持つもののCVが伸び悩むページやチャネルを早期発見し、施策を打つヒントが得られる
- CV設定漏れや計測ミスを防ぎ、正確なコンバージョン値を把握できる
- PVとCVのバランスを俯瞰的に見ながら、投資対効果（ROI）を正しく評価し、マーケティング戦略を最適化できる
これらのメリットを享受するためには、まず「GA4におけるPV数」、「GA4におけるCV数」の定義・計測方式をしっかり理解することが不可欠です。
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GA4におけるPV数とは何か？
GA4におけるPV数とは何か、という点から確認していきましょう。
GA4でのページビュー計測の仕組み（イベントとしての「page_view」）
GA4では、ユーザーがWebブラウザやアプリでページを読み込むと、自動的に「page_view」というイベントが発生し、その回数をPV（Page View）としてカウントします。
UAではページビューごとにサーバーへリクエストを送り、ヒットベースで計測していましたが、GA4ではあらゆる指標が“イベント”として捉えられるため、従来の「ページヒット」とは若干イメージが異なります。
GTMを実装すると、ユーザーのページ移動時に自動でpage_viewイベントが送信される仕様です。
- ページリロード／リフレッシュ時にも「page_view」イベントが発生するため、単純なスクロールのみではカウントされません。
- ページ間移動時にSPA（Single Page Application）や動的ロードを行っている場合も、自動計測が効かないケースがあるので、追加のイベント設定が必要です。
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GA4とUAでのPV数の違いポイント
GA4とUAでのPV数の違いも確認しておきましょう。
GA4はUAと異なり、初期実装で「page_view」「scroll」「outbound_click」「video_start」「file_download」などが自動計測されます。
そのため、初心者や非エンジニアでもデータ計測が簡単にスタートできるのがUAと大きな違いです。
PV数が示すユーザー行動の概要と注意点
PV数は、どのページがどれだけ閲覧されたかの大まかな指標であり、流入チャネル、集客施策の効果、コンテンツ人気度などを把握するために欠かせません。
ただし、PV数に関して注意したい点もあります。
たとえば、ページ遷移やリフレッシュによる重複カウントが発生しやすく、単純に「PVだけ増えた＝良い」という判断に陥りやすい点です。
また、PV数が多くても、滞在時間や直帰率、最終CVにつながっていなければ、その「質」は低いものと考えなければなりません。
つまり、ただPV数が多いと喜ぶのではなく、意味のある数字になっているか確認する仕組みが重要といえるでしょう。
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GA4におけるCV数とは何か？
GA4のPV数について確認したら、次はCV数についてチェックしていきましょう。
GA4でのコンバージョン定義と計測の流れ
GA4では、CV（コンバージョン）を「任意のイベントをコンバージョンとしてマークする」ことでカウントします。
具体的には、管理画面の［設定］→［イベント］画面で、重要なイベント（例：purchase、form_submit、sign_up、contact_completeなど）を「コンバージョンとしてマーク」をONにすることで、そのイベント発生時にCVとして集計されます。
イベント自体は、GTMの自動計測イベントか、カスタムで実行したもののいずれかで可能です。
また、「コンバージョン」としてマークすると、24時間以内にその設定がレポートに反映されます。
もし、複数回同一ユーザーが同じイベントを発生させた場合、レポートでは「合計CV数」と「ユーザーごとのユニークCV数（同日に同一イベントを複数回行った場合でも1回とみなす）」の両方を確認できる点も覚えておきましょう。
イベント成立からコンバージョンへ：カスタムイベント設定例
たとえば、「お問い合わせ完了（contact_complete）」をコンバージョンとして計測したい場合の流れは以下のとおりです。
たとえば、GTMで「Thank-you」ページ表示をトリガーにして、タグタイプを「GA4 イベント」にし、イベント名を「contact_complete」にします。
トリガー条件は、「ページビュー」にし、「一部のページビュー」を選びましょう。
パスはサンクスページのパスにして、最後はデバッグビューで確認して、問題なく動作していれば公開すればOKです。
GA4管理画面の「イベント」で「contact_complete」を確認し、「コンバージョンとしてマーク」をONにする。
数時間～24時間後に、「エンゲージメント」の「コンバージョン」レポートで、「contact_complete」のCV数を確認できます。
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CV数を正しく拾うための設定時のチェックポイント
CV数を正しく拾うためには、設定時にいくつかのポイントに注意しましょう。
たとえば、イベントのネーミングは小文字・アンダースコアで統一し、後から混乱しないように他のイベントと重複しない名前にしましょう。
そして、デバッグビューでの動作確認も重要です。
GA4の「デバッグビュー」を使い、開発環境やQA環境でイベントが正しく発火し、リアルタイムレポートに表示されることを確認することでトラブルを未然に防げます。
記事閲覧、資料請求、購入、といった複数ステップのファネルを定義し、ステップごとにイベントを設定すると、細かな改善ポイントが見える化できるので、この点も設定時に取り組みましょう。
PV数とCV数の違いを理解するメリット
PV数とCV数の意味を理解したら、それぞれの違いを改めて確認しましょう。
そのうえで、2つの違いを理解するメリットをチェックしてみてください。
流入数（PV）だけでなく成果（CV）まで見極める重要性
PV数の増減を見るだけでは、「どのページにユーザーが来ているか」は把握できますが、「最終的に何をしているか」はわかりません。
たとえば、広告やSNSからの流入でPV数は増えても、CVに至らなければ投資コストに対するリターンが悪化する恐れがあります。
逆に、PV数が少なくても一定のコンバージョン率(CVR)を維持できているページは、効率的にビジネス成果を生んでいるといえます。
どちらを重視すべきか？業種・KPIごとの指標の置き方
PV数とCV数は業種によって、どちらをどの程度重視するかが異なってきます。
たとえば、ECサイトの場合であれば、PV数とともに購入完了（purchase）のCV数を重視するとよいでしょう。
そして、CVRは「購入CV数 ÷ セッション数」で成果を測定するのがおすすめです。
BtoBサイトの場合は、PV数よりも「資料請求」や「お問い合わせ」などリード獲得CV数に重点を置くケースが多くなります。
PV数は流入経路の把握やコンテンツの人気度確認に活用しましょう。
メディアサイトであれば、広告収益が主な場合、PV数（広告インプレッション回数に直結）を重視することもありますが、会員登録や資料ダウンロードを狙う場合はCV数も重視します。
SaaS系サービスの場合、トライアル申込、アカウント作成などCV数を軸にKPIを設定し、PV数は主に上流のマーケティング施策の成果確認に活用しましょう。
このように、業種やビジネスモデルに合わせて、「PV重視」、「CV重視」のバランスを適切に見極め、レポート設計やダッシュボードにも反映させる必要があります。
PV数とCV数を組み合わせた分析で得られる示唆
PV数とCV数を組み合わせた分析で得られる情報に関しては、以下のようなものが上げられます。
チャネル別CVR分析
どの流入チャネル（オーガニック検索、SNS、メールマーケティング、リスティング広告など）が、最も効率良くCVに結びついているかを把握することで広告予算配分を最適化できる。
コンテンツ別LPO（ランディングページ最適化）
ランディングページごとにPVとCVを比較し、優先度の高いページから改善施策を実施することで、全体のCVR向上につなげる形です。
ユーザージャーニーの可視化
PV→中間行動（動画再生、ダウンロード）→最終CVまでのファネルを作成し、離脱ポイントを特定します。
その後、施策実行によりCV到達率の改善を図る方法です。
定量データと定性データの掛け合わせ
CVが少ないページについては、ヒートマップやユーザーテストを活用して定性データを補い、なぜユーザーが離脱しているのか仮説を立てましょう。
ヒートマップとは、Webページ上でユーザーがどの部分をよくクリック・タップしたか、あるいはスクロールしてどこまで閲覧したかといった行動を、色の濃淡で可視化するツールです。
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GA4でPV数とCV数を確認する方法
GA4でPV数とCV数を確認する方法を解説します。
GA4は最初は難しく感じるかもしれませんが、少しずつ見れる指標を増やしていくことで非エンジニアでもデータ分析を実現できるので、ぜひ試してみてください。
GA4管理画面での基本レポート確認手順
GA4の管理画面から基本レポートを確認しましょう。
最初に、GA4プロパティにログインし、左メニューから「レポート」から、さまざまなデータを確認できます。
「ページとスクリーン: ページパスとスクリーンクラス」の「イベント」から、「page_view」のイベント発生回数（＝PV数）や、各ページごとの平均エンゲージメント時間、エンゲージメント率などを確認しましょう。
各レポート上部の「セカンダリディメンション」や「比較」機能を活用し、チャネルごと・ランディングページごとのPV・CVの割合を確認すると、より詳細な分析が行えます。
探索レポートでのPV数・CV数の可視化
探索レポートを使った可視化にチャレンジしてみましょう。
左メニューから［探索（Explorations）］をクリックし、新規テンプレートを作成します。
「空白レポート」または「自由形式レポート」を選び、行に「ページタイトル」「ページパス」、列に「イベント名」、指標として「イベント数（page_view）」「コンバージョン数（イベントをコンバージョンとして設定しているイベント名）」を追加します。
フィルターで特定チャネルや特定期間を絞り込み、PV数とCV数を同一テーブルで比較することで、分析可能な探索レポートの完成です。
分析力をアップするための実践コツ
GA4を使った分析を行う際に、分析力をアップさせるコツを解説します。
CVR（コンバージョン率）を高めるためのPV数分析術
PV数とCV数の乖離を可視化することが重要です。
「PVが伸びているのにCVが伸びない」ページを抽出し、コンテンツの魅力度や導線設計に課題がないか検証しましょう。
また、A/Bテストやヒートマップツールと連携することも分析力をアップさせることにつながります。
PV数が多いページであっても、ボタン配置やキャッチコピーに問題があるとコンバージョンに至りにくいです。
その場合はA/Bテストを実施し、改善前後のCVR差を確認することで改善点の可視化が可能になります。
セグメント分けとフィルタリングによる深堀り手法
セグメント分けとフィルタリングによる調査も重要です。
オーガニック検索、広告、SNS、リファラルなど、チャネルごとにセグメントを作り、PV数とCV数を比較し、流入チャンネル別で検証してみましょう。
また、スマホ、PC、タブレットでCVRや滞在時間がどう異なるか分析し、デバイス別セグメントでUX改善のヒントを得ることも可能です。
キャンペーンや広告を出す場合、地域や属性によるコンバージョンパターンの違いを把握し、地域特化型キャンペーンやターゲティング広告の最適化に活かす方法もおすすめします。
Looker Studioとの連携
Looker Studioとの連携もアクセス解析の中で重要な要素です。
Looker Studioを使えば、GA4データを自動で取り込み、ダッシュボードを作成できるようになります。
週次・月次で自動更新されるように設定し、定例ミーティング前に最新データを確認できる体制を構築すると分析力アップにつながります。
Looker Studioの設定方法については、以下の記事を参考にしてみてください。
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事例解説：PV数とCV数を活用した改善施策
PV数とCV数を活用した、改善施策の事例を紹介します。
自社の状況を想像しながら、以下の事例状況と似ている場合は、ぜひPV数とCV数を活用した改善施策に取り組んでみてください。
ECサイトでの購買率向上を狙ったPV/CV分析
「特定のプロモーションバナーから訪問したユーザーのPV数は多いが、購買CV数が思ったほど伸びていない」という課題があった場合、
以下のような分析を行ってみましょう。
- プロモーションバナーをクリックしたユーザーのセグメントを作成し、ランディングページでのPV数と購入CV率を比較しましょう。
- ランディングページ上の「カートに追加」ボタンのクリックイベントを計測し、途中離脱率を把握します。
- 商品詳細ページ到達後の遷移フローを確認し、離脱が多い箇所（在庫切れ表示や価格表示の見づらさなど）を特定します。
分析を実施できたら、次は以下のような施策を実施してみてください。
- ボタンデザインを改善しクリックしやすくしたうえで、カートページでのフォーム入力項目を削減します。
- 購入意欲の高いユーザー向けに「購入手続きへ」ボタンを目立たせ、モバイルファーストでUIを最適化しましょう。
- 結果として、PV数はほぼ変わらずCV率が約15％向上し、プロモーション施策のROIを改善します。
このような改善施策を実施することで、現状の課題を改善できる可能性が高まります。
BtoBサイトでの資料ダウンロード数を増やすための施策
「BtoB向けホワイトペーパーのPV数自体は増加しているが、ダウンロードCV数の伸び悩みが見られる」という場合は、GA4で分析を行いましょう。
- ランディングページのPV数推移と、資料ダウンロード完了イベント（custom_event_download_complete）をコンバージョン設定し、PV数とCV数の時系列を可視化します。
- フォーム入力開始時点のイベント（custom_event_form_start）を測定し、離脱率を計算しましょう。
- ユーザー属性（企業規模、業種）ごとのCVRを比較し、ターゲット層の優先順位を再検討します。
分析を行ったら、改善施策を導入します。
- フォーム入力項目を見直し、記入の手間を軽減します。必須項目を絞り込むことで、フォーム開始から完了までの離脱率を改善できます。
- ペルソナ別にホワイトペーパー内容を最適化し、ダウンロード後のフォロー施策（自動メール配信）のクリック率を上げることで、CVRが向上が見込めます。
- ランディングページにカスタマーサクセス事例を追加することで、信頼性が高まります。そのことで、ダウンロード数の増加が見込めます。。
このようにGA4のPV数やCV数の情報をもとに改善施策を実施すれば、問題解決につながります。
よくあるQ&A：PV数とCV数に関する疑問を解消
PV数とCV数に関する疑問を解決するための情報を紹介します。
「PV数が多いのにCV数が増えない」原因と対策
PV数が多いのにCV数が増えない場合は、コンテンツがユーザーの期待に合っておらず、直帰率が高いことが考えられます。
CTA（Call to Action）が分かりにくく、ユーザーが次に何をすれば良いか判断できないことが原因かもしれません。
また、ページ読み込み速度が遅いため、ユーザー離脱が起きていることも考えられます。
こういった場合は、ページ内容とキーワードの整合性を見直し、ユーザーのニーズにマッチしたコンテンツへ改善しましょう。
CTAボタンの文言をより具体的にし、カラーや配置を見直してクリックしやすくすることも重要です。
ページ読み込み速度の改善には、画像の最適化やキャッシュ設定の見直しがおすすめです。
「GA4でのCV定義が難しい」場合のチェックリスト
GA4でCV定義が難しい場合は、以下のチェックリストを参考にしてみてください。
- イベント実装の確認
- 管理画面でのイベント登録
- コンバージョン属性のバリエーション
- テスト環境と本番環境の区別
最初に、フォーム送信や購入完了イベントがちゃんと発火しているか、デバッグビューで再確認しましょう。
発火しているイベントをGA4管理画面の「イベント」で確認し、「コンバージョンとしてマーク」する操作を行ったかチェックしてください。
ユーザーが複数回訪問してCVした場合と、一度だけ訪問してCVした場合のカウント方法を理解し、レポート表示とのズレがないか確認しましょう。
そして、テスト用URLで計測したイベントを誤って本番環境に登録していないか確認し、テストと本番で別プロパティを使い分けることが重要です。
まとめ
GA4導入企業にとって、PV数とCV数はWebサイトの現状を正確に把握し、施策の効果を検証するための最も基本的な指標です。
GA4ではいずれも「イベント」として計測されるため、従来のUAとは設定方法やレポート画面の見え方が異なります。
本記事で述べたように、まずはGA4におけるPV数（page_viewイベント）とCV数（コンバージョンとしてマークしたイベント）の定義や計測ロジックを正しく理解しましょう。
今後は、単にPV数やCV数を眺めるのではなく、「なぜその数値になっているのか」「どのように改善すれば次のアクションが取れるのか」という視点でデータを読み解くことが重要です。
本記事の内容を参考に、GA4でのPV数・CV数を軸とした分析力を磨き、より効率的にビジネス成果を生み出すための次の一手をぜひ実行してみてください。
DX攻略部では、GA4やGTMを活用したマーケティング施策のご相談を受け付けています。
GA4やGTMの導入など自社の目的に合わせた設定方法にお悩みの方は、ぜひDX攻略部にご相談ください！
